第2回BL小説大賞
選考概要
編集部内で大賞候補作としたのは、「乙女ゲームの攻略対象(暗黒微笑)――傍観者となる。」「ゆっくりと恋する……のか?」「強くて、“New”げーむ!」「16人の男子が追いかけてくるゲーム」「君の王国」「番長(絶滅危惧種)の受難 in 異世界」の6作品。
選考の結果、いずれもそのまま出版化するのは難しいと考え、編集部内で支持の高かった「16人の男子が追いかけてくるゲーム」「番長(絶滅危惧種)の受難 in 異世界」の2作を特別賞に選出することとした。
「16人の男子が追いかけてくるゲーム」は、元引きこもりの22歳の青年が全寮制高校に入学し、そこで一風変わったチェス部に強制入部させられるというユニークな設定が高く評価された。筆力や構成力もあり、今後の展開が気になる作品である。
「番長(絶滅危惧種)の受難 in 異世界」は、愛され体質の番長が異世界にトリップしてイケメン達を骨抜きにしていく様子が、軽快な文章で描かれていた。キャラクターたちも非常に魅力的で、続きを一気に読み進めたくなるところが評価された。
また受賞には至らなかったが、「ゆっくりと恋する……のか?」も穏やかな恋模様が丁寧に描写された良作だった。ただ、キャラクターもストーリーもパンチに欠ける点が惜しかった。
「強くて、“New”げーむ! 」はゲーム世界にトリップするという設定が評価されたが、小説としては描写が不足している点がマイナスとなった。
「君の王国」はしっとりとしたテイストで描かれたファンタジーBLで、世界観は美しいものの、全体的に大人しくまとまりすぎてしまったところが残念だった。
「第2回BL小説大賞」では昨年に比べて、WEBという自由な場を活かしたユニークな作品が多く集まった。今後は、この新たな発想に加えて読み手を意識した作品が増えることに期待したい。
なし
乙女ゲームの攻略対象(暗黒微笑)――傍観者となる。
16人の男子が追いかけてくるゲーム
元引きこもりの主人公が全寮制高校に入学し、イケメン高校生たちを魅了していく過程が丁寧に描かれていました。「チェス部」の設定が非常にユニークでありながらとても読みやすく、筆力や構成力の高さもうかがえます。今後の展開が楽しみな作品です。
番長(絶滅危惧種)の受難 in 異世界
異世界トリップやハーレム、総受けなど魅力的な要素が盛りだくさんで、中でも主人公の『番長』のキャラクターは編集部内で高く評価されました。登場人物たちのやりとりも軽快で勢いがあり、続きをどんどん読み進めたくなる作品です。
※受賞作については大賞ランキングの最終順位を追記しております。
ポイント最上位作品として、“読者賞”に決定いたしました。テンポ良くストーリーが展開し、楽しく読み進められる作品でした。乙女ゲームの傍観者という王道の設定とBLをうまく絡め、主人公が誰と結ばれるのかラストまで気になる点が多くの読者の支持を得たのだと思います。