漫画家へGO プロ漫画家インタビュー

No. 1物語の中の人
黒百合姫先生

わたしの履歴書

第4回 黒百合姫と担当編集のフリートーク!

2人のスゴすぎる同人生活時代

――最後は、担当編集(以下、担当)とざっくばらんに対談していただければと思います。……お2人のエピソードで、なんかすごい話があるみたいですよね?

担当

数年間、同人活動だけで食べておられてた……というお話は結構すごいことだと思います。

彩帆

売れてるゲームの同人誌を出した時はそうですけど、マイナーなゲームの同人誌を描いていたときは苦しかったですよ。ししゃも時代はひどかった……。発行部数の桁がゼロ1つ違いましたからね。

マナカ

そりゃあししゃも生活になりますよねー(笑)

彩帆

人気タイトルだとマイナー作品の10倍刷っても、ほぼほぼ1イベントで在庫がなくなってましたからね。

マナカ

終盤は委託もしてました。あと、私は分厚いシリアスな漫画を描くのが好きだったんで、100ページオーバーの本とか出してたんですよ。

担当

同人で100ページ超えはかなり珍しいですね! それでお値段はどれくらいの設定だったんですか?

マナカ

おつりを出すのが面倒だったので、コミケでは1000円でしたね。20ページくらいの薄い本は500円です。

彩帆

1000円か500円の2択ですね。おつりを渡す時間あると、列もハケなくなっちゃうんで。

担当

なるほど……! 100ページ以上ある作品ならもう200〜300円上乗せできそうですけど。

マナカ

100ページどころかマックスで244ページの本も出しましたよ。1冊で1つの話になるようにして。

担当

ま、本気(マジ)ですか?

彩帆

だからその本、読んでると背表紙が割れちゃうんです、分厚すぎて(笑)。……あ、さすがに1000円で売ると赤字になっちゃうので、これはお値段1500円でした(笑)

通常の同人誌と比べると驚きの厚さ!!(※写真はイメージです)
マナカ

でも、その同人誌を出してから、出版社さんに声をかけられるようになったイメージがありますね。凄い本出した奴がいるってウワサになったみたいで。あとから編集部で回し読みしましたーなんて話も聞きましたし。

担当

すごい宣伝になったんですね!

マナカ

好きなことは頑張っておくもんだなって、そのときに思いました。

彩帆

本当に好きなことなら頑張れるんですよ。

担当

おー、名言ですね。重みが違いますよ。

彩帆

寝食を忘れて没頭する。たとえおかずがししゃも1匹になっても、と(笑)。……でも、今冷静に振り返ると周りには不幸に映ってたんじゃないかな……とも思うんですけどね。でも別に不幸だなんて思ってなかったですから。まあ、お金ないから我慢しようね、くらいで。

担当

その状況でバイトをしなかった精神が、プロへの道を切り拓いたのかなと思いますね。

マナカ

でも、バイトをやっておけばその業界の漫画を描けるようになるとは思うので完全に悪いことではないですよね。

彩帆

私は、バイトで体力を奪われて漫画が描けなくなっちゃうのもなーと思ってしまいますね。

担当

安定した収入源になるバイトは、始めるとなかなか辞められなくなりますからね……。

マナカ

その悪循環、どう解決したらいいのかな??

彩帆

……その状況に陥ったことがないからなー(笑)。でも、それが駆け出しの時に待ち受ける、最初のワナなんですよね。そこでせめて漫画家のアシスタントをするなら、画力も磨きつつってなるんでしょうけど、普通のバイトだと厳しいですよね。

マナカ

そういう状況の人は、とりあえず贅沢せずに描こうよ!……ってとこですかね(笑)

担当

お二人は電気とか水道とか、ライフラインを止められたことはないんですよね?

彩帆

そこまではないですかね。

マナカ

そういえば、1回だけローンに手を出したことはあります。同人誌を印刷する経費で、出せば回収できる額でしたけど。

彩帆

コミケで本を出さないと生活できない、という状況だったんで。

マナカ

火事で焼け出された時期だったというのもあるんですけどね。あのころは自転車操業でした(笑)

担当

コンビだったから乗り越えられたという感じでしょうか?

様々な困難も2人だから乗り越えられた…!
彩帆

そうですね。経済的な面では家賃、光熱費、食費も折半になるので耐えられました。

マナカ

同居しているコンビのメリットですね。広めの家も借りられるし。

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