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2巻

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 第一話 開店初週


 俺、日之本ひのもとめぐるは、食べ歩きが趣味しゅみのしがない会社員だった。
 ある日、山奥にあるというまぼろしの店を目指していた俺は、足を滑らせて命を落とすことに。
 しかし、それを見ていた幻の店の主――食神しょくしんじいさんによって、まさかの異世界転生を果たす。
 転生時に授けられたスキルは、どんな味でも作り出せる【味覚創造みかくそうぞう】。
 文字通り、頭に思い浮かべた味を料理として具現化できるものだ。
 スキルウィンドウに表示されるパラメーターで細かい味の調整も可能だし、見た目や食感はそのままに、味だけをイメージした通りに変化させることもできる万能スキルである。
 そんなこんなで、酒蔵の娘でドワーフのビアと白狐びゃっこのツキネを仲間にした俺は、【味覚創造】を使ったレストランを開くべく、美食の都である王都エッセンを目指す。
 紆余曲折うよきょくせつを経てエッセンに到着した俺は、様々な人達の協力の下、レストラン『グルメの家』を開店するに至った。
 ――そんな記念すべき日から、一週間が経った日のこと。

「お客さんの入りはぼちぼちかな……」

 俺は開店前の店内チェックを行いながら、ここ一週間のことを考える。
 毎日少しずつ客足は増えつつあるが、まだ店内の席が埋まるような繁盛はんじょうは見られない。
 やはり区外という立地のせいだろうか。
 このエッセンは飲食店に特化した『グルメ特区』を中心として、『一区』、『二区』、『三区』、『区外』と外に向けて広がっている。
 中心に近いほど飲食店の密度が高く、店の平均レベルも高いのだ。
 つまり、中止部から離れた『区外』は飲食店のレベルが下がり、食を目的に訪れる王都民があまりいない。
 また、中心部に比べると人通り自体が少ないので、そもそも客になる人が少なかった。

「んー、外観にも新店っぽさがないしなあ」

 店の見た目が素朴そぼくすぎるのも、客足が増えにくい一因になっているだろう。
 王都に来た際ビアも言っていたように、新しい店舗は集客のため目立つ外観に飾り立てることが多い。
 特に区外ではその傾向が強く表れていて、俺の店の周りでも派手な建物や懸命けんめいな客引きが散見される。
 その点、木の質感を生かした俺の店――『グルメの家』は、一見すると小屋のような素朴な外観だ。
 看板も地味な配色のため、入店の際「すぐには気付かなかった」と言うお客さんも少なくなかった。
 時折、表の様子を見ているが、大半の通行人は目もくれずに通り過ぎていく。

「まあ、別にいいんだけど」

 そもそも、俺が店を開いたことを知る人自体が少ないのだ。
 グーテの街での料理コンテスト満点優勝によって俺の存在は認知されたが、開店した事実を知る人間は多くない。
 料理人ギルドの職員を除けば、店のお披露目ひろめパーティーに参加した人達くらいだろう。
 俺が希望すればギルド側で開店情報を公開してもらうことも可能だが、それはめておくようお願いした。
 というのも、もし情報が公開された場合、お客さんが殺到してさばき切れなくなる恐れがあるからだ。
 史上初のコンテスト満点優勝はもちろんのこと、俺が五つ星の料理人であることも目立つ。
 料理人が持つ星の数は料理人ギルドによる評価――ランク付けのようなものであるが、五つ星となれば中堅ちゅうけんと言っていいレベルだ。
 区内ではそれほど珍しくない星数なものの、し料理人が多い区外においては異例である。
 ギルドじょうは「情報を公開しないんですか?」と驚いていたが、過度な注目を浴びてキャパオーバーになる事態はけたい。
 そのため、『グルメの家』のオープンについては、お披露目パーティーの参加者達にも口止めしていた。
 カランカラン――

