305 / 551
19巻
19-1
しおりを挟む1
僕――深澄真は、独立で揺れる辺境都市ツィーゲの防衛戦力強化のため、ピクニックローズガーデンなる謎の傭兵団を探して、ローレル連邦を訪れていた。
ローレルのお偉いさんである彩律さんからお墨付きの手形をもらった僕は、クズノハ商会代表ライドウとして、従者の巴と澪をお供にカンナオイという都市を目指している。
どうやら、件の傭兵団は、その街の付近にある『ヤソカツイの大迷宮』を拠点にしているらしいのだ。
そんな中、国境の街ミズハに滞在していた僕らは、夜道で何者かに襲われていた身分が高そうな少女を助けてしまった。
襲撃者達は明らかに少女の身内っぽかったけれど、成り行きで僕らが保護する事になって……。
宿に連れ帰ったその少女と互いに軽く自己紹介すると、彼女はここから西に行った、そこそこ大きな街の地主様の娘さんで、〝大阪いろは〟だと名乗った。
それを受けて、僕の従者である巴は、自分達はローレル連邦から商売の許可を得て国内を視察している外国の商会だなどと返した。
全て事実だけど、本当の目的はまるで語っていない。
……言葉って奥が深いネ。
大阪いろはちゃんは、初対面の時の印象もあって、巴によく懐いている。
ちなみに僕は巴の主で商会の代表だと名乗ったにもかかわらず、腹を抱えて笑われた。巴が本当だと言ったが、いろはちゃんはきょとんとしていた。
お子様にどこまで理解できるかはともかく、きちんと説明して、彼女からめでたく〝不思議〟という感想をいただきました。
多分、いろはって名前は本名で間違いないけど、姓の方は大阪じゃなくてオサカベだろうと僕は考えている。
自己紹介の時、本人が思いっきり〝おさか……おおさか〟って言い直したから。
しかし、ローレルは国内での名前の呼称が他の国と違っていて、名から姓じゃなく、姓から名の順であるのが、いろはちゃんが当然のようにそう名乗ったのを見てようやくしっくりきた。
名乗り方も日本風という事で、いよいよこの国で特別視されている『賢人』様と日本人がイコールであると分かった。そこそこ以上に国に影響を与えているんだと実感する。
伝説の剣豪ムラマツ=イオリなんてのも、思いっきり和風なお名前だし。
聞けば、イオリは実在も怪しまれるくらい遥か昔の人物らしいけど、この国では多くの国民が知る御伽草子というか……まあ、よくある英雄譚の主人公だ。
流石に現地の人だと思うけど、上位竜ルトの旦那さんの例もある。彼が日本人って可能性も、なきにしもあらず。
多くの人に親しまれているみたいだから、まあ日本人ならそれはそれで誇らしいような……。
そしていろはちゃんは、その剣豪ムラマツ=イオリの大ファンだそうだ。
うん、微笑ましい。
それにしてもだ。
一目で金持ちの娘と分かる高価な服装に、世間ずれしていない無知な言動。
その割に知識レベルはなかなかのもので、子供が好きそうな英雄譚とはいえ、イオリについてやけに詳しいし、クズノハ商会って名前にも〝外国の商会なのにクズノハ?〟とか突っ込んできた。
金持ちは金持ちでも、地主の娘さんよりもお姫様の方がしっくりくる。
つまりカンナオイを治めるオサカベ家の娘さんで間違いなさそうな気配だ。
後で巴に確認しておこう。そう僕が心に決めた段階で、ようやくいろはちゃんの興味が巴から別のものにも向けられはじめた。
そして今、いろはちゃんが関心を示したもの――ええ、僕じゃなくてですね――露天風呂に入るって話になっている。
ついさっき会った少女とお風呂。
展開が頭悪すぎるエロゲーのようで、その後のバッドエンドまで僕にははっきり見える。
お縄ですよ。
この国の法には詳しくないけど、僕の倫理的にお縄です。
彩律さんの手形とか、関係ないっての。
当然一瞬でその線は地平の彼方までぶん投げて。
まあ、連れてきたのはこっちで、この子はお客様ですし、一番風呂はお譲りしようかと思って、僕はいろはちゃんに〝どうぞ、先に入っていいよ〟と伝えたわけなんですよ。
湯を溜めて入る風呂じゃなくて、かけ流しの豪勢な温泉だ。
僕が冬の雪山に大穴を開けて、巴達が突貫工事したスーパー銭湯と比べたら小さいけど、庶民の感覚からしたら、結構なサイズの露天風呂である。
