――「FF11」をきっかけに同人活動に復帰されたんですね!
コピー本30部くらいをコミケに持っていきました。そうしたら開始10分で完売したので、次は思いきってオフセット印刷で同人誌を作ってみよう、と。次のコミケでオフセット本を持っていったら、エンターブレインの編集さんの目に留まり、「アンソロジーコミックスが出るんですけど、描きませんか?」と声をかけていただいたんです。
――それが商業デビューのきっかけだったんですね?
そうですね。後日、メールで正式に依頼されて「ファイナルファンタジーXI アンソロジーコミック タルタル編」(エンターブレイン)で商業デビューしました。同人誌もタルタル(※)のネタで描いてたし、当時タルタルを描く作家さんが少なかったこともあって、私に声がかかったと思うんですけどね。運がよかったんだと思います。ただこの時も「より多くの人に自分の漫画が見られちゃう、どうしよう」みたいな気持ちの方が強かったです……。アンソロジーだから、別の漫画家さんが描いた作品も載っているし、「私の漫画は注目されないだろう」みたいな感じでいました(笑)
※編集部注「タルタル」:「FF11」に登場する種族の1つ。小柄な外見で、成体でも子供のような愛らしい容姿をしている。
――当時のペンネームは「小虎(ことら)」でしたが?
小虎という名前で「FF11」をプレイしていたので、ペンネームもそのままでいいかって(笑)
――その後も数年間、「FF11」のアンソロジーコミック本に参加されていますね。2009年には「FF11」のアンソロジー個人集という形で、初の単行本が刊行されています。
楽しいことでお小遣い稼ぎができて、助かりました(笑)。初単行本は、それまで描いてきたアンソロジーコミックを1冊にまとめた本なんですが、「私の個人集なんかで大丈夫なのかな」って、不安の方が大きかったです。もちろん喜びはすごくあったんですが、「なんで出るんだろう?」って首をひねりながら喜んでいた感じです。仕事だからもちろん、1つ1つ全力で描いていましたけど、そもそもこの時期は、まだ「漫画家になった!」とは思えていなかったです。
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