「お」

 店を開けて約十分が経った頃、本日初めての来店を報せるドアベルが鳴る。

「やあ、今日も来させてもらったよ」
「コーンさん! 毎日ありがとうございます」

 オープン初日に一人目の客として訪れ、それから毎日来店してくれる常連客のコーンさんだ。
 俺は接客をビアに任せ、厨房ちゅうぼうへと向かう。

「キュウ!」

 床に丸まっていたツキネも、それを見てテクテクついてきた。
 厨房に入って一、二分、皿の配置等をチェックしていると、ビアがやってくる。

「注文入ったよ!」
「お、今日は何?」
「『味噌みそスープ』と『チキン南蛮なんばん』のライスセット。ドリンクは『緑茶』だよ」
「了解」

 毎回同じ料理を注文する他の常連客もいるが、コーンさんの注文はいつも少しずつ違う。
 理由を聞いてみたところ、なるべくいろいろな味の料理を食べてみたいのだと言っていた。
 俺は心の中で【味覚創造】と唱え、スキルウィンドウをオープンすると、【作成済みリスト】を選択する。
 一度調整を終えた味覚はワンタップで生み出せるので、リスト内から該当がいとうメニューを選ぶだけの簡単な作業だ。
 というわけで、まずは緑茶と味噌スープを生成。

「ビア、頼んだ」
「了解!」

 先にその二つをビアに運んでもらい、少し時間を空けて生成したメイン料理を自ら持っていく。
 メインとの間に時間を空けたのは、実際に料理をしていると思わせるためだ。
 料理系のスキルを持つ人間はたくさんいるとの話だが、一瞬で料理を作り出すスキルは知られていない。
 特殊すぎるスキル内容の露呈ろていを防ぐため、注文内容に応じて提供までの時間を工夫している。

「お待たせしました。チキン南蛮とライスです」
「おお、ありがとう! 相変わらず美味おいしそうだね」

 チキン南蛮をテーブルに置くと、コーンさんが目をかがやかせる。
 さっそくいただくよ、と笑った彼は、ナイフとフォークで一切れの肉を取る。

「うん!! 美味うまい!! そうそう、この味だよ!」

 チキン南蛮を堪能たんのうしつつ、ライスをむコーンさん。

「ライスも美味いね! ここはパンも絶品だけど、この料理にはやっぱりライスが合うなあ」

 ライスはあまり食べないと言っていたコーンさんだが、俺達のおすすめで一度ライスを食べて以来、その味にハマったようだ。
 チキン南蛮、ライス、味噌スープを順に食べながら、幸せそうな顔をしている。

「それにしても、ここの料理はどれも違った美味しさがあるよね。開店日に偶然通りかかってよかったよ」

 最後まで止まらずに完食したコーンさんは、満足そうにお腹をさする。
 彼は二区にある商店で働いており、これまでは一区か二区のレストランで食べることが多かったそうだ。
 それがたまたま区外に出向く用事があり、普段は通らない道を歩いたところ、ふと俺の店が目に留まったとのことらしい。
 周囲に比べ地味な外観が逆に興味を引き、ほんの気まぐれで入店したそうだ。

「――きっと近いうちに有名になるだろうからね。今のうちに来れるだけ来とかないと」

 オープン初日の帰り際、笑いながらそう言ってくれたのは記憶に新しい。
 今は昼休憩ひるきゅうけいを使って、わざわざ足を運んでくれている。

「それじゃあ、また来るよ。今度はデザートも頼んでみようかな」
「はい、ぜひぜひ。またのご来店をお待ちしています」

 ビアと共にコーンさんを見送った俺は、テーブルの食器を厨房に持っていく。
 使用済みの食器類はツキネが魔法で綺麗きれいにしてくれるため、洗い物の必要はない。

「ありがとな、ツキネ」
「キュウ♪」

 洗浄のお礼にひと欠片かけらのチョコを渡すと、喜んでかじりつくツキネ。
 普通の狐ならチョコを食べさせるのは良くないが、神の使いであるツキネなら問題ない。むしろ大好物と言ってよく、おやつに出すと爆食ばくぐいする。
 俺は契約のおかげでツキネの考えていることがわかるのだが、いつも喜んでくれていた。

