消えるあなた

泡坂妻夫という小説家をご存じだろうか。
すべての作品を読んだわけではないが、遊び心があり、好きな作家の一人である。
気づかなければ「まあ、よくあるストーリーだな」などと切り捨ててしまいそうだが、
気づくと感心させられる単純だが難しい仕掛けが面白い。
マジシャンでもある彼が特に力を入れて作ったのが「生者と死者」と思われる。
本が袋とじになっていて、そのまま読んだ時と、袋とじを開いた時で、ストーリーも人物も何もかもが変わってしまう。
聞いただけでもワクワクしないだろうか。

違う。そうじゃない。賞賛したくて彼を持ち出したのではない!
悔しかったのだ!
私は小学生のとき、漫画のページをまったく変えずに、後で数ページを差し込むだけで
ストーリーを変えられたら面白いと思い、将来、日本で初めてこれをやってやると思っていた。
しかし、小説とはいえ、先にやってしまった人がいたから唇を噛んだ。

でも、こちらは漫画。
こちらの分野では(たぶん)日本最初だと言い訳をしつつ、公開させていただければと思います。

ー注意ーーーーーーーーーーー
必ず「(暗)」の方からお読みください。
次に「(明)」をお読みください。
「(暗)」のページとページの間に数ページずつ挿入して、まったく別のお話にしています。
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もし、楽しんでいただければなお幸甚です。
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