……考えてみれば、今の僕は、そこそこの旅館に泊まった上で時間制限付きかつ別料金で露天風呂を独り占めしなくても、好きな時にそれができるわけか。
そして今泊まっている宿も、客室に温泉がついていて、二十四時間いつでも利用可能だ。
案内役のローレルの竜騎士――地竜隊の人に取ってもらった宿だけど、料金は向こう持ちにせず、強くお願いして、自分で払う事にした。
泊まる宿のスケールでそれを実感するのはどうかと思うけれど、僕はお金持ってたんだなあ……などと改めて実感する羽目になった。
ちなみに、僕らが本拠地にしている亜空では、金貨が詰まった蔵が急ピッチで造られている。
蔵ばっかりできても中身が変わらないし、それ以上に景観が悪いからという理由で、現在亜空では蔵の金貨の両替が進められている。
金貨の上には確かに魔銀貨と黄金貨(真金貨ともいう)があるから、両替は可能なんだけど、金貨より上の二つはあまり流通していなくて、とにかく使い勝手が悪い。だからこれまでほとんど替えてこなかった。でも空けた蔵には他にも入れたい物が沢山あるし、仕方なく……って感じ。
黄金貨ははっきり言って、入手から困難な半分美術品――地球でたとえると、高価な記念金貨みたいなものだから、もっぱら魔銀貨に替えている。
それでも蔵をいくつか占有するだろうって、実務能力に長けた従者の識が試算していたのを思い出す。
資産全部は金銭に換算できないし、把握しようもないけど……一回、現金の所有額だけは聞いておくべきかもしれない。
――で、ともかく幼女に、じゃなくていろはちゃんにお風呂を勧めたところ〝一人でなんて入れないから一緒に入るのです〟と言われた。
そして彼女は澪の正面に行って、両腕を上げた。
立ったまま万歳の姿勢である。
「なんですの、小娘。その格好は?」
澪が怪訝な顔をしていろはちゃんに理由を尋ねるのも、当然だろう。
僕にもなんのつもりか分からない。
ただ澪には、いろはちゃんを小娘って呼ぶのはやめるように、後で言っておこうと思う。
「澪といったですね。早く脱がせるのです」
澪の質問に、いろはちゃんが呆れたような表情で命じた。
「……は?」
「は、とはなんです。あなた、巴様とライドウ様にお仕えしている女中なのでしょう? 他に使用人もいらっしゃらないみたいですし、私のお世話もあなたに任せるのです」
「ぶふっ」
巴が噴いた。
なんの他意もない純粋ないろはちゃんの発言。
なるほど、見事な誤解だな。
立ち位置で言えば、僕の下に巴と澪が並んでいるのが正しい構図だ。でも、いろはちゃんの巴への脳内謎補正のせいで、僕らが説明したにもかかわらず、澪が一番下という扱いになったと。
……ああ、そうか。
それに加えて、いろはちゃんの元々の連れが、爺やみたいな人と、護衛と下仕え――女中みたいな感じの構成だったから、僕らの関係にもそれを当てはめたのかもな。
「……よく聞きなさいメスガキ。私は若様に! お仕えしているのです。決して巴さんなどに使われているわけじゃありません。私と巴さんは同列。いいえ、胃袋を掴みつつある私の方がむしろ上。分かりましたか?」
小娘より下はどんな言葉になるのか。澪の場合はメスガキらしい。
「胃袋、料理人ですか。ならやっぱり側近の巴様より下なのです。そもそも二刀を持って主に仕えるのが、側近の証なのです。だから――」
「わーかーりーまーしーたーかー?」
「っ!? ひたっ、ひはひへす、ひはい!!」
「きーこーえーてーまーすーかー?」
澪は一つこくりと頷くと、笑みを浮かべる――からの会話を即座に捨て去り、実力行使。
いろはちゃん、ほっぺが痛そうだ。
頬肉がちぎれ飛んでいないあたり、流石の澪も子供への加減は心得ているみたいだな。
うん、澪にしては実にソフトな、それでいて彼女らしい対応だ。
その後、しばらく持ち上げられつつ分かりましたかのダンスが続き、いろはちゃんは涙ぐみながら全力で首を縦に振った。
説得完了か。
というか、これぞSETTOKUだな。
一応、澪には自重するように伝えておく。
「うっ、うう。澪、さんが駄目なら仕方ないのです。ライドウ様、お願いするのです」
え?
