BADエンド溢れる世界に転生した

白鳩 唯斗

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 もしもBLゲームの世界に転生したら。腐っていれば誰でも一度はそんな妄想をするだろう。

 もちろん俺も例に漏れず、である。

 特に好きなジャンルは重い愛。ヤンデレやメンヘラといったところだろうか。主人公を監禁とかしちゃったら尚良い。壁になってずっと眺めていたいものだ。

 そんな素晴らしい趣味を持つ自称健全腐男子の俺だが、ここでひとつ、語弊がないように言っておこう。俺は男が好きな訳では無いということを。

 そもそも腐男子=ホモという認識が間違っていると言わざるを得ない。

 男同士が絡んでいるのを見るのが好きなのであって、当事者になれと言われたら、首振り人形の首が吹っ飛ぶ位には拒否するだろう。

 つまり、俺が望むのはモブ一択。メインキャラ達の視界にも入らない、地味ぃなモブで良いのだ。

 いや、贅沢は言わない。動物とかでも良い。なるべく侵入しやすい小動物が良いなぁ。最悪虫でも構いませんよ。むしろベッドのシーツとかでも──

 と、まあ冗談はさておき······。

 俺は無事、BLゲームのモブに転生することが出来た。とは言っても、前世の自分に関する記憶が殆ど無い上、いつ思い出したのかも思い出せない。ダブル思い出せない現象に見舞われているのだが。

 おそらく、モブの頭脳では人生二回分の情報量は処理し切れないのだろう。

 人間の記憶なんて元より曖昧なものだし、気にしたら負けだと思っている。

 不思議なことに、BLに関する記憶だけは鮮明に覚えているのだけど。多分、前世の俺は相当腐敗した人間だった。

 腐に極振りした弊害なのかもしれない。悲しきかな。両親が知ったらどう思うか、と聞かれたら反論出来そうに無い。

 まあ、今世の俺に家族は居ないんだけどね?
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