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第1章
絵面を考えよう
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「ふわぁ······今何時だろ」
ベッドから起き上がり、欠伸をしながらスマホを確認する。
「んっ···まだ5時か、やっぱり時差ボケしちゃうなぁ」
ついこの間まで、イタリアに居たのだから仕方がないと思う。
元々、寝ないことも多いし、慣れてるつもりだったんだけど──やっぱり疲れてたみたい。
今日から学生になる訳だし早く起きても損は無いよね。
「とりあえず銃の点検でもしよっと」
ベッドから立ち上がり、銃の入ったカバンの元へ向かう。
世の中何が起こるか分からないものだ。僕は仕事柄恨みを買いやすい。
もちろん、殺し屋や情報屋なんてまともな人間がするようなことじゃないし、確実に裏社会との繋がりができてしまうものだ。
僕が最近経験したものを挙げるならば、急に銃を持ったマフィアに襲われたり、潜入調査中にスナイパーに狙撃されたり、依頼人が勝手にキャンセルしたりと、ろくな目にあっていない。
銃って怖いなぁ~。
ほんと、世の中物騒だよね。僕も昨日覗き魔くん撃っちゃったけど。
でもさ、覗き魔が居たんだよ? 普通あんなに隠れて見られてたら誰でも撃っちゃうよね?
殺られる前に殺る。これ基本。
まさかあんなにあっさり当たると思わなかったんだよ、ほんとに···。
日本では油断も隙も無いって言葉があるらしいけど、覗き魔くんは油断と隙の塊だったよ、ふふふっ。
今度は手榴弾を投げてみても良いかもしれない。きっと──面白い反応が見れそうだ。
「よし、問題ないかな」
銃の点検が終わったので、ショルダーホルスターに戻す。
「お腹空いた」
確か、6階にお店があるって書いてあったし、そこに行ってみよう。ついでにシロくんのお散歩も。
昨日はお風呂入ってすぐに寝たからご飯食べてないし。
シロくんに声をかけ、玄関に向かう。
扉を開け、エレベーターまでの廊下を歩く。
どうやら寮の扉はオートロックだったらしい。僕の部屋は13階(最上階)で、カードキーを忘れたら1階の寮長室まで行って、開けて貰わなければならない。
僕も寮長さんも苦労するので忘れないように注意しよう。
エレベーターの前に着いたのでボタンを押す。
最上階、ということで待ち時間が少し長い。しばらくシロくんを撫でているとエレベーターが来たので6階のボタンを押した。
「ち、ちょっと?! あの方誰!?」
「か、かっこいい···」
「隣に居るの怖っ!」
「あの方の親衛隊になりたい!!」
「ぎょえっ! なにあの動物っ!」
「迫力凄い···」
「そういえば俺のプリン勝手に食べた?」
なんか僕目立ってる? コソコソと何か言ってるみたいだし。耳良いから全部聞こえちゃってるけど。
あとプリンは食べてないよ。
「あ、あの······」
「ん?」
お店を探して歩いていると、ミルクティー色の髪とクリクリおめめの、小柄な······少年?に声をかけられる。
あ、これってもしかして男の娘ってやつかな? ネットでチラッっと見た事あるんだよね。こういうのなんて言うんだっけ? 確か──
「かわいい」
「ッ!?」
あれ? 何か間違えたかな?
目の前の少年が顔を真っ赤にして震えている。
確か日本のアニメとかではこう言うんじゃ無かったっけ? 情報屋でも流石にそっちの方の知識は無いんだよね······調べる時間無かったし。
「おーい、君大丈夫?」
「·················」
うーん、反応が無い。これ生きてるのかな?
「おーい」
俯いてしまったので、顔を覗き込んで確認してみる。
「も··っ···む、···り···」
そう一言言うと、少年はバタリと倒れてしまった。もちろん地面に着く前にキャッチしたけど。
──これどうしよ。
とりあえず脈と瞳孔を確認する。
「うん、ちゃんと生きてる」
確かスマホのマップに保健室があったはず。そこに連れて行けばいいのかな?
