――そしていよいよ、2015年6月から「月が導く」の連載が始まりました!
「セブンスドラゴン2020 -EGO-」を読んでくださったアルファポリスの編集さんから、「描きませんか?」と依頼をいただきました。それまではずっと同じ、フリーの編集さんから仕事をいただいていたので、初めて別の編集さんから声がかかってビックリしました。
――オファーされた当時、「月が導く」の原作小説はご存じでしたか?
正直に言うと、原作小説も出版社名も知らなかったです……。でも後から気付いたんですが、アルファポリスの本だと認識しないまま、コミックスはけっこう持っていました(笑)
――(改めて本棚をよく見て)たしかにコミックスの「ゲート」(原作:柳内たくみ/漫画:竿尾悟)が並んでいますね。「居酒屋ぼったくり」(原作:秋川滝美/漫画:しわすだ)第1巻もあります。
その本棚にあるのは、比較的最近のものが多いですね。別の部屋に行けば、まだありますよ。うちは本とゲームソフトだけで埋まっている部屋があるくらい本が好きなんです。支援っていうか、面白い作品はちゃんと買わないといけないって思っています。私は描き手である以前に、読み手側の人間だと思ってるんで(笑)
――なるほど。では「月が導く」のコミカライズ連載を引き受けた決め手はなんでしたか?
当時、たまたま他に進めていた漫画企画が頓挫して、時間に余裕があったんですよね。アルファポリスの編集さんから、すごく丁寧なメールとお電話をいただいたので、初めての会社だけど引き受けてみようかな、と。でも私が、長編の構成やネームをしっかりできるのか未知数だったはずなので、かなりのチャレンジャーだなって思いました(笑)
――タイミングがよかったんですね。
アルファポリスのサイトに原作小説の試し読みがあったので、さっそく読んでみました。ちょうどハイランドオークのエマさんが登場するあたりまでだったと思うんですが、「ヒロインが豚だよ!」って衝撃を受けて(笑)。異世界モノの作品は当時からたくさんありましたけど、少し読んだだけでも「これは異色だぞ」と気になったんです。その後、当時出版されていた小説を全部読んで、すごく好きな作品になりました。コミカライズを描かせていただけることが、一層うれしくなりましたね。
――「月が導く」は、どんなところが好きですか?
やっぱりメインキャラクターの真や巴、澪はもちろん、他の登場人物たちもそれぞれ個性があるところ……群像劇的なところが好きです。本編はもちろん、「月が導く異世界道中extra」で個々のエピソードも補完されているので、完全に私のツボでした(笑)。実は家にある「月が導く」の小説も、けっこうダブっている巻があるんですよ。新刊が出るたびに編集さんから送っていただくんですが、届くのが待っていられなくて書店に買いに走ったり。特典が欲しいから、余計にもう1冊買ったり(笑)。主人もファンなので、いっしょに楽しんでます!
――そうだったんですね(笑)。では次回は、そんな木野先生が描くコミック版「月が導く」の制作模様や作業工程などを、詳しくお聞きしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
よろしくお願いいたします!
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