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「おはようリアム。相変わらず寝癖すごいね」
「寝起きだから仕方ないよ」
魔術というものは見ているだけで面白い。運動場で術の行使を繰り返す生徒達を眺めていると、頭を撫でられる。
チラリと視線だけ寄越すと、金髪で後光が凄い男が居た。目は子を見つめる母の様に優しく、鼻筋は通っていて、妖艶な微笑みを浮かべる、魔性と表すに相応しい美青年が。
暑いのか少し胸元を開けているせいで、妙に色気があって、なかなか際どい。周囲から凄い目で見られている事にも気が付いていない脳天気な奴だ。
挙句の果てには『リアムは人気者だね』とか、全くもって見当違いな事を言い出す始末。彼らは全員君の色気に当てられてるんだよ、と言ってやりたい気分だ。そして可愛い男の子を襲って欲しい。
「良かったらこれから一緒しない?」
「えー、無理」
せっかく妄想が捗りそうだったのに、イケメンの顔面に視界を遮られた。これ、俺じゃ無かったら惚れてたよ。
残念ながら俺は男色では無いし、こいつとあまり関わるつもりは無いんだけど。悲しそうに眉を下げる姿は罪悪感を煽ってくる。
しかし、そんな表情も腐男子に掛かれば格好の餌食。ベッドの上で両手を縛られて、涙目で嫌々言う所までは既に妄想済み。数パターンしか用意されていないキャラ達の顔が、リアルに動いてる姿は感動モノだ。
ゲームでは攻めだったキャラが受けになり得る世界、実に良い。それに彼は、攻略対象者の一人《セシル・フィレンツィ》その人なのである。
セシルはどう頑張っても主人公とは結ばれない、意味不明なキャラだ。告白を断られたら海外に旅に出て、OKされても海外に旅に出る。最終的には結局旅に出るだけの男、旅職人セシルだ。
危機察知能力が高いのかもしれない。もしOKされてそのまま残っていたら、ヤンデレ変態騎士に背中を刺されていただろう。断られても結局国が滅ぶのだから、賢い選択だ。
まあ、俺的にはそっちENDの方が唆るんだが。
「寝起きだから仕方ないよ」
魔術というものは見ているだけで面白い。運動場で術の行使を繰り返す生徒達を眺めていると、頭を撫でられる。
チラリと視線だけ寄越すと、金髪で後光が凄い男が居た。目は子を見つめる母の様に優しく、鼻筋は通っていて、妖艶な微笑みを浮かべる、魔性と表すに相応しい美青年が。
暑いのか少し胸元を開けているせいで、妙に色気があって、なかなか際どい。周囲から凄い目で見られている事にも気が付いていない脳天気な奴だ。
挙句の果てには『リアムは人気者だね』とか、全くもって見当違いな事を言い出す始末。彼らは全員君の色気に当てられてるんだよ、と言ってやりたい気分だ。そして可愛い男の子を襲って欲しい。
「良かったらこれから一緒しない?」
「えー、無理」
せっかく妄想が捗りそうだったのに、イケメンの顔面に視界を遮られた。これ、俺じゃ無かったら惚れてたよ。
残念ながら俺は男色では無いし、こいつとあまり関わるつもりは無いんだけど。悲しそうに眉を下げる姿は罪悪感を煽ってくる。
しかし、そんな表情も腐男子に掛かれば格好の餌食。ベッドの上で両手を縛られて、涙目で嫌々言う所までは既に妄想済み。数パターンしか用意されていないキャラ達の顔が、リアルに動いてる姿は感動モノだ。
ゲームでは攻めだったキャラが受けになり得る世界、実に良い。それに彼は、攻略対象者の一人《セシル・フィレンツィ》その人なのである。
セシルはどう頑張っても主人公とは結ばれない、意味不明なキャラだ。告白を断られたら海外に旅に出て、OKされても海外に旅に出る。最終的には結局旅に出るだけの男、旅職人セシルだ。
危機察知能力が高いのかもしれない。もしOKされてそのまま残っていたら、ヤンデレ変態騎士に背中を刺されていただろう。断られても結局国が滅ぶのだから、賢い選択だ。
まあ、俺的にはそっちENDの方が唆るんだが。
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