1 / 111
1巻
1-1
しおりを挟む第1話
「ん……ここは……」
わたし――元町咲夜が目を覚まし、起き上がるとそこは森だった。
周囲には木木木木木木木木木。いたる所に木々が立ち並び、空からは優しい光が降り注いでいる。春の陽気といった感じだ。
「どこ……?」
何が起きたのか理解できなかった。わたしは人から頼まれた仕事をこなして、それで……。
頭がぼんやりとしていて、昨日の記憶が出てこない。
ダメだ。真剣に思い出そう。
わたしは目を閉じて、集中する。
昨日は仕事をしていて、定時で帰ろうとしていた時に頼みごとをされたんだった。
『あたし用事があって帰るから、これお願い』
『……分かりました』
それをなんとか終電間際に終わらせて、家に帰って……それで……。
「あれ……わたし……どうしゅたんだっけ……ん?」
なんか今口が回らなかったような……。
「わたしのからだはどうなって……え……」
わたしは自分の手を見て、幼子のように小さくかわいらしくなっていることに驚く。
それから顔や体に手を当てると、自分の体ではないような感覚だった。手に対して頭は大きいし、あんまりなかった胸も平らになっている。でもその代わりに、素肌はぷにぷにしていてとても気持ちいい。
視線を下ろすと、服は黄色いワンピースに、茶色いローブのようなものを羽織っていた。おまけにちょっと無骨なポーチまで肩からさげられている。
ワンピースは子供が着るようなかわいらしい形だし、流石にこの年になって着るのは無理があるんじゃ……。
「じゃない! っていうかこの状況は……」
とりあえず立ち上がろうと横に手を置くと、何かモフモフした物に手が当たった。
「ん?」
そちらの方を見ると、白と黒の何か……小さな動物? が丸くなっているようだった。この小ささは、赤ちゃんかな?
もしかして、この状況のヒントになったりするのだろうか?
「なんだろう……でも触って大丈夫かな」
動物の赤ちゃんを触ってしまって大丈夫だろうか。この子に触っているのを、親に見つかってしまったりはしないだろうか。
そんな不安を覚え、周囲を見回して少し迷う。
しかし周囲には木しかなく、生き物がいるようには見えない。
「……えい」
わたしは好奇心に勝てずに、その赤ちゃんに触ってしまった。今のこの状況から目を逸らしたかった訳では決してない。
「わ……さらさらで……モフモフで……気持ちいい……」
白い動物――多分ネコ科――に触ると、羽毛のように軽く指が沈み込んでいく。柔らかいけれど、それは毛だけでなく、その下の体がしなやかなことも合わさっているからだろう。昔猫カフェに行ったことがあるが、その時触った猫をもっと上品にしたような感じだ。
「あ……これずっと触っていたい……」
わたしは目の前の白い動物をゆっくりと優しく撫でる。
「………………この子、起きないのかな」
わたしの手の中で白い動物はじっとうずくまったままだ。とても温かいので生きてはいると思う。
「って、違う! 現実逃避してる場合じゃない。この状況をなんとかしないと!」
「ウギャァ!」
「え?」
何の声……? なんだか今だみ声が聞こえた気が……それも目の前の白い動物から。
「もしかして……猫じゃない?」
わたしの知っている猫はニャーニャーとかわいらしく鳴くイメージしかない。それがこんなだみ声なんて……。
そんな風にショックを受けていると、その白い動物はもぞもぞしたかと思うと動き出した。
モフモフは全身を震わせて四つ足で立ち、わたしの方を向く。
全身真っ白で、背中には一本の黒線が走り、そこから枝分かれするように細い黒線が横に伸びていた。体中にほっそりした黒い筋が模様を描いているが、多すぎず少なすぎず、とてもきれいな割合だ。
「この子は……」
「ウギャァ」
その姿は体長二十センチメートルほどの、真っ白い虎の赤ちゃんだった。
「虎……?」
わたしはつぶらな瞳でじっと見つめてくる虎を見つめ返す。
小首を傾げていて、とても敵意があるようには見えない。
じっと見つめながらなんだろうと考えていると、わたしとこの子の間に半透明の板が浮かび上がった。
《名前》 未設定
《種族》 白虎(幼体) ???
