――インタビュー最終回は、担当編集とのフリートークです。おふたりは学生時代に知り合い、同人活動を経てデビューしましたが、その頃の思い出話をもう少し聞かせてください。
なおそうですね。同人誌作り以外にも、イゾを紹介してくれた友人を交えて、よくみんなで遊んだりしていましたね。アルバイトにも誘われて、美容院のメニュー表のデザインを作ったり、イベントの看板を作ったり……。
イゾアルバイトは、ちょいちょい招集されましたね(笑)
――そういえば以前、別件の打ち合わせ時に、アルファポリスの近くでもアルバイトをしたことがあるとうかがいましたが?
なお恵比寿にある「Rue Favart」という、カフェレストランの天井画を描きました。ふたりの共通の友人が引き受けたアルバイトで、まずは自分が誘われて、彼を手伝うことになったんです。
イゾ一週間くらいの間、夜中に描きに行ってたよね。
なお夜の閉店後から、朝の開店時間までの作業だったんですよ。お店は三階建てで、二階と三階に天井画が描かれていますが、そのうち三階の天井と壁をピンク色に塗りつつ、天井にいろいろな昆虫を描く仕事でした。実は昆虫の絵よりも、ピンクに塗る仕事のほうが大変だったんです。ペンキがなくなるたびに、赤と白のペンキを混ぜ合わせて作っていたのですが、なかなか同じテイストのピンクにならなくて……。
イゾそこで私が色作り担当として、なおさんたちに呼び出されたんです。大学でも色彩系の科目の成績は悪くなかったので、気軽に手伝い始めたのですが、それでもなかなか同じテイストにならない(笑)。乾くと違う色に変化するし大変でした。
なお苦労したけど、今から振り返るといい思い出ですね。
イゾまだ当時の絵が残っているのもうれしいです。
――アルバイト以外にも、当時の思い出はいろいろありそうですね。
イゾなおさんはバンド活動もやっていましたね。
なお地元の友人たちの間でバンドブームが起き、誘われて……。助っ人でボーカルをやったら、そのままライブをやる流れになったんです。それが漫画家としての今の糧になっているかというと……(苦笑)。まあ、個性的でおもしろい友人も増えたし、人生という意味では、ターニングポイントのひとつではあると思います。
――というと?
なお自分はもともと、人付き合いが得意なほうではなかったんです。でも、一年間もステージに立たされていれば、嫌でもしゃべりを覚えますよ。MCやらなきゃいけないし(笑)。人が苦手だった人間が、人前に立てるようになったという点では、大きな変化がありました。
イゾバンドでの経験は、編集さんたちとの打ち合わせに役に立っているのでは?
なおまぁたしかに、そうかもしれませんね(笑)
2016.01.06
結婚して今年で13年目、漫画家夫婦がたどった日々に迫る2016.01.11
藤沢真行先生&鈴木イゾ先生の仕事場&制作スケジュールとは!?2016.01.18
漫画の設計図作り・ネーム作業はファミレスで!2016.01.25
店の内装画からバンド活動まで!? 明かされる青春の一幕