王道学園は実に面白い

白鳩 唯斗

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第1章

シロくんの兄弟?

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「こんにちは、僕は秋月琉翔です。本日からこの学園の生徒なのでよろしくお願いします」

「俺···奏叶······よ···しく」

 お互いに軽く頭を下げる。

 隣に座る奏叶と名乗った人物は、身長180cm位の、オレンジ色の髪と眼のイケメンさんだった。

 ──ほんと、イケメン美形率凄いなぁ。

「奏叶くんって呼んでも良いかな? 僕のことは好きに呼んでくれていいよ」

「ん」

 奏叶くんが頷く。

「····················」

「····················」

 会話が止まってしまった。

 何か話した方がいいのかな? でも、奏叶くん眠そうだし······。

 奏叶くんは、目の前のお花を見ながらチラチラとシロくんを見ている。

 シロくんが気になるのかな? もしかしたら怖いのかもしれない。邪魔したら悪いし別の場所に行こうかな。

 そう思い立ち上がろうとすると、奏叶くんに服を掴まれる。

「ん? どうしたの?」

「この子······触る、いい?」

 シロくんを見ながら首を傾げる。

 あ、怖いんじゃなくて触りたかったのね。そんなのもちろん、

「良いよ」

「ありがと」

 奏叶くんはニコッと微笑むと、シロくんを触り始める。

 もしもシロくんに兄弟が居たら、こんな感じなのかな。シロくんも珍しく懐いてるみたいだし、微笑ましい限りです。

 シロくんと奏叶くんが並ぶと絵になるので、写真を撮ろうと思ったけど、ついさっき見かけた盗撮覗き魔を思い出して辞めることにした。

 流石にあれと同類になるのはちょっとね······。

「この子···名前······?」

 奏叶くんがシロくんを撫でながら聞いてくる。

 うーんと、この子の名前何?って聞いてるんだよね?

「シロくんだよ。可愛いでしょ」

「!?」

 僕がそう答えると、奏叶くんが目を見開く。

 さっきまで眠そうにしてたのに、いきなりどうしたんだろ? ネーミングセンスダメだったかな?

 そんなことを考えながら首を傾げていると、奏叶くんがポツポツと話し出す。

「俺···話す······苦手。みんな·······俺···言葉、変。琉翔···分かる······嬉しい」

 なるほど? ま、人には色々事情があるし、あまり深く聞くのは良くない良くない。それに、嫌なら無理に話す必要も無いしね。今の時代スマホとかで会話出来ちゃうし。

「そっかぁ、苦手なのに話してくれてありがとう。でもね、無理に話さなくても良いからね? 同じ学園の生徒だし、話したい時に声掛けてよ」

「ん···ありがと」

 奏叶くんが僕の膝の上に頭を乗っける。

 寝るのかな? 今の時間寝たら学校間に合わない気がするんだけど、大丈夫?

「寝るの?」

 僕の問に、こくりと頷く。

 仕方ない、僕が起こせばいっか。別に用事も無いし。

 目を瞑って寝る体勢に入った奏叶くんに『おやすみ』っと言って頭を撫でる。

 サラサラしてて気持ちいい。
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