――まずは「異世界を制御魔法で切り開け!」(以下、「制御魔法」)と「平兵士は過去を夢見る」(以下、「平兵士」)それぞれの作業工程をお話しいただこうと思います。
なおおおまかな工程は自分もイゾも同じですね。ネームに関しては昔ながらのアナログ作業で、ノートに描きます。以降の線画から仕上げまでは、自宅PCでのデジタル作業になります。
――では、ネーム作業から教えてください。
なおまずは、ネームの前に原作小説からの文字起しですね。これはコミカライズの際に行う作業で、原作小説の該当部分からセリフや物語の流れを抽出して1話分にまとめます。
イゾ私は文字起こしの際、専用のノートに手書きでまとめていきます。私の場合は手で書くことでストーリーの流れを覚えられるんですよ。
なお自分はパソコンで文字起こしをやってます。テキストをデータ化しておくと、後で原稿をデジタルで描いていく時にコピペでセリフが入れられるから便利なんです。
――なるほど。やり方は違えど、まず原作の流れを、漫画の1話分にまとめるんですね。
イゾそうです。文字の書き起こしが終わると、それを持ってファミレスに篭ります。ここからがネーム作業ですね。物語が頭に入っているうちに、一気にノートにコマを割っていきます。
なお自分も同じ作業をします。ただ、この最初のネームは自分のための設計図みたいなもので、キャラもアタリですし、セリフもほとんど入れてません。
イゾこの最初のネームでだいたいの枠組みを決めたら、自宅に持ち帰り、あらためてデジタルでネームを描き起こします。アタリで描いていたキャラに名前を入れたり、セリフのテキストを入れて、他の人も読めるように整えてから、編集さんにお送りするわけです。
――では、「編集確認用」のネームを拝見させてもらいます。なるほど、絵はラフですが、状況はしっかりと伝わりますね。
なおネームは主に、シーンやセリフの流れを確認してもらうものなので、絵の構図はここから変わることもありますね。
イゾセリフも担当編集さんから的確な修正が入ります。自分でも少し引っかかっていた部分を、すっと流れるような文脈に変えてもらってありがたいです。
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