王道学園は実に面白い

白鳩 唯斗

文字の大きさ
上 下
9 / 25
第1章

シロくんの兄弟?

しおりを挟む
「こんにちは、僕は秋月琉翔です。本日からこの学園の生徒なのでよろしくお願いします」

「俺···奏叶······よ···しく」

 お互いに軽く頭を下げる。

 隣に座る奏叶と名乗った人物は、身長180cm位の、オレンジ色の髪と眼のイケメンさんだった。

 ──ほんと、イケメン美形率凄いなぁ。

「奏叶くんって呼んでも良いかな? 僕のことは好きに呼んでくれていいよ」

「ん」

 奏叶くんが頷く。

「····················」

「····················」

 会話が止まってしまった。

 何か話した方がいいのかな? でも、奏叶くん眠そうだし······。

 奏叶くんは、目の前のお花を見ながらチラチラとシロくんを見ている。

 シロくんが気になるのかな? もしかしたら怖いのかもしれない。邪魔したら悪いし別の場所に行こうかな。

 そう思い立ち上がろうとすると、奏叶くんに服を掴まれる。

「ん? どうしたの?」

「この子······触る、いい?」

 シロくんを見ながら首を傾げる。

 あ、怖いんじゃなくて触りたかったのね。そんなのもちろん、

「良いよ」

「ありがと」

 奏叶くんはニコッと微笑むと、シロくんを触り始める。

 もしもシロくんに兄弟が居たら、こんな感じなのかな。シロくんも珍しく懐いてるみたいだし、微笑ましい限りです。

 シロくんと奏叶くんが並ぶと絵になるので、写真を撮ろうと思ったけど、ついさっき見かけた盗撮覗き魔を思い出して辞めることにした。

 流石にあれと同類になるのはちょっとね······。

「この子···名前······?」

 奏叶くんがシロくんを撫でながら聞いてくる。

 うーんと、この子の名前何?って聞いてるんだよね?

「シロくんだよ。可愛いでしょ」

「!?」

 僕がそう答えると、奏叶くんが目を見開く。

 さっきまで眠そうにしてたのに、いきなりどうしたんだろ? ネーミングセンスダメだったかな?

 そんなことを考えながら首を傾げていると、奏叶くんがポツポツと話し出す。

「俺···話す······苦手。みんな·······俺···言葉、変。琉翔···分かる······嬉しい」

 なるほど? ま、人には色々事情があるし、あまり深く聞くのは良くない良くない。それに、嫌なら無理に話す必要も無いしね。今の時代スマホとかで会話出来ちゃうし。

「そっかぁ、苦手なのに話してくれてありがとう。でもね、無理に話さなくても良いからね? 同じ学園の生徒だし、話したい時に声掛けてよ」

「ん···ありがと」

 奏叶くんが僕の膝の上に頭を乗っける。

 寝るのかな? 今の時間寝たら学校間に合わない気がするんだけど、大丈夫?

「寝るの?」

 僕の問に、こくりと頷く。

 仕方ない、僕が起こせばいっか。別に用事も無いし。

 目を瞑って寝る体勢に入った奏叶くんに『おやすみ』っと言って頭を撫でる。

 サラサラしてて気持ちいい。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

表情筋が死んでいる

白鳩 唯斗
BL
無表情な主人公

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話

みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。 数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品

ある少年の体調不良について

雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。 BLもしくはブロマンス小説。 体調不良描写があります。

変態高校生♂〜俺、親友やめます!〜

ゆきみまんじゅう
BL
学校中の男子たちから、俺、狙われちゃいます!? ※この小説は『変態村♂〜俺、やられます!〜』の続編です。 いろいろあって、何とか村から脱出できた翔馬。 しかしまだ問題が残っていた。 その問題を解決しようとした結果、学校中の男子たちに身体を狙われてしまう事に。 果たして翔馬は、無事、平穏を取り戻せるのか? また、恋の行方は如何に。

もういいや

ちゃんちゃん
BL
急遽、有名で偏差値がバカ高い高校に編入した時雨 薊。兄である柊樹とともに編入したが…… まぁ……巻き込まれるよね!主人公だもん! しかも男子校かよ……… ーーーーーーーー 亀更新です☆期待しないでください☆

無自覚な

ネオン
BL
小さい頃に母が再婚した相手には連れ子がいた。 1つ上の義兄と1つ下の義弟、どちらも幼いながらに イケメンで運動もでき勉強もできる完璧な義兄弟だった。 それに比べて僕は周りの同級生や1つ下の義弟よりも小さくて いじめられやすく、母に教えられた料理や裁縫以外 何をやっても平凡だった。 そんな僕も花の高校2年生、1年生の頃と変わらず平和に過ごしてる それに比べて義兄弟達は学校で知らない人はいない そんな存在にまで上り積めていた。 こんな僕でも優しくしてくれる義兄と 僕のことを嫌ってる義弟。 でも最近みんなの様子が変で困ってます 無自覚美少年主人公が義兄弟や周りに愛される話です。

愉快な生活

白鳩 唯斗
BL
王道学園で風紀副委員長を務める主人公のお話。

処理中です...