――高校も寮生活だったんでしょうか。
いえ、四国にある高校に進学して一人暮らしを始めました。
――そうなんですか! 初めての一人暮らしの感想は?
生活習慣は寮生活で身についていたので、特に苦もなく……。まあ起きられなくて結構遅刻したり、食生活が外食か弁当頼みになったりはしましたけれど、ハメを外し過ぎることもなく(笑)
――親御さんも安心ですね(笑)。一人暮らしとなると、小遣いの範囲とはいえかなり自由に漫画を買うことができるようになったと思うんですが、当時好きだった漫画は何ですか?
士郎正宗さんの「アップルシード」(青心社)ですかね。あとは小林源文※さんとか……。
――やっぱり中学時代の「コンバットコミック」との出会いが大きかったんですね。
そうですね。なので高校生になると「コンバットコミック」にハガキを投稿するようになりまして。
――その辺りから付けペンを使うようになった、と。
あまり知識がなかったので、手始めに通販でペン先やペン軸がセットになっているスターターキットを買ったんです。でもペン先をインクに浸けるということを知らなくて、インクをペン軸の中に溜めて使うのかと思って注いでしまって、紙にダバアッとこぼしてしまったり。で、「あれ、違う!」と(笑)。それが高3のはじめくらいですね。
――漫画のテクニックを学び始めたのはゆっくりめだったんですね。本格的に漫画を描いたのはいつ頃ですか?
高3の半ばには24ページの作品を描いて「コンバットコミック」に投稿しました。
――すごい勢いで進化しましたね(笑)! どういったお話だったんでしょうか。
ベトナム戦争ものです(笑)。アメリカ兵が主人公で、ゲリラと戦うというような内容です。思いっきり小林源文さんの影響を受けていました。
――どういった点で小林さんの影響を受けましたか?
タッチのリアルさとか、絵的なところですね。
――編集部から投稿作への反応は……。
その時は特に。高校を卒業する直前にまた「コンバットコミック」に投稿したんですけど、その時の作品は佳作に入りました。でも同じ選考に以前送った作品が入っていて、投稿作リストに掲載されていたのにはびっくりしました(笑)
――おおらかというか、なんというか(笑)。それにしても執筆ペースが早いですね!
と言っても、高校在学中はその2本くらいでした。トーンも使わずに薄墨で。これも小林源文さんの影響です(笑)
※編集部注「小林源文」
戦場劇画で有名な漫画家・イラストレーター。ミリタリー漫画を描く作家の第一人者と称される。
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