「何言ってんの、この幼女。ぶっ壊れてんの?」
まずった。
とんでもない不意打ち発言に、心の声が裏返って思わず口から出ていた。
「え?」
「あ、いや。僕は女の子の入浴の世話はやった事がなくてね。申し訳ないんだけど、できないよ」
色々な意味でね。
あ、僕ってそっちの趣味はないんだな。
全くそそられないわ。
今日は意外な発見が続く日だ。
というか、何故澪が駄目だと、次が巴じゃなくて僕なんだよ。
「メスガ、こむ……ジャリ。いろはでしたか。どうやらまだ言葉が足りなかったようですね?」
澪が両手をわきわきさせていろはちゃんを見ている。
いろはちゃんが女を使うなんてありえないから、敵認定して名前呼びするんじゃないよ、澪。
両手の効果は抜群だったみたいで、いろはちゃんが僕の後ろに隠れてしまった。
「まあまあ澪、そう怒るでない。いろはが恐がっているではないか。聞けばこの娘の実家は相当な地主の様子。身の回りの世話など全て他人がやるのが当然な環境で育ったのであろう」
「巴さん。では貴方は若様にこの娘の脱衣と入浴の補助をさせろと? 体や髪を洗ってやり、身を添わせて湯船で共に過ごせと、そう言うつもりですか。そうですか。駄目です、絶対。誰がそんなうらやま……とにかく駄目です、絶対! それは私がこれから若様だけにするんですから!」
「あ、流石に湯船につかるくらいは一人でできるのです。でも服を脱いだり体や髪を洗ったりするのは、お風呂にいる使用人の仕事なのです。私のお母様だってそうしているのです」
おいー。
体や髪を洗うまではやらせるつもりだったのか。
そうしているって……マジか。
恐ろしいな。
いろはちゃんの発言が、彼女の無菌室育ち、実家の金持ちレベルの高さをどんどん上げている。
そして澪。
またぶっ倒れるから。
自重してって言ったばっかりでしょうが。
「お前が言うと、なんというか妙に艶めかしく聞こえるのう。安心せい、流石に若にそんな真似はさせん。儂だってしてもらった事はないしのう。連れてこようと最初に思ったのは儂じゃ。よって儂がいろはの入浴を世話しようではないか」
巴の発言は、中ほどで呟いた愉快な言葉以外は殊勝なものだった。
まあ、巴がやるのがいいだろう。
本人も了承しているし、澪は拒否したわけだし。
ところが、いろはちゃんは顔を真っ赤にして、僕の太腿にひしっとしがみついた。
「と、ともともととと、巴様がですか!? 無理です、絶対に無理なのです!!」
ぴしっと。
澪の表情がまた一つ上にいった。
よく分からないけど、そう感じた。
しかしどういう事だ、幼女。
どっちかと言うと巴と僕に対しての態度が逆じゃないかね?
……まさか!?
この子、女性が好きだったりする?
っ……!?
そういえば、いろはちゃんが憧れている伝説の剣豪イオリについても、僕は男だとばかり思っていたけれど、そうとも限らない。
宮本武蔵の弟子だか養子だかにそんな名前の人がいたようなって思って、てっきり僕はその人のイメージでいたんだけど……まさかの女なのか!?
動揺するいろはちゃんを見て、巴が首を傾げる。
「その反応は何故じゃ? 若で良いなら儂でも良かろう? 風呂で肌を見せるのには躊躇いもないんじゃろ?」
「そそそそそそ、そういう問題ではないのです!」
となると、巴に風呂の世話を任せるのはかえって良くないのか!?
