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二章
三十九話
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アイスを渡して毬藻を帰らせてから体育館に向かう。ちなみに買ったお菓子はレジ袋六袋分。全部高級品で俺の自腹だ。
「ねぇ天使ちゃん。一袋だけでも持ってくれない? 流石に重いんだけど········」
「は、嫌に決まってるだろ」
「·········腕ちぎれそう」
チッ、荷物運びなんだから文句言うなよ。ゴム奢ってやっただろうが。グチグチと煩い寮長から二袋奪い取って早足で歩く。
──ズキッ
「ッ······歩くの遅いんだよ。さっさと動けカス」
「え、持ってくれるの? 天使ちゃん優しいね」
「·········殺すぞ」
ヘラヘラ笑うな気色悪い。別にお前の為じゃないわ。さっさと帰って寝たいんだよ。
──体育館
「·········はぁ······やば······」
「凄いねぇ······」
俺が居ない間に何があったんだよ。体育館の扉を開けると目測800程の椅子が並べられていた。寮長と館内を見渡して居ると先輩達が駆け寄ってくる。
「心湊様! 見てください!」
「僕達頑張ったんです!」
「「褒めてください!」」
「···············」
急になんなんだこいつらは。勝手に褒め合ってれば良いだろ。
キラキラと目を輝かせる先輩達に結翔直伝の『誰でも即堕ちスマイル』とか言う笑顔を作る。
「「///(ドキドキ)」」
「先輩の皆さん···············
これでも食って黙ってろ」
「「!!!!????」」
なんで俺がお前達を褒めないといけないんだよ。こっちは毬藻の相手で疲れてるんだ。寮長から袋を奪って投げ捨てる。
「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああ!!!!」」
「チッ·······うっさいな」
ついさっき言ったこともう忘れたのか。黙れって言ってるだろ。
「天使様から褒美が!!!!」
「永久保存永久保存永久保存永久保存··········」
「今夜のおかずにしなきゃ」
「全部俺のだ触んじゃねぇ!!!!」
「あ、これ僕の好きなやつだ。まさか心湊様僕の好みを知って········」
はぁ······マジで煩い。ノルマ達成したみたいだしもう帰って良いよね。笑顔を作ったまま寮長を振り返る。
「冴島先輩、後はお願いします」
「え、ちょ、天使ちゃん!?」
これ以上ここに居る理由も無いだろ。寮長にこの場を押し付けて俺は自室に向かった。
「ねぇ天使ちゃん。一袋だけでも持ってくれない? 流石に重いんだけど········」
「は、嫌に決まってるだろ」
「·········腕ちぎれそう」
チッ、荷物運びなんだから文句言うなよ。ゴム奢ってやっただろうが。グチグチと煩い寮長から二袋奪い取って早足で歩く。
──ズキッ
「ッ······歩くの遅いんだよ。さっさと動けカス」
「え、持ってくれるの? 天使ちゃん優しいね」
「·········殺すぞ」
ヘラヘラ笑うな気色悪い。別にお前の為じゃないわ。さっさと帰って寝たいんだよ。
──体育館
「·········はぁ······やば······」
「凄いねぇ······」
俺が居ない間に何があったんだよ。体育館の扉を開けると目測800程の椅子が並べられていた。寮長と館内を見渡して居ると先輩達が駆け寄ってくる。
「心湊様! 見てください!」
「僕達頑張ったんです!」
「「褒めてください!」」
「···············」
急になんなんだこいつらは。勝手に褒め合ってれば良いだろ。
キラキラと目を輝かせる先輩達に結翔直伝の『誰でも即堕ちスマイル』とか言う笑顔を作る。
「「///(ドキドキ)」」
「先輩の皆さん···············
これでも食って黙ってろ」
「「!!!!????」」
なんで俺がお前達を褒めないといけないんだよ。こっちは毬藻の相手で疲れてるんだ。寮長から袋を奪って投げ捨てる。
「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああ!!!!」」
「チッ·······うっさいな」
ついさっき言ったこともう忘れたのか。黙れって言ってるだろ。
「天使様から褒美が!!!!」
「永久保存永久保存永久保存永久保存··········」
「今夜のおかずにしなきゃ」
「全部俺のだ触んじゃねぇ!!!!」
「あ、これ僕の好きなやつだ。まさか心湊様僕の好みを知って········」
はぁ······マジで煩い。ノルマ達成したみたいだしもう帰って良いよね。笑顔を作ったまま寮長を振り返る。
「冴島先輩、後はお願いします」
「え、ちょ、天使ちゃん!?」
これ以上ここに居る理由も無いだろ。寮長にこの場を押し付けて俺は自室に向かった。
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