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二章

二十五話

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 放課後。親衛隊室で5時間の仮眠を取った俺は急いで帰宅した。

「ふぁ······眠い······」

 寝ると余計に眠くなるあの現象ってなんだろ。適当にテレビをつけてソファーに寝転がる。

 今日は珍しくなんの夢も見なかった。もしかしてこれはにゃんにゃん王子効果?

 にゃんにゃん王子とはある妖が見える少年を主人公としたアニメに登場するキャラクターだ。可愛い見た目に反して本当はめっちゃ凄い妖だったりする。

 ──ガチャ

「たっだいま~!」

「おかえり」

 ──ニコッ

 もう風紀の仕事終わったのか。元気良く部屋に侵入してきた結翔に笑顔を向ける。

「え、なんか心湊機嫌良い? その笑顔なら攻めもイチコロだね!」

「そうかな? ちょっと結翔来てくれない?」

 今のは聞かなかった事にしてやろう。大きく腕を広げて手招きする。

「ブフォッwww!? まさかの甘えたいお年頃ですか?」

「············」

「ま、いいや。何かあったなら話聞くけ──」

 ──ドンッ

「ぇ?」

 油断したなアホが。近づいて来た結翔を俺はそのまま押し倒した。力では俺が負けるので急いで両手を床に押さえつける。

「ちょ、ちょっと心湊さん?」

「結翔さ、俺に何か隠してることあるよね?」

「ぴぎゃっ、な、なんの事でしょうか··········あはは、」

 だからお前はポーカーフェイスを知らんのか。白を切るならこっちにも手がある。

「ベッドの下」

「え?」

「ベッドの下にあるお前のBL本が人質だけど、どうする?」

「グオフッッ!? 何故バレたッ!?!?」

 いや、ベッドの下とか王道過ぎるだろ。一緒に居れば流石に気付くわ。

「はぁ·······まあお前の事だから俺の為に隠してるんだろ。もういいや」

 柊に関しては父上の独断っぽいしな。おふざけモードに入った結翔の上から退いて、俺はソファーに戻った。

「あ、今日の夕飯ハンバーグだから!」

「了解」

 そういえばにゃんにゃん王子自慢するの忘れてた。後で見せつけながら鼻で笑ってやろう。
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