――初めての単行本が出たあとも、ゲーム作品のアンソロジーには積極的に参加していたのですか?
「FF11」のアンソロジーを描かせていただいている間に担当編集さんが変わったんですが、その方がフリーランスだったので、いろいろな作品のお仕事を紹介してくださるようになりました。アンソロジーに参加するゲームのジャンルも広がりましたね。
――印象に残っているお仕事は?
「うたの☆プリンスさまっ♪」(ブロッコリー)など、女性向けのアンソロジーのお仕事ですね。それまではずっと、ときめく対象は男の子よりも女の子だったので(笑)、オファーをいただいた時には「ヤバいな」って思いました。男の子を魅力的に描きながら、その男の子にときめく気持ちも表現する……。私に不足していた、この2つのスキルが必要なので、今思うとこの時期はすごく大変だった気がします。でも仕事をきっかけにゲームをプレイしてみたら、すごくおもしろくて! 逆に知らなくて損したって思うくらいでした(笑)
――プレイしたことがないゲームのオファーもあったんですね。
お仕事でなければプレイしないようなジャンルの作品とも出会えました。まずはしっかりプレイして、ちゃんと作品を好きになってから描くようにしていましたね。
――そして2013年に「セブンスドラゴン2020 -EGO-」の連載がファミ通コミッククリアで始まり、2014年には単行本が刊行されています。
このころからやっと、自分が漫画家なんだっていう実感が湧いてきたような気がします。この漫画は、ベテランの木村明広先生がネームを担当されていたので、すごく勉強になりました。自分ならしっかり描けず逃げるような箇所も、ちゃんとネームに起こされていたり、ふだん描かないような構図があったり。自衛隊やドラゴンなど、これまで描いてこなかったものにも挑戦できたので、やりがいがありました。
――ペンネームが現在の木野コトラになったのも、この作品からですね。
似たペンネームの漫画家さんがいて、よく間違えられていたんです。ずっと申し訳ないなと思っていたところに、子虎と誤植されることがあったりして、この作品を機に苗字をつけることにしました。小さいころからキノコ好きなので、キノコにかけて木野コトラです。もともと、図鑑などでモノの構造や仕組みを知るのが好きなんですが、キノコっていろんな造形や色があるじゃないですか。すごくときめきますね!
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