残虐悪徳一族に転生した

白鳩 唯斗

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第一部

二十五話 3

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 今日俺が皇城に来た目的は、皇子殿下に会うためだった。

 いくら皇族に悪い噂があろうと、忠臣として正しい道へ導けば良いと考えていたのだ。

 同じ子息同士、皇子殿下達と話し合えば分かり合えると思い、ここまでやってきた。

 だが、俺たちのせいでカイル殿下がこんな目に遭ってしまったとなれば、話は変わる。

 あまり良い返事は頂けないかもしれないな。

「小さな主君。必ずまたお会いしましょう」

 まだ小さな身体なのに・・・本当に申し訳ないことをした。

 カイル殿下の手の甲に口づけて、オリックス司祭と皇城を出る。

 帝国の成人年齢は十八歳。

 俺の成人パーティまで後ひと月も無いので、直に表舞台に立つ日が来る。

 北部で小規模で行う予定だったが――カイル殿下を招待してみても良いかもしれないな。

 噂でしか知らないカイル殿下について、実際はどんな人物なのかもっと知りたい。

 皇族であるカイル殿下が言う、助けてとは一体どういう意味なのかを・・・。
 
 それに――カイル殿下には借りがある。

 殿下はきっと知らないだろうが、彼は北部で一部の人達から救世主と呼ばれているのだ。

 カディエゴ公爵家の者として、恩を返したい。

 殿下の役に立てることがあるのであれば、喜んで手を貸すつもりだ。
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