(あー、若。言っておきますがこの娘、ちゃんと男が好みですぞ。会った事はないようですが、当人も納得した婚約者もおるようです)
僕が色々と考えすぎていると察したのか、巴が生温かい目で念話を送ってくれた。
しかし、いろはちゃんの言動は明らかに……。
巴だから間違いはないとは思うけど……でもなあ。
「ふむ。ではどういう問題じゃ」
「は、はははっ」
いろはちゃんが何かを口走ったが、鼻息荒い犬みたいになっていて、まるで聞き取れない。
理由を言おうとはしているようだから、そのまま待つ。
「恥ずかしいのです!」
「いや、脱がせぬとて、どうせ湯船では一緒じゃろ?」
「ひゃっぱ譲って!」
「……百歩じゃなくて?」
あ、つい突っ込んじゃった。
でも百羽ってさ。
ローレル仕様だとそういう言い回しになるのか?
「あう。百歩譲って! なのです。ご一緒させていただくとしても――」
いろはちゃんはすっごくテンパってる。
ひとまず全部言ってもらうか。
突っ込まない、突っ込まない。
「うむ」
巴もそのつもりのようで、頷いて続きを促した。
「せめて私が十七、八になって、お母様のような女性らしい豊かな体になってからなら……喜んでご一緒するのです。今は駄目なのです! こんなずん胴まな板はお見せできないのです!! 巴様のような凄い方にはとても!!」
……。
この子がいくつか知らないけど、あれか。
風呂に入るのは何年後だって話だよな。
澪が脱がすとしても、どうせ風呂で一緒になるのは変わらないわけで。
湯船は二つあるから、別々に入るって事か?
それにしたってどうせ見えちゃうよねえ。
「別に子供の裸なぞ、どうであれ気にはせん。それに母君が目標ならば、娘のお主はいずれ似ていくじゃろう。気にするな。大体、もし絶対に見るなといろはが言うのであれば、儂はあれか? 目隠しをして風呂に入れと?」
……それは嫌だな。
風呂はこう、もっと自由で、気ままで、楽しめなくちゃいけない。
心の洗濯ともいう暮らしの必需品なのだから。
風呂イズライフ……の一部。
流石に人生だと言い切れるほどには風呂道は究めてないや。
「目隠しだなんて!」
いろはちゃんもそこまでは非常識じゃないらしく、巴の指摘に恐縮している様子だ。それに、風呂の重要性もよく分かっているようだ。
「ならどうすればよい? 多少恥ずかしくとも、ここは素直に儂に洗われておくのが最善ぞ? この儂が他人の体を洗うなぞ、ほぼ初めての事じゃからな。後に誇れ、特別に許す」
巴の奴。
巴はいろはちゃんとその一行の記憶から、何を読んだんだろうな? 相当機嫌が良いし、こいつがここまで言うのはなかなかのものだ。
ひょっとして、何か素敵な特典が彼女にはあるのか?
それ、僕にとってだよな。
巴にとってじゃないよな?
「と、巴様には先にお入りいただくか、後でお入りいただくかでお願いしたいのです!!」
「……なんじゃと?」
「……ぷっ」
今度は澪が笑いを漏らす。
斜め上来た。
つまり澪に世話を断られ、僕にそれを望んだいろはちゃんの頭の中には、今二つのパターンがあるわけだ。
一つは僕と澪といろはちゃんが一緒で、巴が一人の入浴。
もう一つは僕といろはちゃんが一緒で、巴と澪が一緒の入浴。
「……つまり、いろは。お前は儂に、一人で入れと、そう言っておるのか?」
「いえ! 澪さんと二人で仲良くお入りくださればのです!」
巴の妙な気迫に押されてか、新たなる敬語〝くださればのです〟を創造したいろはちゃん。
〝です〟無敵だな。
小さい子が言ってるの限定だけど、なんか許せる不思議。
しかし許せたのは、どうやら僕一人だけだったらしい。
残る二人にとっては内容の部分で完全にアウトだったみたいだ。
問答タイムが終わる気配が僕にも分かった。
巴と澪が静かに頷き合う。
まあ、こう言ってはなんだけど、妥当な結論だな。
幼女はお風呂に一人では入れず、そして僕も初対面の幼女とは入れない。
なら、今夜は僕がお風呂を我慢して、澪か巴――できれば澪が、いろはちゃんをお風呂に入れてあげる。
それがベストだ。
「いろは。せめて目隠しと言っていればまだ交渉の余地はあったものを。身分を考え、己で風呂に入る術を教えるのは悪影響かと案じたのが、思えば甘やかしであったか」
ん?
