ただの悪役令息の従者です

〜8歳〜

2話

「お、お前のせいで恥をかいたんだからなッ！　もう許さない！」

　剣術の授業を無事に終えて、戻ってきたレイン様に叱責される。剣術の先生にあの姿を見られたのがお気に召さなかった様です。

「もう、お前とは口聞かない！」

「ッ！？　ま、待ってくださいレイン様！？　そんなの無理です！　癒し不足で死にます！　なんでもするので許してください······！」

「ふんっ」

「あぁ······」

　必死に土下座をするも、顔を逸らされてしまった。ショックのあまり、目尻に涙が溜まる。

「うぅ······もう自害するしか······」

「ッ！？」

　シクシクと泣いてますよアピールをしながら、首に紐を掛ける。もちろん、その先は何処にも繋がってないけど。

「············チラッ」

「········ま、まぁ、お菓子を作ってくれたら許さんでもない」

「！？　ありがとうございます！　すぐに作って参ります！」

「あ、おい！」

　早急にお菓子を作って、レイン様のご機嫌を取らなければ！　俺は急いで調理場に向かった。