257 / 307
17巻
17-1
しおりを挟む1 色々と指導
避難船の救助と創世の女神ノルン様の神託から始まった、離島の住民救済と、島の支配者層である族長勢力の襲撃。そしてその撃退と族長一族の逃亡。
なかなか濃い経験を経て、とりあえず離島問題の収束は見えてきた。
島から逃げ出した族長一族は苦労はするだろうけど、また違う島にたどり着きそうだと大精霊のシルフやウィンディーネが言っていたので、僕――タクミも精神的に少し楽ではある。
とはいえ、襲ってきた者達が全員無事だったわけじゃない。
こちらの聖域騎士団は五倍の人数を相手にしていたため、あまり手加減できず、相手の死傷者をゼロにはできなかった。
それに、こっちを殺しに来ている相手に対して、自分達の身を危険にさらすほど手加減して気遣う意味はないしね。
だから重傷者の中には亡くなった人もそれなりにいるんだ。
話し合いじゃなく、初手から殺して奪いに来るなんてと思うけど、この島じゃそれが当たり前だったんだろうな。
襲撃者が約千五百人だった事を考えれば、重傷者は少数と言えるだろうけど、それも僕とアカネが回復して回ったから、その人数で収まった。
襲撃者の中で、もうどうしようもなく罪を重ねた奴らは、シルフやウィンディーネの協力のもと、選別して輸送用の大型飛空艇ガルーダで運んだ。
僕もボルトンに転移し、商会主のパペックさんと奴隷商会の主ムーランさんに話を通しておいた。
その時のムーランさんの喜びようはなかったね。
僕達と関係が深いバーキラ王国、ロマリア王国、ユグル王国の同盟三ヶ国は好景気なので、犯罪奴隷のような重労働を担う者はいくらいてもいいらしい。旧シドニア神皇国の復興もあるからね。
あと犯罪奴隷にするほどの罪ではないけれど、族長に召集されて襲撃に加わった人は、しばらく島内で労働刑になった。
面倒だけど、一人一人シルフとウィンディーネの立ち会いのもと、罰にも軽重をつけている。じゃないと不公平だからだ。
族長勢力という重石がなくなったこの島の秩序を保つには、それなりの仕組みが必要になる。
しばらくの間は、教会の神官さん達に島の纏め役をお願いするけれど、宗教と政治は分けないと、きっと後々ろくな事にならないから。
で、それからは聖域騎士団と手分けして鉱毒に侵された島中の浄化を行ったんだ。僕とアカネは浄化の魔法で、騎士団は事前に作っておいた持ち運びできる浄化の魔導具を使ってね。
そのついでに鉱毒を好む虫系の魔物の駆除も行って、また水脈が汚染される事がないよう対処した。
農地の土も念のため浄化しながら、新規の開墾を土属性魔法で一気に進める。土精騎士団のドワーフ達がいるお陰で、水路を含む四つの集落の農地は、元の倍以上に拡がった。
人力で開墾するのは難しい土地は手付かずだったからね。このくらい農地を拡げて、なおかつ土の調整もしてあるから、食料問題は解決に向かうんじゃないかな。
そして本日、島にはソフィア達が来ていた。
「タクミ様。私は虫どもの駆除に行ってきます」
「ああ、うん。ほどほどにね」
ソフィアはフル装備で魔物駆除に行くみたいだ。
一応、やりすぎないように言っておく。
産休明けというわけじゃないけれど、今回の島騒動の時は留守番だったから元気が余っているのかな。
「大丈夫よ。私達が手綱を握って止めるから」
「フラン先輩、偉そうですよ。ソフィア様の方が強いじゃないですか」
「うるさい! 何度も言っているだろう! 呼び方に差をつけるな! 私とソフィアは同期だ!」
「まあまあ、お二人とも落ち着いてください。ほら、行きますよ!」
「ハ、ハハッ、ソフィアをお願いします。フランさん、アネモネさん、リリィさん」
僕達の実力なら危険な島ではないけれど、それでもソフィア一人を行かせるのは色々な意味で心配なので、三人に同行をお願いした。
いつものフランさん達のコントが始まったが、ソフィアがスルーして歩き出したので、リリィさんがフランさんとアネモネさんを引っ張り追いかけていく。
そしてもう一人。
「タクミ様、私は土精騎士団と各集落の住居を補修してきますね」
「ああ、頼むよマリア。騎士団の人達によろしくね」
「はい。行ってきます!」
マリアは、土属性魔法が使えるので、土精騎士団のドワーフ達と、東西南北の集落で住居の補修や外壁の構築を行う。
僕が地形を大規模にいじって農地を造ったから、新しい防壁を造らないといけないんだよね。
僕は魔法による開墾と水路整備、そして各集落を結ぶ道の整備だ。
「では、私も各集落を回って指導してきます」
「うん。お願いマーニ」
そしてマーニは護衛の騎士と創世教の神官と共に、各集落で農業指導だ。
この島の人達は、農業方面ではかなり原始的に思えた。
漁業方面、特に木造船のできなんかは、かなり優れている印象だけど、もともと海の民だったのかな?
