1 / 57
第一部
一話
しおりを挟む
1話
人生とは――生まれたその瞬間から、決まっているものだ。
人には必ず、生まれた理由と役割がある。
「ったく、ゴミは臭くてたまんねぇなァ?」
辺り一面に広がる鮮血に、バラバラになった胴体が転げ落ちる。
この惨状を作った張本人は、切り落としたばかりの使用人を頭、髪の毛を掴んで、剣を肩に置いた。
「おい、何とか言ったらどうだ? まあ、ゴミを見たら不快になるのは仕方ねーがよォ」
「・・・・・・」
無言で死体を睨みつける俺の姿を見て、勝手に解釈してくれた。
こんな光景を見るのも、何百回目。いや・・・何千回目にもなる。
普通の人なら悲鳴をあげるかもしれないが、幾度となく行われてきたこの残虐な行為に、俺の感情は麻痺していた。
「第二皇子殿下、このゴミの始末は俺がしておきます。ゴミ如きの為に。御手を煩わせる訳にはいきませんので」
「クハッ! 死体を実験にでも使うつもりか? 弟が任せろっつうなら、その厚意に甘えるとするかな」
剣を振り回しながら、ご機嫌な様子で室内を後にする第二皇子。
人の部屋を、荒らすだけ荒らしておいて――
思わず眉を顰めるが、すぐに新しい使用人が部屋に入ってきたので、表情を無にする。
人生とは――生まれたその瞬間から、決まっているものだ。
人には必ず、生まれた理由と役割がある。
「ったく、ゴミは臭くてたまんねぇなァ?」
辺り一面に広がる鮮血に、バラバラになった胴体が転げ落ちる。
この惨状を作った張本人は、切り落としたばかりの使用人を頭、髪の毛を掴んで、剣を肩に置いた。
「おい、何とか言ったらどうだ? まあ、ゴミを見たら不快になるのは仕方ねーがよォ」
「・・・・・・」
無言で死体を睨みつける俺の姿を見て、勝手に解釈してくれた。
こんな光景を見るのも、何百回目。いや・・・何千回目にもなる。
普通の人なら悲鳴をあげるかもしれないが、幾度となく行われてきたこの残虐な行為に、俺の感情は麻痺していた。
「第二皇子殿下、このゴミの始末は俺がしておきます。ゴミ如きの為に。御手を煩わせる訳にはいきませんので」
「クハッ! 死体を実験にでも使うつもりか? 弟が任せろっつうなら、その厚意に甘えるとするかな」
剣を振り回しながら、ご機嫌な様子で室内を後にする第二皇子。
人の部屋を、荒らすだけ荒らしておいて――
思わず眉を顰めるが、すぐに新しい使用人が部屋に入ってきたので、表情を無にする。
69
お気に入りに追加
185
あなたにおすすめの小説
氷の華を溶かしたら
こむぎダック
BL
ラリス王国。
男女問わず、子供を産む事ができる世界。
前世の記憶を残したまま、転生を繰り返して来たキャニス。何度生まれ変わっても、誰からも愛されず、裏切られることに疲れ切ってしまったキャニスは、今世では、誰も愛さず何も期待しないと心に決め、笑わない氷華の貴公子と言われる様になった。
ラリス王国の第一王子ナリウスの婚約者として、王子妃教育を受けて居たが、手癖の悪い第一王子から、冷たい態度を取られ続け、とうとう婚約破棄に。
そして、密かにキャニスに、想いを寄せて居た第二王子カリストが、キャニスへの贖罪と初恋を実らせる為に奔走し始める。
その頃、母国の騒ぎから逃れ、隣国に滞在していたキャニスは、隣国の王子シェルビーからの熱烈な求愛を受けることに。
初恋を拗らせたカリストとシェルビー。
キャニスの氷った心を溶かす事ができるのは、どちらか?
悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
▼毎日18時投稿予定
結婚式当日に「ちょっと待った」されたので、転生特典(執事)と旅に出たい
オオトリ
BL
とある教会で、今日一組の若い男女が結婚式を挙げようとしていた。
今、まさに新郎新婦が手を取り合おうとしたその時―――
「ちょっと待ったー!」
乱入者の声が響き渡った。
これは、とある事情で異世界転生した主人公が、結婚式当日に「ちょっと待った」されたので、
白米を求めて 俺TUEEEEせずに、執事TUEEEEな旅に出たい
そんなお話
※主人公は当初女性と婚約しています(タイトルの通り)
※主人公ではない部分で、男女の恋愛がお話に絡んでくることがあります
※BLは読むことも初心者の作者の初作品なので、タグ付けなど必要があれば教えてください
※完結しておりますが、今後番外編及び小話、続編をいずれ追加して参りたいと思っています
※小説家になろうさんでも同時公開中
影の薄い悪役に転生してしまった僕と大食らい竜公爵様
佐藤 あまり
BL
猫を助けて事故にあい、好きな小説の過去編に出てくる、罪を着せられ処刑される悪役に転生してしまった琉依。
実は猫は神様で、神が死に介入したことで、魂が消えかけていた。
そして急な転生によって前世の事故の状態を一部引き継いでしまったそうで……3日に1度吐血って、本当ですか神様っ
さらには琉依の言動から周りはある死に至る呪いにかかっていると思い━━
前途多難な異世界生活が幕をあける!
※竜公爵とありますが、顔が竜とかそういう感じては無いです。人型です。
拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件
碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。
状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。
「これ…俺、なのか?」
何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。
《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て運命の相手を見つけるまでの物語である──。》
────────────
~お知らせ~
※第5話を少し修正しました。
※第6話を少し修正しました。
※第11話を少し修正しました。
※第19話を少し修正しました。
────────────
※感想、いいね大歓迎です!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる