――漫画家インタビュー第5弾は、コミック「異世界を制御魔法で切り開け!」(以下、「制御魔法」)を手がける藤沢真行(なおゆき)先生(以下、なお先生)と、コミック「平兵士は過去を夢見る」(以下、「平兵士」)を手がける鈴木イゾ先生(以下、イゾ先生)に登場していただきました。実はおふたりはご夫婦なんですよね。なお先生がご主人で、イゾ先生が奥様です。
なおはい、夫婦です。
イゾ大学生の頃、共通の友人を通じて知り合いました。私の大学の友達が、なおさんの友達だったんです。それで一緒に遊んだり、同人誌を作るようになって。
なおそれぞれ別々に漫画家として仕事をしていた2004年に結婚しました。
――そうだったんですか(笑)。お仕事場には、玄関を上がったところに立派なロードバイクが2台置いてあって驚きました。おふたりとも自転車が好きなのですか?
なおそうですね。気分が乗った時に走りに行くんです。
イゾ一緒に走りに行く時もあれば、勝手にひとりで行く時もあります。
なおおもに自分が勝手に走りに行っていますが、昨年は雨に降られることが多かったんです。装備もしっかり整えて出かけたのに、ひと駅分走って調子が出てきたら、雨に降られて撤収したりとか。今年はもっと走りたいですね。
――アクティブな趣味の話題からお話が始まりましたが、改めまして、おふたりの幼少時代からの経緯をおうかがいします。子供の頃、どのような漫画に触れられてきましたか?
なお子供の頃は「週刊少年ジャンプ」(集英社)全盛期でしたね。「キン肉マン」(ゆでたまご/集英社)、「北斗の拳」(原作:武論尊/作画:原哲夫/集英社)、「聖闘士星矢」(車田正美/集英社)のあたりは、漫画もアニメも好きでした。中高生の頃には「コミックGENKi」(角川書店)や「ファイブスター物語」(永野護/角川書店)を読むようになり、劇場版「ファイブスター物語」をきっかけに海洋堂の存在を知ってからは、プラモデルなどの造形物にもハマっていき……。完成したガレージキットを眺めるために、ホビーショップのB-CLUBショップに入り浸るようになりました。
イゾ私は小さい頃は絵本が大好きで、小学校に入ったら児童文学や小説を読むようになり、日々図書館に通っていました。ファンタジー小説が好きで、「宇宙皇子」(著:藤川桂介/角川書店)が印象に残っていますね。いのまたむつみさんが描いた小説の表紙イラストを見た瞬間に「わ、ステキ!」と思って衝動買いしたんです。
――いつごろから漫画やアニメに触れるようになったのでしょう?
イゾ本格的には中学生の頃からですね。当時は厨二病を発症していて「みんなと違うものが好きな自分が好き」という時期でしたし(笑)、“オタクの師匠”みたいな友達ができたんです。劇場版「ファイブスター物語」は、「宇宙皇子」と同時上映だったので私も観ています。友達のオタク英才教育の影響で、作画監督やキャラクターデザインの話で盛り上がりました(笑)
――いっぽう、なお先生は昔から特撮がお好きだということですが、どういうきっかけで好きになったのでしょうか?
なおもともと小さい頃から興味はありましたが、厳密にいうと仮想現実を実写映像化する、VFXが好きなんです。だからヒーローものなど、日本の特撮はもちろん、ホラー映画やSF映画も大好きです。特撮映画監督のレイ・ハリーハウゼンの作品や、「エイリアン」シリーズ(20世紀フォックス)は、自分の漫画作りにも大きな影響を受けたと思っています。
――特撮やVFXが好きだから、アクションを描くのが得意なのでしょうか?
なおアクションが得意と思っていただいているなら、他にもいろんな要素が混ざり合っていると思います。アクション映画や格闘ゲームブームの洗礼も受けていますから。中高生の頃は「ストリートファイターⅡ」(カプコン)はもちろん、3D格闘ゲームの「鉄拳」(バンダイナムコエンターテイメント)もやり込みました。そう考えると、アクションを立体的に描けるようになったのは、3Dゲームの発達があったともいえるかもしれないですね。
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