それなら大陸の戦乱から逃れて、海へと漕ぎ出してここにたどり着いたという話も多少は理解できる。
まあ、僕ならやらないけどね。
だって、海の大型魔物に遭遇しなかったのは、完全にラッキーだっただけだろう。よくこの島までたどり着いたよ。
さて、僕は僕の仕事を早く終わらせて、地下水脈の浄化に取りかからないとな。
2 今度は土の中
離島の開発を最低限済ませ、あとはソフィア達と聖域騎士団、創世教の神官に任せて、僕は聖域にある工房へと戻っていた。
勿論、妻達は毎日、聖域騎士団のメンバーと神官さん達も交代で聖域には戻している。
で、僕はというと、工房でカリカリとスケッチを何枚も描いては考え、描いては考えを繰り返していた。
レーヴァが近くに寄って尋ねてくる。
「タクミ様、やっぱり土の中は難しいでありますか?」
「うーん。普通は行かない場所だからね」
そう。離島の地下水脈の浄化のための準備だ。
ウィンディーネとノームが、汚染された水が他に漏れ出さないよう結界で覆ってくれているので後回しにしていたけれど、そろそろ本気で考えなきゃね。
「結局、あの島は転移ゲートで結ぶのでありますか?」
「いや、それはやめておこうかと思ってる」
「そうでありますな。このままだと、タクミ様に依存しちゃいそうであります」
「だよね。ある程度自立できるよう整えてあげたら、ほんとたまに確認するくらいでいいかと思ってる」
レーヴァも言うように、何もかも与えられるのが当たり前になると、自立心が損なわれるだろうし、聖域に依存されるのも違う。
創世教の神官からは、ガルーダでの輸送を頼まれているので、たまの行き来は続けるだろう。
創世教の神官さん達は、離島の住民で光属性に適性のある人を指導するみたい。
実際、先祖代々神官という血筋の中に、少数だけど光属性に適性がある人がいたみたいで、魔法の訓練が始まっている。
それに加えて、現地の薬草を使った薬類の作り方なんかも指導していくそうだ。
まあ、今は浄化の方法だ。
「魔導具で地下水脈を浄化するでありますか?」
「いや、地面に魔導具を打ち込んで浄化するって方法も考えてみたんだけど、難しそうなんだよね」
「確かに、打ち込む方法はともかく、当てずっぽうになりそうでありますな」
レーヴァが興味津々で聞いてきたのは、地下水脈の浄化の方法。
魔導具を地中に打ち込んで浄化するって方法もあるとは思うけど、地下水脈の場所を正確に特定しないといけないので難しそうだ。
「だから今度も乗り物だよ。まあ、こっちの方が楽しそうだからっていうのが大きいけどね」
「それは仕方ないでありますよ。レーヴァもそっちの方が好みでありますから」
「だよね」
そうなんだよね。新しい乗り物を考える方が楽しいってのが強い。
離島の水問題に関しては、当面湧水の魔導具を複数用意して対処するので、僕はじっくりと趣味に走れるってわけだ。
「そうなると、僕達なら土の中を行く乗り物一択だね」
「そうでありますな。土の中、楽しみであります」
「まあ、土の中だから景色も何もないけどね」
「そういえばそうでありますな」
陸や空、水中なら外の景色を見る事も楽しみの一つだけど、今回は土の中。地層の違いを見ても楽しくないだろう。
「とりあえず、色々とスケッチかな」
「そうでありますな。レーヴァも協力するでありますよ」
「うん、お願い。アイデアはたくさん欲しいからね」
まずは、実現可能か不可能かは別にして、レーヴァと二人、色々とアイデアをスケッチしまくる事にした。
飛空艇のウラノスやガルーダはそれほど生物っぽい感じに見えないけど、レーヴァ専用機のドラゴンフライはもろトンボがモチーフだ。
潜水艇トリトンはタガメだし、今度も虫でいこうかな。
「う~ん。土の中っていうとアイアンモールを思い出すんだよなぁ」
「モグラの魔物でありますか?」
「うん。まだソフィアやマリアと出会って間もない時に、ドガンボさんと鉱山へ採掘に行ったんだよ。まあ、僕達は冒険者だから採掘よりもアイアンモールの討伐の方がメインの仕事だったんだけどね」