《年齢》 0
《レベル》 1
《状態》 健康
《体力》 200 《魔力》 200
《力》 200 《器用さ》 50 《素早さ》 300
《スキル》 金魔法 金運アップ
《称号》 ???
「何これ!?」
ゲームなどで見たことがあるようなステータスが表示された。
種族が白虎……ってやっぱり虎なんだ。
白虎といえば、四神とかにいたっけ。普通の虎ならホワイトタイガーってなるだろうから、やっぱり普通ではないんだろうけど……。
でもでも、四神の白虎になるには、五百年も生きないといけないみたいな設定があったはずだから流石に違うのかな。
生前? 小説やらアニメやらマンガが好きで、よくたしなんでいたから、その時の知識が正しければだけど……。
「ウギャァ?」
白虎が不思議そうな目でわたしを見つめ、何を思ったのかわたしの手を優しく舐めてくれる。心配してくれているのは伝わってくるけれど、意外と舌がざらざらしていた。
「ありがとう。君の名前は?」
「ウギャァ?」
ないよ? とでも言いたげな返事をして、なんなら名前をつけてくれてもいいんだよ? むしろつけて? と言っているような目で見上げてくる。
「わたしが名前をつけてもいいの?」
「ウギャァ」
白虎は頷くと、両足を揃えるように座りわたしをじっと見る。本当に名前をつけてほしいようだった。
「うーん、虎ってどんなのがいいんだろう……。ネコ科だからタマ……はダメっぽい」
タマという名を出した瞬間、白虎の表情が絶望したようになった。やめておこう。
でも、その前に確認することがある。
「君は雄?」
「ウギャァ」
「雄か……なら……」
なんかかっこいい名前にしてあげたい。
虎は英語でタイガー? タイ、タイは……魚。イガ、イガ……忍者。
「英語だからってかっこいい訳じゃないか。なら他の言語……」
ドイツ語とか……だと……ティーガー? かっこいいな。これにするかな? ……ただ、ティーガーという戦車があったはず。別に特別な思いがある訳ではないけれど、戦車の名前をつけるのは違う気がした。じゃあティガー……これもよくある名前かもしれないけど、あまりしっくりこない。
ならどうしようかな……。
わたしは悩んで虎の体を見る。
真っ白な体……英語だとホワイトだけど、ドイツ語だと……ヴァイス! これかっこよくない?
「ねぇ、ヴァイスって名前はどう?」
「ウギャァ!」
虎はかわいい顔で頷いてくれている。よし、これでいいかな。
「じゃあ君は今日からヴァイスだ!」
「ウギャゥ!」
わたしがそう宣言をして、虎……ヴァイスが頷くと、わたしとヴァイスの両方を白い光が包み込んだ。
「な、何これ?」
わたしは驚いて周囲を見回すけれど、光った以外異常が起こっている様子はない。
「なんだったんだろう……まぁ、いいか。とりあえず名前がちゃんとついたか確認しておこう」
わたしがヴァイスをじっと見つめると、先ほどと同じようにステータスが表示されたので見てみる。
《名前》 ヴァイス
《種族》 白虎(幼体) ???
《年齢》 0
《レベル》 1
《状態》 健康 従魔(主:サクヤ)
《体力》 200 《魔力》 210
《力》 200 《器用さ》 50 《素早さ》 300
《スキル》 金魔法 金運アップ
《称号》 ???
「ん?」
ステータスは先ほどと三つほど違っている部分があった。
一つは名前、これはいい。わたしが名前をつけてあげたのだから。
次に、魔力が上がっているのは……名前をつけたことで成長したから? 早すぎる気がしないでもない。
でも、大事なのは最後の一つの、状態欄の従魔。これ……わたしの従魔になっているんだけど……。
「従魔って何?」
よく分からない。
相手に名前をつけたら知らない契約書にでもサインをさせられた……みたいな気持ちになってしまった。
わたしが不安な気持ちになっていると、ヴァイスが思い切り飛びかかってくる。
「ウギャゥ!」
「きゃ! ちょ、ちょっと?」
ヴァイスはわたしに飛びかかり、とても嬉しそうに、顔を余すところなく舐めてくる。
最初はざらざらしていてちょっと……と思っていたけれど、これはこれでなんだか嬉しい。とても好かれているという感情が伝わってきて、もっとやってもいいよ? と思ってしまう。
わたしはなすがままにされながら、これからのことを考えることにした。
さっきのステータスって、わたしのも見られたりするのだろうか?
わたしは自分の手をヴァイスに当たらないようにゆっくりと持ち上げて、じっと見つめる。
すると、今度はわたしのステータスが見えた。
《名前》 サクヤ
《種族》 人間
《年齢》 5
《レベル》 1
《状態》 健康
《体力》 20 《魔力》 ????????????????
《力》 5 《器用さ》 15 《素早さ》 10
《スキル》 創造魔法 神聖魔法 鑑定 隠蔽 言語理解 アイテムボックス ???? ???
《称号》 神の愛し子 ?????
「魔力を『?』にする意味ある!?」
わたしは今までで一番大きな声を出してしまった。
それほどまでに、目に映った表示がおかしかったのだ。
きっとステータスを見られているのは、鑑定というスキルのお陰なんだろう。小説には詳しいからわたしには分かるんだ。
でも、この魔力量はなんだろう? この桁数って、一十百千万……兆とかいってない? 他のステータスは一桁とか二桁なのにバグってるでしょ。
「てか五歳? なんで!?」
どうしてこうなった……と思いながら見ていると、突如としてヴァイスがわたしの上から飛び降り、右の方を向いて唸り声をあげた。
「グルルルルルル」
「あ、そういう時は普通の虎っぽい鳴き声なんだ」
一人のんきにそんなことを呟いていると、ヴァイスが唸っている方角の茂みから、何かが飛び出してきた。
「あれは!?」
茂みから飛び出してきたのは、ゲームで何度も見たことのあるスライムだった。
水色の半透明の液状の体を持ち、その液体の中には真っ赤な核みたいな物が浮かんでいる。
「モンスター……戦わないと!」
でもどうやって? 魔力はあるけれど、わたしは魔力の使い方なんて知らない。
どうしようかとキョロキョロしていると、ヴァイスが勢いよくスライムに飛びかかった。
「ガルルルル!!!」
シュパ!
ヴァイスの爪が閃くと、スライムの核は一瞬のうちに真っ二つに割れて地面に転がった。
液体の体は地面に吸い込まれていき、薄い皮と核だけが残る。
「すごい……わたし何もしてないや」
ヴァイスがその真っ赤な核を咥える。そしてわたしの方に走ってきた。
「ウギャァ!」
「え? わっ!」
速いなーとぼんやりと見ていたわたしに、ヴァイスが飛びかかってくる。
わたしを押し倒し、先ほどよりも嬉しそうに目を輝かせて、スライムの核をわたしに見せつけてきた。まるで褒めてと言わんばかりである。
「ふふ、ありがとう。ヴァイス」
わたしはヴァイスから受け取った核を適当にポーチに入れる。
ヴァイスへのお礼の意味半分、モフモフしたい気持ち半分で思いきり撫でまわす。
ああ……この触り心地最高。一生触っていてもいいかもしれない。
「ウギャゥゥゥ……」
ヴァイスもわたしが撫でると、とても気持ちよさそうに目を細めている。
ずっとこんな時間が続けばいいのに、そう思って撫でていたけれど、わたしはふと我に返る。
少し日が低くなっていたのに気付いたからだ。
このままだと夜になってしまう。
「こんなことしてる場合じゃないよ! 急いでここから動かないと!」
「ウギャ?」
「なんで? って顔しないで。って、もしかしてここがどこか分かるの?」
「ウギャ」
ヴァイスは知らないとでも言うように首を横に振った。
なら、わたしはこれからやるべきことを考えないと。
「まず……ここはどこ。っていうことは置いておく。考えても答えは出てきそうにないし……第一、わたしが五歳になっている理由も分からないし、そもそも日本にスライムとかいないし……」
「ウギャ?」
そうなの? と首を傾げたので、わたしは自分の考えを整理するためにヴァイスに話す。
「うん。多分……こういう場合……ありえないと思うけど……もしかしたら、小説でよくあった異世界転生……かもしれない。多分だけどね。だけど、本当にそうか分かんないから、まずは人里を目指そうと思うんだけど、いい?」
「ウギャ」
いいよと言うように頷く。
「ありがとう。それなら急いで行こう。夜になったら動けなくなるから、今のうちに動いておくのがいいと思うんだよね」
本当はここにいたら誰かが来るとか、誰かが説明してくれるのを待とうかと思っていたけれど、その気配もないし。それにスライムが襲ってきたことを考えると、すぐにでも移動した方が安全だろう。
ここで待っていても、敵が襲ってきた時に、自分は何もできないからだ。
というか、わたしの他に人っているよね? という不安もあるけれど、とにかくここにいる訳にはいかないのだ。
「でも、こういう時はどっちに行くのがいいんだろう」
森の中なんて、小学校の遠足で行った時以外行くことなんてなかった。
川を下っていくといい……という話を聞いたことはあっても、近くに川の音は聞こえない。
詰んだ。
「……でもこうしていられないよね。とりあえずでもいいから行こう」
わたしは立ち上がり、目の前の方向に進む。
ヴァイスもとことこと、わたしの隣を歩いてくれる。
一匹と一人で歩きながら、周囲を観察していく。
森の中は見たこともない草花が咲き誇っていた。気温は暖かい春の陽気で、この服でも問題ないくらいだ。
ただ、子供の歩幅は短いので少し歩きにくい。体力がないから余計にそう感じてしまうのかも。
「魔力を使えたらなんとかできるのかな……というか、そうか。そっちも使えるようにならないと」
わたしは歩きながら、なんとか魔法を使えるようにならないかと思考を巡らせる。
さっきはヴァイスがスライムを倒してくれたけれど、もしかしたらあれ以上に強いモンスターが出てくるかもしれない。そんな時のためになんとか魔法を使えるようにならなければ……。
「でも……創造魔法って何……? めちゃくちゃすごそうではあるけど、スケート初心者にいきなりトリプルアクセル決めろって言っているようなものじゃない?」
もっと分かりやすい魔法だったらいいのに……とも思わなくもない。
火魔法だったらファイアーボール、水魔法だったらウォーターボール。そんな一般的っぽそうな魔法だったらやってみないこともないけれど……。
「創造魔法と神聖魔法……。レベル高すぎて、どうやって使ったらいいのか分かんないや」
「ウギャ?」
どうかしたの? とヴァイスが振り向いてくる。
そこでわたしは、ヴァイスも魔法を持っていることを思い出した。
「ねぇヴァイス。魔法……ってどうやって使うか分かる?」
「ウギャァ」
「分かんないか……」
流石に0歳じゃダメだったか。
でも、このまま行くとまた他の魔物と出会う、いや、襲われてしまうかもしれない。
出会わないことを祈りつつ、慎重に進まないと。
「――なんて思っていた時があったんだけど……この森、何もいないの?」
またいつ襲われるかとビクビクしながら歩いていたのだけれど、二時間くらい歩いても、一切他の生き物と出会うことはなかった。