楓鵺さんから事前に渡されていたスマホには、学校のルールやマップ等、詳細に説明が全て書かれていた。日本の常識に詳しくない僕の為にそういう事も書いてあったのですごく助かっている。
僕自身、学校に通うこと自体が始めてだからあまり詳しく無い。
······覗き魔くんの連絡先聞いておけばよかった。
覗き魔なら色々なことに詳しいと思うし。
ベッドから起き上がり、欠伸をしながらスマホを確認する。
「んっ···まだ5時か、やっぱり時差ボケしちゃうなぁ」
ついこの間まで、イタリアに居たのだから仕方がないと思う。
元々、寝ないことも多いし、慣れてるつもりだったんだけど──やっぱり疲れてたみたい。
今日から学生になる訳だし早く起きても損は無いよね。
「とりあえず銃の点検でもしよっと」
ベッドから立ち上がり、銃の入ったカバンの元へ向かう。
世の中何が起こるか分からないものだ。僕は仕事柄恨みを買いやすい。
もちろん、殺し屋や情報屋なんてまともな人間がするようなことじゃないし、確実に裏社会との繋がりができてしまうものだ。
僕が最近経験したものを挙げるならば、急に銃を持ったマフィアに襲われたり、潜入調査中にスナイパーに狙撃されたり、依頼人が勝手にキャンセルしたりと、ろくな目にあっていない。
銃って怖いなぁ~。
ほんと、世の中物騒だよね。僕も昨日覗き魔くん撃っちゃったけど。
でもさ、覗き魔が居たんだよ? 普通あんなに隠れて見られてたら誰でも撃っちゃうよね?
殺られる前に殺る。これ基本。
まさかあんなにあっさり当たると思わなかったんだよ、ほんとに···。
日本では油断も隙も無いって言葉があるらしいけど、覗き魔くんは油断と隙の塊だったよ、ふふふっ。
今度は手榴弾を投げてみても良いかもしれない。きっと──面白い反応が見れそうだ。
「よし、問題ないかな」
銃の点検が終わったので、ショルダーホルスターに戻す。
「お腹空いた」
確か、6階にお店があるって書いてあったし、そこに行ってみよう。ついでにシロくんのお散歩も。
昨日はお風呂入ってすぐに寝たからご飯食べてないし。
シロくんに声をかけ、玄関に向かう。
扉を開け、エレベーターまでの廊下を歩く。
どうやら寮の扉はオートロックだったらしい。僕の部屋は13階(最上階)で、カードキーを忘れたら1階の寮長室まで行って、開けて貰わなければならない。
僕も寮長さんも苦労するので忘れないように注意しよう。
エレベーターの前に着いたのでボタンを押す。
最上階、ということで待ち時間が少し長い。しばらくシロくんを撫でているとエレベーターが来たので6階のボタンを押した。
「ち、ちょっと?! あの方誰!?」
「か、かっこいい···」
「隣に居るの怖っ!」
「あの方の親衛隊になりたい!!」
「ぎょえっ! なにあの動物っ!」
「迫力凄い···」
「そういえば俺のプリン勝手に食べた?」
なんか僕目立ってる? コソコソと何か言ってるみたいだし。耳良いから全部聞こえちゃってるけど。
あとプリンは食べてないよ。
「あ、あの······」
「ん?」
お店を探して歩いていると、ミルクティー色の髪とクリクリおめめの、小柄な······少年?に声をかけられる。
あ、これってもしかして男の娘ってやつかな? ネットでチラッっと見た事あるんだよね。こういうのなんて言うんだっけ? 確か──
「かわいい」
「ッ!?」
あれ? 何か間違えたかな?
目の前の少年が顔を真っ赤にして震えている。
確か日本のアニメとかではこう言うんじゃ無かったっけ? 情報屋でも流石にそっちの方の知識は無いんだよね······調べる時間無かったし。
「おーい、君大丈夫?」
「·················」
うーん、反応が無い。これ生きてるのかな?
「おーい」
俯いてしまったので、顔を覗き込んで確認してみる。
「も··っ···む、···り···」
そう一言言うと、少年はバタリと倒れてしまった。もちろん地面に着く前にキャッチしたけど。
──これどうしよ。
とりあえず脈と瞳孔を確認する。
「うん、ちゃんと生きてる」
確かスマホのマップに保健室があったはず。そこに連れて行けばいいのかな?
楓鵺さんから事前に渡されていたスマホには、学校のルールやマップ等、詳細に説明が全て書かれていた。日本の常識に詳しくない僕の為にそういう事も書いてあったのですごく助かっている。
僕自身、学校に通うこと自体が始めてだからあまり詳しく無い。
······覗き魔くんの連絡先聞いておけばよかった。
覗き魔なら色々なことに詳しいと思うし。
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