――続いて、漫画の制作スケジュールについてうかがっていきます。まずは1ヶ月のお仕事の流れはどうなっていますか?
なお1話につき、ネームがだいたい3日〜4日はかかりますね。下絵は3日くらいで、ペン入れは4日。トーンや効果を入れるのが2日くらい。合計でだいたい2週間ほどになるのかな? 合間に別の仕事が入るので、実際はもう少しかかっていますが、「制御魔法」の仕事だけで日数をカウントするとそんな感じですね。ふだんは別の仕事が入ることも考えて、プラス1週間くらいの猶予を持って、スケジュールを組んでいます。
――残りの10日は何をしていますか?
なお他社の企画の打ち合わせで出かけたり、同人誌の作業をやったりでしょうか。あとイゾの手伝いをしてます。休みは……1ヶ月で5日くらいかな?
――では、イゾ先生の1ヶ月はどうですか?
イゾ作画スケジュールのペースはだいたい同じですね。私も漫画を描く作業の合間に、ゲーム原画や他社のイラストの仕事が入ってくるので、一概には言えませんが。もし「平兵士」の仕事を一気にやるとしたら、ネームは2〜3日。下絵は3〜4日くらい。ペン入れと仕上げが1週間くらいです。ペン入れと仕上げは、一緒にやることの方が多いですね。
――1ページごとに作業している感じですか?
イゾというよりも、1日何コマ分描こうみたいな感じで、目標を決めて描いています。だいたいは最初のページから描いていますが、描き込みに時間がかかるような部分は、早めのタイミングで描くようにしています。また気分が乗ったシーンから描いたりすることもありますね。あとは突発的に、今日はお父さんばかりを描く「髭祭り」に決めたりとかします!
――それは……楽しげな祭りですね(笑)。それにしても、おふたりとも2週間くらいで1話分を描き上げてしまうとは、早いですね。
なお作業スピードが早くなったのは、デジタルに移行した影響だと思います。
イゾアナログの時に比べると、より効率化が図れるようになりましたね。消しゴムをかけたり、インクが乾くのを待ったり、そういう時間のロスもないですし。
なお自分にとっては、インクが乾くのを待つ時間がなくなったのが、なによりも大きいですね。過去の原稿をみると、インク汚れを消すためのホワイト修正跡がすごいんですよ。……つい、インクが乾ききる前に、次に手をつけてしまうので。
イゾよく「待ちきれんのじゃー!」って言いながら描いていたよね。
なおイメージが脳内にあるうちに描きたいんですよ。今は、ツルツルした板タブのおかげで、ストレスなく描けています(笑)
――お休みの日はどんなことをしていますか?
なお友達と飲みに行ったり、ライブに行ったりとか。あとはまぁ、月1日くらいで、レンタルDVDを5枚くらい借りてきて、1日中観まくる日なんかもあります。それと、休みの日には意識的に、1日フルでオフにすることにしています。パソコンを立ち上げて作業を始めると、なかなか切り上げるのが大変なので。
イゾ作業を切り上げにくいのは、デジタルならではかもしれませんね。パソコンの前にいれば、漫画もイラストの仕事も、ひとつの画面でシームレスに作業が続けられますし、資料を検索することもできるので。
――では、おふたりで休みを合わせることもありますか?
イゾありますよ。うちで定期的に仲間たちの寄り合いのような飲み会を開いているんですけど、その時は休みを調整します。友達が遊びにくる時はスケジュールを空ける努力をしますね。
なおあとは、ももいろクロ―バーZ(以下、ももクロ)のライブは、なにがあろうとがんばって調整します!
イゾ私が緑推しで、なおさんが紫推しです!
※編集部注
ももクロのメンバーには、それぞれパーソナルカラーがあり、緑は有安杏果さん、紫は高城れにさんを指す。
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