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二章

三十四話

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 ──ニコッ

「·················では説明を始めます」

「「(無かった事にしようとしてる········)」」

 多分誰も気にしてないだろ。俺はさっさと終わらせて寝たいんだよ。笑顔を作ったまま手元にある資料を読み上げる。

「まず初めに、俺が立つこのステージ下に椅子収納台車があります。そこから椅子を出して全校生徒分並べてください。二度参加されている3年生の方々ならよく分かると思うので率先して行動してください。とりあえず今日は半分程度をノルマとします。各々準備が出来次第作業を開始してください。問題を起こしたら即退学なのでお忘れなく。以上です」

 はぁ·········なんか話し過ぎて息切れしてきたわ。一礼してステージ裏に控えていた結翔の元へ向かう。

 ──パチパチパチパチパチパチパチパチ

「さすが心湊様、凄くわかり易い説明でした!」

「美しい声をこんなに聞けて幸せです」

「天使様の為なら一瞬で終わらせてやるぞー!」

「野郎共死ぬ気で頑張るぞ!」

「「おぉぉぉおおおおおおおおお!!!!!」」

 あー、マジうっさい。なんでお前達そんなに盛り上がれんの。社畜街道まっしぐらだぞ。

 ──ドンッ

「うわ、ちょ、大丈夫?」

「·······ダメ」

 もう今すぐ帰りたい。にゃんにゃん王子の抱き人形持ってくれば良かったわ。全身の力を完全に抜いて結翔に身を委ねる。

「結翔、運んで」

「ぐへ、仕方ないなぁ」

 うわ、耳元で変な声出すなよ気色悪い。既に目すら開けてない俺を、結翔はそのまま抱き上げた。

 仕事のせいで寝れないのが悔やまれる。



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作者体調不良の為、不定期更新になります。
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