――では次はスケジュールについてお伺いできればと。(1ヶ月スケジュールを見ながら)やっぱり毎月あれだけのページ数となると、ひと月ほぼフル稼動な感じですね。このスケジュールの中で、一番苦労するところはどこですか?
やっぱりネームですかねえ……。コマ割りや演出にはやっぱり悩みますね。
――ネームに取り掛かるのは家ですか? それとも喫茶店等の外出先ですか?
家ですね。最初の方は録画したCSの海外ドラマや「ヒストリーチャンネル」とか「ナショナル ジオグラフィック」とかを流しながらやってたらいつの間にか朝になってた、とかもあります。まあこれだとあまり進みませんけど(笑)
――ですよね(笑)
ネームはノートとかじゃなくて、原稿用紙を原寸大にコピーした紙に描くので、物理的に外ではやりにくいんです(笑)。でもこの大きさだとトレス台の上にネームを置いて、その上から原稿用紙を置くと下描きが楽なので。
――なるほど、合理的ですね!
ネームも実は、返事をもらった時点ですでに下描きが半分終わってるということもあります(笑)。ちょっと要検討なところがあった場合、進めないでいて欲しいと事前に担当さんからメールをもらったりしてるんで、問題ない……というか、待ってって言われたことあったかな(笑)
――というくらい良ネームがあがってくるということで(笑)。作業中のBGMやBGVでお気に入りは?
仕事部屋にはテレビを置いていないんで、主にラジオを聴いてます。最近は昼はNHKが多いんですが、深夜になると「オールナイトニッポン」を聴いたりもします。中でもオードリーが結構好きですね。
――アシスタントさんに入っていただいていると伺っていますが、どういったつながりで来てくださっているんでしょうか。
漫研の先輩後輩や、地元の漫画専門学校の卒業生たちですね。専門学校からのアシさんたちは、講師の紹介で来てもらっています。
――ではアシスタントさんは固定ではなく、その時都合がつく方に入ってもらっている感じですか?
そうですね、先方の都合に合わせて入ってもらっています。「週刊ビッグコミックスピリッツ」(小学館)で「アオアシ」を連載している小林有吾先生が同じ地元なので、先にそちらにアシスタントが行ってしまうと大変です(笑)
――アシスタントさんの奪い合いが(笑)。それでも最後の仕上げはご自身でされるとか。
トーンの削りと髪のツヤ入れは全部自分でやっています。普通はカッターの刃で削るんですけど、自分は普通のカッターの折った面で削ります。広い面積が削れるし、モヤっと感が出せるんで。
――そして脱稿したら、ようやく4〜5日くらいお休みが取れる感じなんですね。原稿明けは何をされているんですか?
それはもう、目覚ましをかけずに爆睡です(笑)
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