土の中に穴を掘る生き物を思い浮かべると、最初に出てきたのは虫じゃなくてアイアンモールだった。
僕がこの世界に降り立って一年も経ってなかった頃の話。そんなに昔の話じゃないけれど、随分と懐かしく感じる。
まだ僕とソフィア、マリアの三人だった頃に、ドガンボさんの護衛という名目で鉱山に行った時に出てきたんだよな。
あの時、初めてミスリルやアダマンタイトを採掘したんだった。まあ、その後の精錬の方が大変だったけどね。
とりあえずモグラは候補に入れておくか。
次に地面に穴を掘ると考えるとアリやオケラ、ミミズか。……ミミズはないな。でもレーヴァはスケッチくらいしてそう。
そうそう、クモも土の中に巣を作ってたな。子供の頃、細長い袋状の巣を地面から引っ張り出した記憶がある。
クモがモチーフだとカエデが喜びそうだ。とはいえ、純粋に土の中を進む乗り物となると、オケラが一番しっくりくるか。
サラサラと何枚もスケッチしていく。
うん、やっぱりミミズはなしだな。気持ち悪い。
この世界にもミミズはいるし、もっと気持ち悪いワーム系の魔物もいる。僕はまだ見た事がないけど、もの凄く巨大なワームもいるらしい。
いっそ生物に寄せるのをやめて、有名な人形劇、◯ンダーバードに出てくるような、ドリルの付いた円筒形のマシーンにするっていうのもありか。いや、それは面白くないか。
でも、オケアノスは昭和の特撮とか宇宙海賊アニメをパクッ……イメージしてデザインしたから、地中用の乗り物も、その線でいくのはおかしくはないか。悩むところだな。
それこそ穴を掘るって一点だけを考えれば、前世のトンネル工事に使われていたシールド工法のシールドマシンみたいなのがいいかとも考えた。
けど、シールド工法も欠点がないわけじゃないんだよね。
掘削した泥や水を分離し処理するのにコストが掛かるって聞いた事がある。
とはいえ、どんな乗り物にしたとしても、その辺は魔法で処理する予定なので、結局形は何でもありって事になっちゃうんだよな。
「穴を埋めるかどうかも決めないとね」
「それもあるでありますな。まあ、安全を考えれば、穴はその都度埋めて固める方がよさそうであります」
「そうだよね。となると土属性魔法と時空間属性魔法は必須だな」
「で、ありますな」
「これはなかなか難しいね」
「そうでありますな」
海や空と比べても、土の中っていうのは、なかなかに難しいと、悩む僕とレーヴァだった。
3 物作りに集中できない
僕とレーヴァは、地下水脈の浄化に使う移動手段をどうしようかと、ああでもないこうでもないと頭を捻っていたんだけど……そこに、トラブルのもとってわけじゃないけれど、突然風の大精霊シルフが現れた。
シルフは自由なので、神出鬼没なのはいつもの事だけど、何故か嫌な予感がする。
僕に限って言えば、こんな時の嫌な予感はほぼ当たる。
直感スキルが良い仕事をしすぎる。
「タクミ。ノルン様が、教会に来てほしいんだって。話したい事があるみたいよ」
「えっ、まだ浄化の方法を考えているところなんだけど……」
嫌な予感がするだけに、無駄だと思いながらも、少しだけ抵抗してみる。
「地下の水脈は、私達の結界があるんだから急がないわよ。十年やそこらは平気だもの。普段使う水も、タクミが持ち込んだ魔導具でどうにかなるでしょう? だから、タクミは早く教会に行けばいいの」
「……はぁ、分かったよ」
「タクミ様、ノルン様が優先でありますよ」
嫌な予感は確信に変わった。
本当は行きたくはないんだけど、ノルン様からの呼び出しとくれば、僕に行かないという選択肢はないのは事実。レーヴァからも直ぐにでも教会に行くべきだと言われてしまった。
この世界、神様や精霊が身近だからか、信仰心が厚いんだよね。
まあ、ノルン様にはこの世界での身体を用意して転移させてもらったので「NO」という返事はないんだけどね。
離島に派遣している聖域騎士団の規模も徐々に縮小し、現状島は落ち着いている。
水の問題も、しばらくの間は魔導具で対応可能だし、食料は聖域からだけじゃなく創世教からも寄付があるので、量には余裕がある。