危険がなかったことはいいことだけど、それ以上にまずいかもしれない問題が起きたのだ。
「お腹が……減った!」
「ウギャァ……」
そう、魔物よりも、人里を目指すよりも、空腹でわたしとヴァイスはピンチになったのである。
「何か食べられる物……。果物も生ってないし……。空も暗くなってきた……」
わたしはこれからのことに不安を感じながらヴァイスと一緒に歩く。
空は赤く、遠くからは夕闇が迫ってきている。おそらくすぐに夜になると思う。
食べ物を見つけられていない状態で、夜を過ごす場所のことも考えないといけなくなってくる。気温も大分寒くなってきて、この服装ののままでは凍えてしまうかもしれない。
そんな時に、わたし達の前に洞窟が現れた。高さ三メートル、横幅三メートルくらいのかなり大きなものだ。
森の中で寝るか、洞窟の中で寝るか。どっちもどっちな気がしているけれど、洞窟の方がまだ安心ではなかろうか。
洞窟にはモンスターがいるかいないかの二択だけれど、森の中にいたら多分凍えてしまいそうな気がする。
「ヴァイス。一緒に中に入ろう?」
「ウギャゥ」
わたしはヴァイスを連れて、洞窟の中に慎重に入る。
モンスターがいませんように……というわたしの祈りが届いたのか、入り口には何もいなかった。
洞窟に入ると、入り口辺りには見たこともない黒い文字で何かがびっしりと書かれていた。ちょっと怖いので、急いで奥に入っていく。
「よかった……奥もそこまで深く……って何あれ!?」
洞窟の中は暖かく、のんびりとできると思っていた。
しかし、洞窟の奥には真っ黒な格子があり、その向こうで白銀の毛並みをした狼が地面に伏せていた。
「寝てる……のかな」
わたしは叫んだ後だけれど、狼を起こさないように静かに行動する。
「ヴァイス。来て」
今すぐにここから逃げなければ。
白銀の狼の毛並みは素晴らしく、さぞモフモフしていることだろう。是非とも触ってみたい。
そんな気持ちもあるけれど、ここは逃げの一手だ。
狼の大きさは遠巻きに見ると馬ほどのサイズを誇っていて、話で聞いたことのある狼とは一線を画していた。
もしあのモフモ……狼が危ない存在だったら、どうなってしまうか分からない。牢のような物も壊されるかもしれないからだ。
わたしは近付いてきたヴァイスを抱え、洞窟を出ようとする。
そこに、狼から声をかけられた。
「ほう……かわいい小娘ではないか。どうやってここに入ってきた?」
「ここには誰もいませんよー」
「ふざけているのか? 人がいるかどうかも分からないほどに弱っていると思ったのか?」
わたしがゆっくりと振り返ると、きれいなエメラルドグリーンの双眸と目が合う。
ダメだ。完璧にバレている。
わたしはこちらを見つめていた狼の方に向き直って口を開く。
「いえ、そういう訳じゃないんですけど……」
「だとしたらなんだ? 俺がフェンリルと知っていてここに来たんじゃないのか?」
「フェンリル!?」
「……なんだ。本当に知らなかったのか?」
「うん……」
フェンリル。それは北欧神話に登場する存在だ。少なくとも、わたしが生きていた前世にはいなかった。
ここはやっぱり地球じゃないのだろうか。せっかくだから聞いてみよう。
「あの……ここって地球……じゃないの?」
「地球? なんだそれは」
「そっか……」
やっぱりわたしは異世界転生をしてしまったのだろうか。それじゃあやっぱり、元の世界のわたしは……。
暗い考えに陥りそうになったところで、いつの間にか肩に乗っていたヴァイスがわたしの頬を舐めてくる。
693
お気に入りに追加
4,767
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢に転生してストーリー無視で商才が開花しましたが、恋に奥手はなおりません。
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】乙女ゲームの悪役令嬢である公爵令嬢カロリーナ・シュタールに転生した主人公。
だけど、元はといえば都会が苦手な港町生まれの田舎娘。しかも、まったくの生まれたての赤ん坊に転生してしまったため、公爵令嬢としての記憶も経験もなく、アイデンティティは完全に日本の田舎娘。
高慢で横暴で他を圧倒する美貌で学園に君臨する悪役令嬢……に、育つ訳もなく当たり障りのない〈ふつうの令嬢〉として、乙女ゲームの舞台であった王立学園へと進学。
ゲームでカロリーナが強引に婚約者にしていた第2王子とも「ちょっといい感じ」程度で特に進展はなし。当然、断罪イベントもなく、都会が苦手なので亡き母の遺してくれた辺境の領地に移住する日を夢見て過ごし、無事卒業。
ところが母の愛したミカン畑が、安く買い叩かれて廃業の危機!? 途方にくれたけど、目のまえには海。それも、天然の良港! 一念発起して、港湾開発と海上交易へと乗り出してゆく!!
