天使様はいつも不機嫌です

白鳩 唯斗

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二章

二十話

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「これで本日の仕事は終わりです。お疲れ様です心湊くん」

「·········もう頼まないでください」

 なんで皆して俺を頼るんだよ。一般生徒に生徒会の仕事させるな。机の上に脱力して瑞希先輩を睨みつける。

「そんなに睨まないでください。これも全部バ会長が悪いんですよ」

「はぁ······ならさっさと辞職させて下さいよ」

 あいつずっとお菓子食べてただけじゃねぇか。今はみんなと一緒に仮眠室でグッスリ睡眠中だし。ふざけんな。

「まあそれが難しいんですよ。宜しければ気分転換にケーキでも食べに行きませんか? ちょうどお昼時ですし」

「いえ。この通り疲労困憊なのでまた今度にします」

 ケーキ如きで俺の機嫌が取れると思うなよ。今食べたら絶対吐くわ。

「そうですか。残念ですがまたの機会にしましょう」

 どうせ本当に行くことは無いと思うけどな。胡散臭い笑顔を浮かべる瑞希先輩の腹筋を殴る。

「ところで瑞希、いつまで演技続けるつもりだよ。俺疲れすぎてもう無理だわ」

「········確かにそうだな。心湊が辞めるなら俺も合わせるよ」

 相変わらず凄い演技力だ。一瞬にして声質と口調が変わった。

「その笑顔もやめろよ。いつも言ってるだろ、気色悪い」

「意外と好評なんだけど、気に入らない?」

「キモい」

「キモい·······ふふっ」

「嬉しそうにすんな」

 腹黒ドS副会長とか言われてる癖にいつの間にドMになったんだよ。
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