僕達や騎士団がダンジョンでの訓練で得た魔物肉が、洒落にならないくらいの量あるからね。
シルフの言うように、急ぎの仕事じゃないんだ。
仕方なく手を止め、工房をあとにした。
教会までは転移じゃなく歩く。
まあ、気分の問題だ。聖域の美しい自然の中を歩くのは気分転換になる。
「おや、イルマ様。お祈りですか?」
「あ、はい。まあ、そんなところです」
「流石はノルン様の使徒様ですな」
「は、ははっ……」
教会に着くとシスターに声をかけられたけれど、適当に頷いておく。ノルン様からの呼び出しなんて言ったら、大騒ぎ間違いなしだからね。
ノルン様の女神像の前で跪き祈ると、直ぐにいつもの空間に連れていかれた。まぁ、僕の本当の体はそのまま教会にあるんだろうけど。
「タクミ君、急に呼んで、ごめんねぇ」
急に目の前に現れた……いや、僕がノルン様の前に現れたのか。まあ、どっちでもいいか。そのノルン様が、申し訳なさそうに手を合わせて謝ってきた。
「いえ、いいんですけど、まだノルン様から頼まれた離島の問題が途中なんですが」
「ああ、地下水脈の浄化がまだなのよね。あれは、大精霊達が結界を張ってくれているから、五年や十年は余裕で大丈夫だから」
「いえ、結界は大丈夫かもしれませんが、農作業をするのに安全な水源は必要かと」
汚染された地下水脈が結界で漏れ出さないのはいいんだ。問題は、農作業に使う水源が少なくなっている事なんだ。
「大丈夫、大丈夫。人数も随分と少なくなったし、あのくらいならしばらくはタクミ君が設置した魔導具で十分よ」
「ま、まぁ、そうかもしれませんが……」
僕の指摘を軽ーい感じで流すノルン様。
確かに、逃げた族長一族と島に残しておけない襲撃側の者達を除くと、だいぶ人が少なくなったのは確かだ。あの人数なら、僕が持っていった湧水の魔導具があれば、生活用に加えて農業に使ったとしても十分だ。
「それでね、またタクミ君にお願いしないと、大変な事になりそうなの」
「えっと、大変な事ですか?」
「そう」
ノルン様が唐突に話し出したのはいいけれど、また大変な事って……嫌な予感しかしない。
「実は、半年後くらいに、大陸の南側――人間達が、サマンドール王国って呼んでいる辺りで疫病が流行りそうなのよね」
「サマンドール王国で疫病ですか?」
「そうなの」
ノルン様からの話は、僕が思っていた以上に本当に大変な事だった。
この世界では怪我や病気も魔法やポーションで治す。しかし、疫病が大流行すると、きっと治療なんて追いつかない。
創世教の教会でも病人の治療はしているけれど、そもそも光属性の魔法を使える人が少ないので、大量に罹患者が出た場合、とてもじゃないけれど魔法だけじゃ対応できない。
薬師や錬金術を使う錬金薬師も、疫病が大流行したら、それに対応するポーションを即座に用意するなんて無理だ。
「それって、やばいんじゃないですか?」
「ええ、やばいわね」
この世界にはまだ伝染病に関する知識なんてない。
普段から、病人と接している教会関係者や薬師なんかは、人から人へとうつる病気があると知っているけれど、一般の人達はそうじゃない。
そうなると、疫病の拡がるスピードは速く、封じ込めるのは難しいだろう。
特に、サマンドール王国は貿易で成り立つ国だ。人の出入りは激しいし、その流れを止める事はしないだろう。
「トリアリア王国でも流行るだろうな。でも創世教はあの国に神官の派遣なんてしないだろう。神光教の治癒は値段が高いからなぁ。となるとポーション一択か」
僕が呟いていると、ノルン様は頷く。
「そうなるわね。できるだけ大量のポーションを市場に流して対応するしかないと思うわ。経済的に、ポーションが買えない人達には、教会から無償で配るしかないわね」
疫病に効くキュアイルネスポーションは高価なものだ。
僕達は自分で作るので忘れがちだけど、初級のヒールポーションでも駆け出しの冒険者には痛い出費だ。それが病気を治すキュアイルネスポーションとなると、さらにその値段は高くなる。
そもそもキュアイルネスポーションが必要とは言っても、素材の都合があるので、急にそんな大量に作れるものじゃない。