乙女ゲームの世界を舞台に、原作ストーリー無視で商才を開花させるけど、恋はちょっと苦手。
なのに、グイグイくる軽薄男爵との軽い会話なら逆にいける!
という不器用な主人公がおりなす、読み味軽快なサクセス&異世界恋愛ファンタジー!
*女性向けHOTランキング1位に掲載していただきました!(2024.9.1-2)たくさんの方にお読みいただき、ありがとうございます!
【完結済】“呪われた公爵令嬢”と呼ばれた私が自分の生きる道を見つけました!
鳴宮野々花
恋愛
バーネット公爵家の長女セレリアは、ジャレット王太子の婚約者だった。しかしセレリアの妹フランシスとジャレット王太子が、恋仲になってしまう。
王太子の強い希望により、セレリアとの婚約は白紙となり、フランシスが王太子の婚約者となる。
泣いて詫びる妹を、大丈夫だと宥めるセレリア。
だが結婚式を目前に、フランシスは何者かによって毒殺されてしまう。
美しく愛らしい、誰をも魅了するフランシス。対して平凡な容姿で、両親からの期待も薄かったセレリア。確たる証拠もない中、皆がセレリアを疑いはじめる。その後、セレリアにフランシスの殺害は不可能だったと証明されるが、フランシスを失った苦しみから半狂乱になったジャレット王太子は、婚約破棄された腹いせに妹を殺したのだと思い込みセレリアを責め立てる。
「お前のせいでフランシスは死んだのだ!お前は呪われた公爵令嬢だ!」
王太子のこの言葉を皮切りに、皆がセレリアを呪われた公爵令嬢と噂するようになり──────
※この作品は小説家になろうにも投稿しています。
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
旦那様に勝手にがっかりされて隣国に追放された結果、なぜか死ぬほど溺愛されています
新野乃花(大舟)
恋愛
17歳の少女カレンは、6つほど年上であるグレムリー伯爵から婚約関係を持ち掛けられ、関係を結んでいた。しかしカレンは貴族でなく平民の生まれであったため、彼女の事を見る周囲の目は冷たく、そんな時間が繰り返されるうちに伯爵自身も彼女に冷たく当たり始める。そしてある日、ついに伯爵はカレンに対して婚約破棄を告げてしまう。カレンは屋敷からの追放を命じられ、さらにそのまま隣国へと送られることとなり、しかし伯爵に逆らうこともできず、言われた通りその姿を消すことしかできなかった…。しかし、彼女の生まれにはある秘密があり、向かった先の隣国でこの上ないほどの溺愛を受けることとなるのだった。後からその事に気づいた伯爵であったものの、もはやその時にはすべてが手遅れであり、後悔してもしきれない思いを感じさせられることとなるのであった…。
幸せは自分次第
藍田ひびき
恋愛
マリアンヌ・オベール子爵令嬢は前向きな性格である。
彼女の夫となったエルネスト・セルヴァン伯爵は「妻は常に夫の命に従うべき」という持論の持ち主で、仕事一筋で家庭を顧みない。
それでも前向きに当主夫人の執務へ勤しむマリアンヌだったが、ある日エルネストの愛人という女性が訪れる。しかも彼女はエルネストの子供を身籠っているらしい。
「旦那様は、子供のいない私を離縁するつもりなのね」
夫の命に従うべく、マリアンヌは離縁の準備を始めた。前向きに。
設定はゆるふわです。
※ なろうにも投稿しています。
