――2回目は、漫画制作時の道具やスケジュールについてお聞きします。いつからデジタルで、いつまでアナログで描いていたのですか? またその時に使っていた道具、例えばペンの種類などもよろしければ。
連載デビューした作品「神と一緒に」の時にデジタルに移行したので4、5年前くらいですかね。ただこの時は、半デジタルで、下絵まではつけペンで入れて、それをスキャニングして仕上げをデジタル処理していました。それ以前が完全アナログです。ペンは最初、Gペンを使っていましたが、スーッとすべるような感覚がちょっと自分には合わず、うまく描けないなと思っていたんです。ですが、アシスタントに入った時に先生が丸ペンを使用していて、線の太さを合わせるために、私もそれを使ったら、適度に引っ掛かり、また一本で細い線から太い線まで描けて使いやすかったので、それ以来、丸ペンでした。
――丸ペンですと紙を引っ掻いたりして使いにくいと、聞きますが、そこはどうですか?
いやー、相当引っ掛けましたね。私は筆圧もかなり高いので、紙をガリガリっと削る感じでした。ただその引っ掛かる感覚がかえって手になじみ描きやすかった。曲線を描く時に手を返すとガリリと引っ掻けるんですが、筆圧が高いおかげか、抑えが効いていて、インクが跳ねたりせず、太い線がしっかり描けてメリハリが出るんです。
――筆圧高いとペン先を潰しちゃって頻繁に替えなくてはいけないと聞きますが?
ええ、もうまさに。ペン先に紙の削りカスがついて、すぐ使い潰しちゃうんですよ。…なんですけど、面倒くさがり屋でペン先が潰れているのに、まだ大丈夫だろう、とか替えずにいると……、せっかく完成しかけた背景とかにペン先に余分に溜まったインクが、ボトトって! 「ギャ」って叫んだこと、何度もありますよ(笑)
――それは災難でしたね(笑)
毎回ホワイト修正しながら、「前のコマ描き終えた時に、なぜ替えなかった自分っ!」って突っ込んでましたね(笑)。そんなんだから原稿用紙も110kgのものだと穴が開きまくりの机黒く汚しまくり。なので原稿用紙は135kgの厚さのものを使用していました。これもたまに穴開いちゃう時がありましたが(笑)
――(笑)。
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