12
お気に入りに追加
35,592
あなたにおすすめの小説
不死王はスローライフを希望します
小狐丸
ファンタジー
気がついたら、暗い森の中に居た男。
深夜会社から家に帰ったところまでは覚えているが、何故か自分の名前などのパーソナルな部分を覚えていない。
そこで俺は気がつく。
「俺って透けてないか?」
そう、男はゴーストになっていた。
最底辺のゴーストから成り上がる男の物語。
その最終目標は、世界征服でも英雄でもなく、ノンビリと畑を耕し自給自足するスローライフだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
暇になったので、駄文ですが勢いで書いてしまいました。
設定等ユルユルでガバガバですが、暇つぶしと割り切って読んで頂ければと思います。
異世界立志伝
小狐丸
ファンタジー
ごく普通の独身アラフォーサラリーマンが、目覚めると知らない場所へ来ていた。しかも身体が縮んで子供に戻っている。
さらにその場は、陸の孤島。そこで出逢った親切なアンデッドに鍛えられ、人の居る場所への脱出を目指す。
男装の皇族姫
shishamo346
ファンタジー
辺境の食糧庫と呼ばれる領地の領主の息子として誕生したアーサーは、実の父、平民の義母、腹違いの義兄と義妹に嫌われていた。
領地では、妖精憑きを嫌う文化があるため、妖精憑きに愛されるアーサーは、領地民からも嫌われていた。
しかし、領地の借金返済のために、アーサーの母は持参金をもって嫁ぎ、アーサーを次期領主とすることを母の生家である男爵家と契約で約束させられていた。
だが、誕生したアーサーは女の子であった。帝国では、跡継ぎは男のみ。そのため、アーサーは男として育てられた。
そして、十年に一度、王都で行われる舞踏会で、アーサーの復讐劇が始まることとなる。
なろうで妖精憑きシリーズの一つとして書いていたものをこちらで投稿しました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
仰っている意味が分かりません
水姫
ファンタジー
お兄様が何故か王位を継ぐ気満々なのですけれど、何を仰っているのでしょうか?
常識知らずの迷惑な兄と次代の王のやり取りです。
※過去に投稿したものを手直し後再度投稿しています。
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)
いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。
全く親父の奴!勝手に消えやがって!
親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。
俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。
母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。
なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな?
なら、出ていくよ!
俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ!
これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。
カクヨム様にて先行掲載中です。
不定期更新です。
卒業パーティーで魅了されている連中がいたから、助けてやった。えっ、どうやって?帝国真拳奥義を使ってな
しげむろ ゆうき
恋愛
卒業パーティーに呼ばれた俺はピンク頭に魅了された連中に気づく
しかも、魅了された連中は令嬢に向かって婚約破棄をするだの色々と暴言を吐いたのだ
おそらく本意ではないのだろうと思った俺はそいつらを助けることにしたのだ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。