「おかわりもあるからな」
「キュキュ♪」

 れる尻尾しっぽに笑みがこぼれるが、皿洗いがツキネ任せなのも申し訳ないので、近いうちに洗浄の魔道具を買おうと思っている。
 この世界ではキッチン周りの技術が進歩していて、『魔法版食洗機』のような機械も販売されているらしい。
 今度の休みに価格感のチェックも含め、魔道具屋に行ってみる予定だ。
 カランカラン――

「お、二人目のお客さんだ」

 コーンさんが去ってから数分後、本日二度目となるかねの音が。
 続けてビアの「いらっしゃいませ!」という元気な声が聞こえてくる。

「よし、今日も頑張るか……!」

 少しずつ増える客入りに口角を上げながら、俺は注文を待つのだった。


 ◇ ◆ ◇


 一方その頃。
 各地にある料理人ギルドの総本部、王都料理人ギルドの上階にて、二人の人物が言葉を交わしていた。

「――それで、今年の『新店フェス』の準備だけれど」

 足を組みながらそう話すのは、ギルドマスターであるリチェッタ。
 青みがかった銀髪が美しい、妖艶ようえんなエルフの女性だ。
 彼女は目の前に座る壮年の男性――副ギルマスのミネストラに視線を向ける。

「準備のほうは順調に進んでおります。余裕を持ったスケジュールを組んでおりますので、開催の半月前にはおおよその準備が整うかと」
「ありがとう、助かるわ。今期のフェスは荒れるかもしれないから」

 リチェッタは微笑びしょうしながら、ティーカップの紅茶に口を付ける。

「そうですね」

 大窓から街を眺めるミネストラは、リチェッタの言葉にうなずかえす。

「たしかに今期は荒れそうです。有名どころが多く出てくるでしょうから」

 そう言って、手元の資料をペラペラとめくるミネストラ。
 資料にはフェスへの参加を決めた新店や、参加権を得て出店を検討中の店舗、覆面ふくめん調査員による判断待ちの店舗等が、ずらりとリストアップされている。

「特に注目したいのは、先々月に独立した九つ星のピルツさんですね。他にも多数の高ランク料理人が出店を決めておりますし、参加客達も大いに盛り上がることでしょう」

 ミネストラは興奮気味に言ってリチェッタを見る。

「そうね。本当に今期はレベルが高いわ」

 高ランクの料理人が多い今期のフェスは、少し前からギルド内でも話題に上がっていた。
 フェスの中では王都民達の投票による順位付けも行われるため、どの新店が一位をるのか注目する人間も多い。
 過去の事例でも、新店フェスで一位を獲ったことで頭角を現し、魔法掲示板――王都の中央広場に設置されたレストランのランキング掲示板のトップ層に上り詰めた店は多数あるのだ。

「ただ、ベテランや腕利きがそろっているので、〝新店〟フェスかと言えば微妙なところではあります。我々ギルドとしては喜ばしい限りですが、本当の意味での新人にとっては不運なフェスかもしれませんね」

 そう言って苦笑いを浮かべるミネストラ。
 同意を求めるようにリチェッタを見るが、彼女は「どうかしら」と笑う。

「必ずしもそうではないかもしれないわよ?」
「……と言いますと?」

 リチェッタの意味深な笑みに、ミネストラが首をかしげる。

「ちょうど今朝、新規開店したレストランのリストをチェックしたのだけれど、の店が無事開店してたみたいだから」
「彼の店? 一体誰のことですか?」
「ちょっと待ってて」

