表情筋が死んでいる

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「友達が出来ない······」

　姉さんに友達を作るならこの学園！と、言われて入学した男子校。もう既にひと月以上が経とうとしているのに、未だ知り合いと呼べる人すら居ない。

　先生にも何故かビクビクされて、俺は完全に孤立していた。

「あ、暁人様。少し消しゴムを······ﾋｯ。や、やっぱり大丈夫ですっ！！！」

「え·······」

　久しぶりにクラスメイトから声を掛けられて、急いで声のした方を振り返ったら顔を逸らされてしまった。

　──友達を作るチャンスだと思ったのに······。

　昔からこうだ。何故か俺の顔を見た人は悲鳴を上げて逃げていく。

　数年前に、背後霊でも居るのかと思ってお祓いに行ったけど、うちでは無理ですッ。と、凄い形相で追い返されたので、きっと強力な悪霊が取り憑いているに違いない。