――それでは第3回は、「ゲート」の作業工程について詳しくお話を伺いたいと思います。まずはネームからですが、漫画の1話分を描かれる際、原作のここからここまでといった分量はどのように決めているのでしょうか?
だいたい原作中のエピソードの区切りで1話を収めるようにしています。連載当初は原作1巻を24話分プロットに分けたものを作っていたんですが、どんどんずれていってしまって(笑)。エピソードを詰め込みすぎていたみたいで、今は予定よりもかなり話数が増えていますね。
――基本的には竿尾先生が原作を読み込んで、エピソードを再構成していく形で進めているんですね?
そうです。時系列を直したり、オリジナルで足したり。
――オリジナルで! そのエピソードは具体的にどのあたりでしょうか?
一番大きいのは6巻の自衛隊が渡河行軍するシーンでしょうか。同じく6巻のデリラの回想部分も、戦闘シーンは自分が足しました。
――漫画として盛り上げるところを補完するような形にしているんですね。
足した方がエピソードがリアルになる時や、話の間をちゃんと繋げたい時は追加しますね。例えば原作2巻の終盤に比べて、3巻ではヤオが結構みんなと馴染んでいます。その間、キャラクターたちがどう過ごしていたのかが描かれているのが外伝プラスの最初のエピソードです。だから漫画も原作の2巻から3巻に移るにあたり、そこを入れた方がいいな、と思って再構成しました。その探査行も、ストーリーを盛り上げるためにオリジナルの部分を足しています。
――文字表現と漫画表現の差を埋めるような感じでしょうか?
小説の一文が漫画では何ページにもなったりしますからね(笑)。漫画としての面白さの演出は、常に意識しています。
――原作をネームに起こす際の苦労はありますか?
原作のセリフを漫画のコマに落とし込む時、たまに「この長ゼリフだけで1ページいっちゃうよ、どうしよう?」って頭を抱えることがありますね。なのでコマ割りとセリフはなるべく簡潔にするように努めています。そのまま描いていったら、いくらでもページが増えていってしまうんで(笑)
――そこは自分のオリジナル漫画と、原作があるコミカライズの違いですよね。
そうですね。オリジナルではキャラクターが勝手に動いても構わないんですが、コミカライズの場合はキャラクターがどう動くか決まっているので、そのストーリーの中での漫画としての演出の仕方は悩みどころです。
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