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第一部
一話
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1話
人生とは――生まれたその瞬間から、決まっているものだ。
人には必ず、生まれた理由と役割がある。
「ったく、ゴミは臭くてたまんねぇなァ?」
辺り一面に広がる鮮血に、バラバラになった胴体が転げ落ちる。
この惨状を作った張本人は、切り落としたばかりの使用人を頭、髪の毛を掴んで、剣を肩に置いた。
「おい、何とか言ったらどうだ? まあ、ゴミを見たら不快になるのは仕方ねーがよォ」
「・・・・・・」
無言で死体を睨みつける俺の姿を見て、勝手に解釈してくれた。
こんな光景を見るのも、何百回目。いや・・・何千回目にもなる。
普通の人なら悲鳴をあげるかもしれないが、幾度となく行われてきたこの残虐な行為に、俺の感情は麻痺していた。
「第二皇子殿下、このゴミの始末は俺がしておきます。ゴミ如きの為に。御手を煩わせる訳にはいきませんので」
「クハッ! 死体を実験にでも使うつもりか? 弟が任せろっつうなら、その厚意に甘えるとするかな」
剣を振り回しながら、ご機嫌な様子で室内を後にする第二皇子。
人の部屋を、荒らすだけ荒らしておいて――
思わず眉を顰めるが、すぐに新しい使用人が部屋に入ってきたので、表情を無にする。
人生とは――生まれたその瞬間から、決まっているものだ。
人には必ず、生まれた理由と役割がある。
「ったく、ゴミは臭くてたまんねぇなァ?」
辺り一面に広がる鮮血に、バラバラになった胴体が転げ落ちる。
この惨状を作った張本人は、切り落としたばかりの使用人を頭、髪の毛を掴んで、剣を肩に置いた。
「おい、何とか言ったらどうだ? まあ、ゴミを見たら不快になるのは仕方ねーがよォ」
「・・・・・・」
無言で死体を睨みつける俺の姿を見て、勝手に解釈してくれた。
こんな光景を見るのも、何百回目。いや・・・何千回目にもなる。
普通の人なら悲鳴をあげるかもしれないが、幾度となく行われてきたこの残虐な行為に、俺の感情は麻痺していた。
「第二皇子殿下、このゴミの始末は俺がしておきます。ゴミ如きの為に。御手を煩わせる訳にはいきませんので」
「クハッ! 死体を実験にでも使うつもりか? 弟が任せろっつうなら、その厚意に甘えるとするかな」
剣を振り回しながら、ご機嫌な様子で室内を後にする第二皇子。
人の部屋を、荒らすだけ荒らしておいて――
思わず眉を顰めるが、すぐに新しい使用人が部屋に入ってきたので、表情を無にする。
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