「私達がこの小娘に配慮する事自体が間違いです。元々今日一番の楽しみはこれだったんですから!」
ん? これ?
「わひゃっ!」
「っと」
僕の太腿にしがみついていたいろはちゃんが、澪に剥ぎ取られた。
一瞬の事だ。
「良い機会じゃ、風呂の入り方を教えてやろう。そう、混浴の作法をな!」
んなものはない!
良い機会も当然ながらどこにもない!
初めて聞いたわ!
「おい巴、ってなんで僕の後ろ襟を……」
「当然、今日一番の楽しみだからですな! 行きますぞ若、お覚悟を!」
そう言って、巴は僕の首根っこを掴んで引っ張っていく。
「ちょ、お前!」
「今日は風呂はいいやー、なんて事なかれ! 儂らは許しませんぞ。ええ、許しませんとも!」
「読んだな!? お前また人の心をだな!」
「読むまでもありませんでした。丸分かりもよいところです!」
ずるずると部屋と露天風呂の狭間、脱衣用の小部屋に連れ込まれる。
ふ、風呂ってのはもっとこう、自由で気ままで……うう。
「で、いろはよ。今からお前を剥くわけじゃが。儂は目隠しをすればいいのかのう? ん?」
「そんな事したって、私達なら見たければ見えますもの。無駄じゃありません? 面倒そうなの着てますし、私がすぱっと剥いてあげますわ」
……いや、見えるのかよ。
なんだそれ。
目隠しが単なるファッションとか、勘弁してくれ。
「あ、澪! この馬鹿者が! 〝目隠しをいたしますから〟と言えば、若が二~三度ならお体を洗わせてくれるかもしれなかったものを!!」
「っ!? なんですって!? なんですかそのご褒美は! 目隠し、目隠しはどこです! ああ、ない! ちょっとゴルゴン達から借りてきます!!」
「……いや、もう聞いたしさ。ってか、目隠ししても気配が分かるから問題ない程度ならともかく、見えるんだね、二人とも。役に立つか知らんけど……覚えとく」
「貴重な手を一つ潰しおって。後で儂が今日まで熟考した秘策をいくつか明かしてやるから、参考にせい、このど阿呆」
「だって、そんな事でお許しが出るとは思わないじゃないですか……うう……」
巴に詰め寄られた澪が、素直に謝った。
貴重な光景だ。
「あのあの、わ、私は一日くらいなら頑張ればお風呂を我慢できるのです」
「そうかの」
「はい!」
657
お気に入りに追加
56,863
あなたにおすすめの小説
私の婚約者と姉が密会中に消えました…裏切者は、このまま居なくなってくれて構いません。
coco
恋愛
私の婚約者と姉は、私を裏切り今日も密会して居る。
でも、ついにその罰を受ける日がやって来たようです…。
余りモノ異世界人の自由生活~勇者じゃないので勝手にやらせてもらいます~
藤森フクロウ
ファンタジー
相良真一(サガラシンイチ)は社畜ブラックの企業戦士だった。
悪夢のような連勤を乗り越え、漸く帰れるとバスに乗り込んだらまさかの異世界転移。
そこには土下座する幼女女神がいた。
『ごめんなさあああい!!!』
最初っからギャン泣きクライマックス。
社畜が呼び出した国からサクッと逃げ出し、自由を求めて旅立ちます。
真一からシンに名前を改め、別の国に移り住みスローライフ……と思ったら馬鹿王子の世話をする羽目になったり、狩りや採取に精を出したり、馬鹿王子に暴言を吐いたり、冒険者ランクを上げたり、女神の愚痴を聞いたり、馬鹿王子を躾けたり、社会貢献したり……
そんなまったり異世界生活がはじまる――かも?
