――木野先生は漫画家であると同時に、お母さんでもありますが、仕事と家庭をどう両立させていますか?
うーん……ちゃんと両立はできてないですね(苦笑)。周囲にすごく支えてもらっています。主人はもちろん、実家の方もそうだし。娘のPTA本部もそうですけど。いろいろと迷惑をかけながら、描かせていただいています。
――夕食はご主人や、高校1年生のご長男が作ってくれることがあるそうですね。
繁忙期は基本、主人が作ってくれていて、本当にありがたいです……。長男は料理が趣味みたいで、手羽先餃子とか、私が作れないようなメニューまでレパートリーに入っています。「どこで覚えてきたの?」って聞いたら、「クックパッド」って(笑)。ネットのすごさを思い知りました。
――お子さんがいて大変なこともあると思いますが、逆にがんばれたり、よかったと思うこともあるのでは?
いっしょにいると楽しいから、何より気分転換になりますね。仕事部屋の壁に飾っていますが、長男が小学生の時に書いてくれた手紙や次男の折り紙、長女が描いた絵などを見ると、やっぱり元気が出ます!
――この環境なら、お子さんたちも漫画好きになりそうですよね。
どうかなぁ(笑)。でも、小学4年生の次男は私の漫画を読んでいて、最初の読者になってくれるんですよ! 「月が導く」も、ネームが出来上がるのをすごく楽しみにしてくれています。「月が導く」は小学生が読んで、多少文字やセリフの内容を理解できなかったとしても、絵や流れで内容が分かるように描くことをひとつの目安にしています。意外に子供の方がよく見ているし、正直でシビアです。真たちが漫画肉を食べる第16 話を次男が読んだ時には「面白かった」を言い間違えて「これ、おいしかった」という感想を言われまして (笑)。おいしそうに描けてよかったです!
――家族は他にも、猫が2匹いますね。
猫は好きですが、両方とも私の意志で飼い始めたわけじゃないんです。最初に飼ったのは毛の白いオスの「にゃんこ先生」です。たまたま家の中に入ってきたので、そのまま飼うことに……。2匹目は「みつ」という名前で、メスの三毛猫です。この子は5〜6年前の夏に、車のボンネットの中にいたところを保護したんです。当時は小さくて、おはぎのような子猫でした。
――すごいところに隠れていましたね!
そうですね(笑)。妹の友達に引き取ってもらう予定だったんですが、長男が「この子は僕が面倒を見るから、引き取らせてください」って言い出して……。自分で妹の友達の家にも電話して謝るというので、そこまでされたらしょうがないなと。だからみつは、長男の猫なんですね。
――猫たちも運命に導かれて、いっしょに暮らすようになったんですね。仕事部屋にも入ってくるようですが?
資料がボロボロになっちゃうので、あまり入れないようにしています。自分で開けられないように、ドアノブの向きを細工しました。ふつうの向きだと、自分でドアノブを回して入ってきちゃうんですよね。賢いから油断できません(笑)
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