月夜に語る、物語、物語、物語。

深月の祖父の書斎へ繋がる扉は、似て非なる書斎へと繋がる扉でもある。
そこにいるのは、人ならざるモノ。人の物語を喰らう存在。
ここにある本は全て、彼が喰らった物語。
「教えて。君の恋物語を」
ああ。残酷なヒト。彼が物語を喰らえば深月の恋は色あせる。
泣きたいような気分で、深月は語る。
深月の物語を。青年への恋物語を。
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