社畜だけど転移先の異世界で【ジョブ設定スキル】を駆使して世界滅亡の危機に立ち向かう ~【最強ハーレム】を築くまで、俺は止まらねぇからよぉ!~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
ファンタジー
俺は社畜だ。
ふと気が付くと見知らぬ場所に立っていた。
諸々の情報を整理するに、ここはどうやら異世界のようである。
『ジョブ設定』や『ミッション』という概念があるあたり、俺がかつてやり込んだ『ソード&マジック・クロニクル』というVRMMOに酷似したシステムを持つ異世界のようだ。
俺に初期スキルとして与えられた『ジョブ設定』は、相当に便利そうだ。
このスキルを使えば可愛い女の子たちを強化することができる。
俺だけの最強ハーレムパーティを築くことも夢ではない。
え?
ああ、『ミッション』の件?
何か『30年後の世界滅亡を回避せよ』とか書いてあるな。
まだまだ先のことだし、実感が湧かない。
ハーレム作戦のついでに、ほどほどに取り組んでいくよ。
……むっ!?
あれは……。
馬車がゴブリンの群れに追われている。
さっそく助けてやることにしよう。
美少女が乗っている気配も感じるしな!
俺を止めようとしてもムダだぜ?
最強ハーレムを築くまで、俺は止まらねぇからよぉ!
※主人公陣営に死者や離反者は出ません。
※主人公の精神的挫折はありません。
寵妃にすべてを奪われ下賜された先は毒薔薇の貴公子でしたが、何故か愛されてしまいました!
ユウ
恋愛
エリーゼは、王妃になる予定だった。
故郷を失い後ろ盾を失くし代わりに王妃として選ばれたのは後から妃候補となった侯爵令嬢だった。
聖女の資格を持ち国に貢献した暁に正妃となりエリーゼは側妃となったが夜の渡りもなく周りから冷遇される日々を送っていた。
日陰の日々を送る中、婚約者であり唯一の理解者にも忘れされる中。
長らく魔物の侵略を受けていた東の大陸を取り戻したことでとある騎士に妃を下賜することとなったのだが、選ばれたのはエリーゼだった。
下賜される相手は冷たく人をよせつけず、猛毒を持つ薔薇の貴公子と呼ばれる男だった。
用済みになったエリーゼは殺されるのかと思ったが…
「私は貴女以外に妻を持つ気はない」
愛されることはないと思っていたのに何故か甘い言葉に甘い笑顔を向けられてしまう。
その頃、すべてを手に入れた側妃から正妃となった聖女に不幸が訪れるのだった。
【完結】転生白豚令嬢☆前世を思い出したので、ブラコンではいられません!
白雨 音
恋愛
エリザ=デュランド伯爵令嬢は、学院入学時に転倒し、頭を打った事で前世を思い出し、
《ここ》が嘗て好きだった小説の世界と似ている事に気付いた。
しかも自分は、義兄への恋を拗らせ、ヒロインを貶める為に悪役令嬢に加担した挙句、
義兄と無理心中バッドエンドを迎えるモブ令嬢だった!
バッドエンドを回避する為、義兄への恋心は捨て去る事にし、
前世の推しである悪役令嬢の弟エミリアンに狙いを定めるも、義兄は気に入らない様で…??
異世界転生:恋愛 ※魔法無し
《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、ありがとうございます☆
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。