――それでは最後となる第4回は、担当さんを交えて漫画版『癒し手』制作の舞台裏を、ざっくばらんにお伺いしていきたいと思います。まずは担当さん、村上先生に『癒し手』を依頼した経緯を教えてください。
担当私は以前からpixiv等で村上さんの絵を拝見していたので、その存在は知っていたんです。でもなかなかお仕事をする接点がなくて。だからレジーナコミックスの立ち上げに関わることになり、『癒し手』を誰にお願いするかという話になった時、ぜひ村上さんにお願いしたいと思ったんです。
――当時、村上先生は漫画家としてのキャリアがほぼありませんでしたよね。
担当そうなんです。いきなり連載になるし、まったくの新人だと執筆のペースがわからなかったりするので、当時コミカライズに関して基本的には漫画のお仕事をした経験のある方にだけ声を掛けさせていただいていたんですが、私の中で村上さんの絵が『癒し手』のイメージにぴったりで……。社内で「彼女はほとんど漫画は描いたことがないんですけど、たぶん描けます!」「モノクロもちゃんとしています、カラー絵も素晴らしいクオリティの仕事をしています、絶対に良いカバーイラストを描いてくれるはずです!」と。
村上(爆笑)
担当会議には持てるだけの資料を持っていって、出来る限りのプレゼンをして。だから最初はトライアルという形で、私から原作の何ページから何ページまでをネームにしてみてくださいとお願いして、出てきたのがこちらです。(と、ネームを出す)
村上うわー、ネームがちゃんとしてる(笑)! そうそう、まず最初に小説1巻序盤のシーンのネームを描いてみてほしい、というお話でしたよね。それでガングさんが岩に挟まるあたりの10ページ分を描いてみたんです。
担当このネームを社内会議にかけて、「構成力はバッチリです、あとは連載に耐えられるスピードがあるかだけだと思います、この人と作品を作りたいです!」と再び大々的なプレゼンをして。
村上バクチでしたよね。始めてみないと連載に耐えうるスピードがあるかわからないという(笑)
担当でもそれまでのやりとりから、村上さんは仕事に対する責任感がきちんとある方だというのがわかっていたので大丈夫かな、と。
2016.11.02
まわりにはヒミツ! だからこそ育まれた、絵を描くことへの情熱2016.11.09
村上先生の制作環境&スケジュールを大公開!2016.11.16
漫画版『癒し手』はこうして生まれる? その制作風景に迫る!2016.11.22
これが『癒し手』の舞台裏! 村上先生と担当編集のぶっちゃけトーク