漫画家へGO プロ漫画家インタビュー

No. 4月が導く異世界道中
木野コトラ先生

わたしの履歴書

第2回 木野先生の仕事場&制作スケジュールを大公開!

試行錯誤しながら獲得した、体に優しい漫画制作環境

――第2回は漫画制作時の作業環境を見せていただきつつ、どのようなスケジュールでお仕事をしているかをうかがっていきたいと思います。まず、漫画はどこで描いているのでしょうか?

自宅の2階の仕事部屋で描いています。液晶タブレットは、以前はCintiq 13HDを使っていたんですけど、この夏に買い替えて今はCintiq Companion 2を使っています。パソコンは「ファイナルファンタジーⅩⅣ(FF14)」(スクウェア・エニックス)が発売される頃に、弟の友達が組んでくれました。値段が良心的だったのに、明らかにスペックが高くて本当に大感謝です(笑)

――液晶タブレット(以下、液タブ)で描かれたイラストが、パソコンのモニターにも表示されていますね。

パソコンモニターの左側に、作業中の原稿を表示して、全体を把握しながら描き込んでいきます。液タブが斜めに角度がついているので、手元だけ見て描いていると、どうしてもパースが狂うんですよね。モニターの右側には、画像資料を表示します。

木野先生の制作風景を再現。執筆中のページが、液タブとパソコンのモニターの両方に表示されている。資料画像を表示するために空けているモニターの右半分には、大好きなキノコの壁紙が!

――液タブのペン先は、なにを使っているんですか?

実は、液タブを買った時に付属していたものを、なんとなくそのまま使っています。ステンレス芯なども気になってはいるんですけど……筆圧が弱いからペン先も減らず、買い替えるチャンスがないんですよ。このままだと先に液タブの方が壊れるかもしれないです(笑)

――筆圧はもともと弱かったんですか?

昔はすごく強くて、肩こりがひどかったんです。中学生時代、お絵描きしながら部活はソフトボールをやっていて、肘を壊したりしたので、このままでは長く描いていられないと思って……。フルデジタルで描くようになってから、体に優しく、なるべく力を入れずに描けるように矯正していきました。機材を変えるたびに、いろいろ調整しています。

これが木野先生の現在のペン設定。液タブを使う際の参考にしてみては?

――液タブの横には左手デバイスがありますね。

ゲーミングパッド用のRazer Tartarus Chromaです。筆圧が弱くて、ペン先の操作に反応しない時があったので、つい最近導入しました。ショートカットはいろいろ設定していますが、結局よく使うのは「保存」と「アンドゥ(取り消し)」くらいかも(笑)

――使用しているソフトはなんでしょうか?

漫画を描く時はComicStudioで、色を塗る時はCLIP STUDIO PAINTやPhotoshop CS5を使っています。

――ちなみに、いつからフルデジタルで描くようになりましたか?

2011年にニコニコ静画で連載した「私を墓場へ連れてって」(原作:新間一彰/ニコニコ静画)のあたりですね。「FF11」(スクウェア・エニックス)のアンソロジーを描かせていただいているころは、ペン入れまでアナログ作業でした。スキャンしてゴミを取り、デジタルでトーンを貼っていました。

――デジタルに慣れるのは早かったですか?

それが2年くらいかかったんですよね……。最初は線が思い通りに引けなくて困りました。覚えなきゃいけないことも多いし、毎回付け焼き刃な感じで、なんとか原稿を仕上げていました(笑)

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