ブックマーク30000件突破ありがとうございます!!
第13回ファンタジー小説大賞にて、特別賞を頂き書籍化しております。
♦お知らせ♦
余りモノ異世界人の自由生活、コミックス3巻が発売しました!
漫画は村松麻由先生が担当してくださっています。
よかったらお手に取っていただければ幸いです。
書籍のイラストは万冬しま先生が担当してくださっています。
7巻は6月17日に発送です。地域によって異なりますが、早ければ当日夕方、遅くても2~3日後に書店にお届けになるかと思います。
今回は夏休み帰郷編、ちょっとバトル入りです。
コミカライズの連載は毎月第二水曜に更新となります。
漫画は村松麻由先生が担当してくださいます。
※基本予約投稿が多いです。
たまに失敗してトチ狂ったことになっています。
原稿作業中は、不規則になったり更新が遅れる可能性があります。
現在原稿作業と、私生活のいろいろで感想にはお返事しておりません。
家に住み着いている妖精に愚痴ったら、国が滅びました
猿喰 森繁
ファンタジー
精霊の加護なくして魔法は使えない。
私は、生まれながらにして、加護を受けることが出来なかった。
加護なしは、周りに不幸をもたらすと言われ、家族だけでなく、使用人たちからも虐げられていた。
王子からも婚約を破棄されてしまい、これからどうしたらいいのか、友人の屋敷妖精に愚痴ったら、隣の国に知り合いがいるということで、私は夜逃げをすることにした。
まさか、屋敷妖精の一声で、精霊の信頼がなくなり、国が滅ぶことになるとは、思いもしなかった。
この話は、カクヨム様にも投稿しております。
そんなふうに見つめないで…デッサンのモデルになると義父はハイエナのように吸い付く。全身が熱くなる嫁の私。
マッキーの世界
大衆娯楽
義父の趣味は絵を描くこと。
自然を描いたり、人物像を描くことが好き。
「舞さん。一つ頼みがあるんだがね」と嫁の私に声をかけてきた。
「はい、なんでしょうか?」
「デッサンをしたいんだが、モデルになってくれないか?」
「え?私がですか?」
「ああ、
もふもふ獣人転生
*
BL
白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で死にそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。
衝撃で前世の記憶がよみがえったよ!
推しのしあわせを応援するため、推しとBLゲームの主人公をくっつけようと頑張るたび、推しが物凄くふきげんになるのです……!
ゲームには全く登場しなかったもふもふ獣人と、騎士見習いの少年の、両片想いな、いちゃらぶもふもふなお話です。
巻き込まれたおばちゃん、召喚聖女ちゃんのお母さんになる
戌葉
ファンタジー
子育てが終わりこれからは自分の時間を楽しもうと思っていたある日、目の前で地面へと吸い込まれていく女子高生を助けようとして、自分も吸い込まれてしまった。
え?異世界?この子が聖女?
ちょっと、聖女ちゃんは普通の女の子なのよ?四六時中監視してたら聖女ちゃんの気が休まらないでしょう。部屋から出なさい!この国、いまいち信用できないわね。
でも、せっかく異世界に来たなら、新しいことに挑戦したい。まずは冒険者ね!
聖女召喚に巻き込まれたおばちゃんが、聖女ちゃんの世話を焼いたり、冒険者になってみたりする話。
理不尽に振り回される騎士様の話も。
「悪役令嬢と私の婚約破棄」と同じ世界です。
竜王陛下、番う相手、間違えてますよ
てんつぶ
BL
大陸の支配者は竜人であるこの世界。
『我が国に暮らすサネリという夫婦から生まれしその長子は、竜王陛下の番いである』―――これが俺たちサネリ
姉弟が生まれたる数日前に、竜王を神と抱く神殿から発表されたお触れだ。
俺の双子の姉、ナージュは生まれる瞬間から竜王妃決定。すなわち勝ち組人生決定。 弟の俺はいつかかわいい奥さんをもらう日を夢みて、平凡な毎日を過ごしていた。 姉の嫁入りである18歳の誕生日、何故か俺のもとに竜王陛下がやってきた!? 王道ストーリー。竜王×凡人。
20230805 完結しましたので全て公開していきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。