 リチェッタはそう言うと、デスクから一枚の書類を出す。

「これよ」
「……『グルメの家』? 料理人はメグルさん、ですか。どこかで聞いたような……」

 腕を組んで首をひねったミネストラは、書類の続きを読んで目を細める。

「……区外?」

 彼が見たのはレストランの住所らん。そこにはっきり『区外』と書かれている。
 絶対にありえないということはないが、新店フェスに区外の店が選出されるのは非常にまれなことだ。
 料理人のランクは五つ星とあり、区外の店の料理人としては非常に珍しいが、それでもリチェッタがその店に着目する意味がミネストラにはわからなかった。

「先日のグーテ料理コンテストで優勝した子がいたでしょ?」

 怪訝けげんな顔をするミネストラに言うリチェッタ。

「ええ、満点優勝を果たした料理人ですよね。ずいぶんと話題になりましたが…………まさか彼が?」

 はっという顔で書類を見たミネストラは、頭に手を当てて再び首を傾げる。

「しかしそうだとすると、あまりに開店が早すぎませんか? コンテストが行われたのは先々月。わずか一カ月余りで……」

 グーテからの移動時間、物件決めや食材の仕入れ契約等、諸々もろもろの過程を勘案すると、異常な開店スピードである。

「ありえません……」
「私も詳しいことはわからないけど――」

 信じられない様子のミネストラに、リチェッタは言う。

「彼が普通じゃないことは確かよ。コンテストの満点優勝も異例のことだけれど、料理審査の時点で只者ただものじゃないとローストの報告を受けていたわ」

 料理審査の顛末てんまつを報告してくれたロースト――メグルが初めて立ち寄った街、フォレットのギルドマスターの顔を思い浮かべつつ、リチェッタは言う。

「それに……実際にこの目で彼を見たけれど、計り知れない何かを感じたの。私達の想像を超えた何かをやってくれそうな、そんな予感とでも言えばいいかしら。エルフのかんってやつね」

 冗談めかして笑うリチェッタに、「勘ですか……」とつぶやくミネストラ。
 勘だと言っているが、彼女の勘がよく当たることを、ミネストラは知っていた。
 長寿種であるエルフとして長年生きてきた経験と、料理人ギルドのトップを務めてきた経験。
 それらをあわせ持つリチェッタがそう感じるのであれば、その料理人――メグルにはきっと何かがある。
 コンテストで満点優勝を果たしたのも、異様な開店までの早さも、彼の持つ何かによるものだと考えれば、ミネストラも納得できた。

「『グルメの家』、ですか。今期のダークホースになりそうですね……」

 フェスに参加するためには覆面調査員の推薦が必要であるが、コンテストで満点を取った実力者となれば、確実に推薦を受けられるだろう。
 通常よりも多くの高ランク料理人が出店するだけでなく、突如現れたスーパールーキーの参戦。
 リチェッタが荒れそうだと言った本当の意味を、ミネストラは理解した。

「ええ。もちろん彼が出店すればの話だけれど」

 リチェッタはそう言いながら、大窓の外の景色を見る。
 調査員の推薦を受けたとしても、最終的に参加を決めるのは店側だ。
 開店申請時の備考欄から目立ちたくないというメグルの心情がうかがえたため、リチェッタとしても彼が出店するという確信はなかった。

「彼が参加してくれるとうれしいですね。今の面子めんつにスーパールーキーが加われば、これまでのフェスの中でもトップクラスの盛り上がりになるでしょう」

 ミネストラはリチェッタと同じく窓の外に視線をやり、期待を込めた声音で言った。

「そうね」

 リチェッタは静かにそう返すと、区外の方角をじっと見つめる。
 ミネストラの言葉には同意していたが、内心では違うことを考えていた。
 先日、メグルとの別れ際に彼に伝えた「期待している」という言葉についてだ。
 未知数な部分が多いメグルが、どのように成長していくのか。これから先何を成し遂げ、何を王都にもたらすのか。
 料理人ギルドを統括とうかつする者としての気持ちはもちろんのこと、食を愛する一人のリチェッタとして、期待している彼女がいる。
 返却された書類に視線を落としながら、リチェッタは妖艶に笑う。

