――仕事はお互いに協力し合うことも多いとのことですが、具体的にどういった形で、助け合われているのですか?
イゾ私が特に助けられたのは「平兵士」の第8話に登場する、勇者のデザインですね。アタリまで描いたところで、なおさんに装備品について意見をもらいました。
なお第1話でイゾが「勇者のフルフェイス兜」だけは描いているんですよね。だから自分は、第8話に再登場する際に、兜から下を想像して、兜に似合う全身鎧のデザインについて、アイデア出しをしました。
イゾおかげさまで勇者にふさわしい装備が描けました。他にも、「もっとマントをブワーっと風に舞わせて、派手にしよう!」…なんて、演出的なアドバイスももらいましたね。
なお他にも「平兵士」では、背景の一部も手伝っていますね。インタビュー第1回でも少しお話ししましたが、自分はアシスタント時代に、瓦礫を描くことが多かったんですよ。だから、破壊された人工物なんかは得意なんです。
イゾ逆に私は自然物の背景が得意なので、「制御魔法」の森などを手伝いましたね。あとは、セラフィナちゃんのスカートを「もっと、フワフワにしようよ」なんてアドバイスもしました。
なおイゾは、自然物や柔らかいものを描くのが得意だからね。
イゾあ、「制御魔法」では、貴族の家の装飾品も部分的に描きました。昔、アシスタントで洋館の背景や内装をよく描いていたんで。
なおそうだ! エヴァンの父親の部屋の装飾品を描いてもらいました。イゾは週刊誌で現代物のアシスタントをやっていた時期があるから、日常で使うものの物体の比率も頭に叩き込まれているんですよ。コップとか窓やドアの大きさとか、食べ物類とか。もう、すごく頼もしい!
――イゾ先生は自然物や日常品など現実的なものを描くのが得意で、なお先生は非現実なもの……特撮やSF映画的なものを描くのが得意ということでしょうか?
なおまさにそう! 魔族に破壊された街の瓦礫とか、襲撃を受けた城壁とか、煙や炎とか!
イゾ得意分野が違うから、助け合えることが多いんです。あと細かいところでは「制御魔法」第2話で、エヴァンたちが狩った鹿や、収穫してきた山菜やキノコを描きましたね。
なおそうだね。単行本のオマケ漫画で第2話の後日談を描いたんですが、「エヴァンたちの収穫物からどんな料理を作ればいいか」のアイデアも出してもらいました。
イゾうん、「鹿肉とキノコの香草焼き」ね。ジビエ感が出るからってオススメしました(笑)
――そういえば、イゾ先生は料理がお得意でしたね(笑)。ではそれぞれ、今後のコミック版を描く上で楽しみにしていることはなんでしょうか?
なお「制御魔法」は、エヴァンが新たな力に目覚めて、パワーアップしていく姿を描くのが楽しみです。どんどんアクションが派手になっていくので。あとこの先の温泉回では、エヴァンとセラフィナの、きゃっきゃウフフなシーンも……。
イゾ何? その次回予告みたいな口上は……(笑)
なお乞うご期待ということで!
イゾ「平兵士」は、萌えドワーフのナコルルちゃんを描くのが楽しみでしょうがないです! 2月2日公開の第9話でさっそく登場しますよ。
――2作とも今後の連載を楽しみにしています! では今回はこの辺で。次回のインタビュー最終回も、どうぞよろしくお願いします。
ふたりよろしくお願いします。
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