――他にコミックス作業にまつわるエピソードはありますか?
担当コミックスの表紙絵が、ラフが通った翌日に仕上がってきた時は驚きましたね。
――やっぱり早いですね! 実作業はどれくらいかかっているんですか?
村上10時間……くらいですね。前回もお話ししましたけれど、とにかくテンション重視なので、その絵が自分の中で旬の時に終わらせたいんですよ。1日集中してずーっと見ていると、コントラスト等がわからなくなってくる部分もあるので、とりあえず塗り終えたら一旦寝て、翌日にヒキで見てみて調整してから提出、という流れですね。
――村上先生の勢いとテンションの為せる技はすごいですね!
村上『癒し手』の場合、カバーイラストについての打ち合わせで構図の指定やイメージをいただくんです。それをもらった瞬間、私はピコーン! と絵が頭に出るタイプなんですよね。やっぱり最初に頭に浮かんだ絵が自分の中では1番良くて……他の絵はどこか、ひねり出す感じになっちゃうというか。なのでラフを提出する時も、1番最初に浮かんだ絵を激推ししています(笑)
担当そう! 1点だけ気合の入れ方が違うラフが入っているので、ものすごくわかりやすいんですよ。でもやっぱり、村上さんご自身が推してくる絵が1番良い絵なんですよね。ちゃんと打ち合わせを踏まえて、こちらが欲しいと思うイメージの絵を上げてきてくれるので、結果オーライなんですが(笑)
――推しと言えば、『癒し手』で村上先生のお気に入りのキャラは誰ですか?
村上リィーンの夢の中に出てくる謎めいた男性がいるんですが、彼のことがもう、別枠というくらい大好きです!
担当コミックスの本体表紙には絶対彼を入れるということにしていますしね(笑)
村上別名「イケメンの部屋」(笑)。書店用の特典でも、コミックスにはまだあまり出ていないにも関わらず、隙あらば彼を入れようとしています。
――では漫画の執筆時も、その男性キャラを描いている時が1番気合いが入りますか?
村上それはもう、私のお楽しみ空間ですよ(笑)
担当でもネームだと、彼もかなりラフな感じで描かれますよね。そういえばノエルもだいぶひどいんですよ!(と、ラフを取り出す)
村上私の勢い主義がこんなところにも(笑)。改めて見てもひどいですね!
担当原作者さんがネームを読まれるので、この時は“ちゃんと描きます!”とメモ書きを添えてお送りしたんですよ。原作者さんには完成したキャラクター表をお送りしてあるんですが、「きちんと仕上がるとわかっていても笑いました」というお返事をいただきました(笑)
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