「彼が参加してくれることを願っているわ」



 第二話 砂糖取引と魔道具屋


 地球には休日という概念がいねんがあったが、それはこの世界でも変わらない。
 日本のような週休二日ではなく、週休一日が浸透しんとうしているが、日本の飲食店でも店休日は週に一日のところが多い。
 俺のレストラン、『グルメの家』もそれにならって、週に一日の定休日を設けている。
 そして、オープン後に迎えた二度目の定休日、俺は王都の街を歩いていた。
 隣ではビアが並んで歩き、肩の上にはツキネが乗っている。

「キュキュ♪」

 外出時はリュックで寝ることが多いツキネだが、今日は目がえているようで、上機嫌に毛づくろい中だ。
 俺とビアはそんなツキネの姿にほおゆるませながら、料理人ギルドへと向かう。
 ギルドを訪れる目的は砂糖の取引。
 以前フォレットにいた際、金策のため魔力で作った砂糖をギルドで売っていたが、好評だったので王都でも売ろうと考えたのだ。

「――すみません、砂糖の取引について相談したいのですが」
「砂糖の取引、ですか?」

 ギルドに到着し、カウンターで声をかけると、不思議そうに聞き返してくるギルド嬢。
 何を言っているんだ? という顔をしていたが、ギルドカードを装置にかざすと、納得したように頷いた。

「もしかして、砂糖の定期納入に関する話ですか?」
「ああ、はい。その話です」

 話したっけ? と思い首を傾げると、「備考欄に書いてありました」と言われる。
 定期納入は元々ローストさん――フォレット支部のギルドマスターに受けた提案だが、そのむねがカードに記録されていたようだ。

「本部のウチとしても声をかけたかったようなので、願ってもない話です」

 ギルド嬢は笑ってカードを返却すると、言葉を続ける。

「相談ということは、定期納入をしていただけるということですか?」
「ええ、そのつもりです。最初は少なめの納入になるかと思うのですが――」

 現在は店の運営に割く魔力が多いため、そちらへの余力をなるべく残しておきたい。
 その点を踏まえつつ、納入量についての相談を進めていく。

「――なるほど。まとまった量を売るにはもう少し時間がかかると」
「そうですね。こちらの都合で申し訳ないのですが、余裕ができるまでお待ちいただく形になるかと思います」

 俺が提案した初期納入量は、週に布袋数個分。
 ギルドとしてはもう少しまとまった量を欲しているようだが、都合上それは難しい。
 ひとまずは少なめの納入に留めておき、余裕ができるにつれ量を増やしていく形にした。

「あとは、そうですね――」

 納入量の話を伝えた後、それ以外の点についてもすり合わせを行っていく。
 たとえば砂糖の売値に関して、これまでよりも安値で売ろうと個人的に考えている。
 以前も何度か砂糖を売ったことはあるが、その主な目的はお金を得ることだった。この世界に来たばかりで、お金に困っていたからな。
 しかし今は、王都までの道中で遭遇したイビルタイガーの討伐で得た資金があり、『グルメの家』の運営で入るお金も出てきている。
 そんな中、原価が実質無料の砂糖を高値で売り続けるのは気が引けるし、店の売上より砂糖の売上が圧倒的に多いのも気になる。
 ギルドとしては高値でも売れるので問題ないということだが、俺の希望で価格を下げてもらうことにした。
 ちなみにこれも個人的な考えだが、この先いくら魔力が増えても、業者のように大量の砂糖を売るつもりはない。
 俺の砂糖が広まりすぎると、本来の砂糖の需要に影響が出るし、俺がいなくなった瞬間に供給が途絶えるのも致命的だ。
 俺の砂糖の売り先は宮廷や一部の貴族、ランキング上位のレストランがメインとのことなので、節度さえ守れば市場を乱すことはないだろう。
 あくまでも市場に影響しないレベルに留めるつもりであると、ギルド嬢に念を押した。

「――とまあ、こんなところですかね。近いうちにまた来ます」

 本格的な契約はまた後日という話をして、俺達はギルドをあとにした。


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