第11回ファンタジー小説大賞

第11回ファンタジー小説大賞

選考概要

2193作という過去最高の応募数となった今年、編集部内で一次選考において大賞候補としたのは、「勘違いの工房主~英雄のパーティをリストラになった雑用係が、実は戦闘以外の適正ランクがSSSだったというよくある話~」「追い出された万能職に新しい人生が始まりました」「転移先は薬師が少ない世界でした」「Sランクパーティーから追放されたおっさん商人、真の仲間を気ままに最強SSランクハーレムパーティーへ育てる。」「成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?」「初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる」「利己的な聖人候補~とりあえず異世界でワガママさせてもらいます」「勇者パーティから追い出された!と、思ったら、土下座で泣きながら謝って来た……何がなんだかわからねぇ」「秘密の聖女(?)異世界でパティスリーを始めます!」「庶民勇者は廃棄されました」「魔物を綺麗にしたら懐かれました - モフモフ、プニプニ大好きのスローライフ -」「専属料理人なのに、料理しかしないと追い出されました。」「スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で美少女と異世界ライフ~」「追い出されたら、何かと上手くいきまして」「精霊に好かれた私は世界最強らしいのだが」「おっさん、異世界でドラゴンを育てる」「魔具師になったら何をつくろう?」「デイノトルーパーズ 自衛隊の敵は6500万年前から来た」の18作品。

近年人気の追放モノや無自覚チートモノ、ユニークな職業モノだけでなく、定番の転生ファンタジーなど、読者ニーズをしっかりおさえた作品が集まった。また、これらの人気要素を上手く取り入れつつも、読者の期待した展開を良い意味で裏切ってくれる、オリジナリティのある作品も多く見られた。

その後、最終選考で大賞候補として残ったのは、「勘違いの工房主~英雄のパーティをリストラになった雑用係が、実は戦闘以外の適正ランクがSSSだったというよくある話~」「追い出された万能職に新しい人生が始まりました」「転移先は薬師が少ない世界でした」「Sランクパーティーから追放されたおっさん商人、真の仲間を気ままに最強SSランクハーレムパーティーへ育てる。」「成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?」「初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる」「勇者パーティから追い出された!と、思ったら、土下座で泣きながら謝って来た……何がなんだかわからねぇ」「庶民勇者は廃棄されました」「魔物を綺麗にしたら懐かれました - モフモフ、プニプニ大好きのスローライフ -」「専属料理人なのに、料理しかしないと追い出されました。」の10作品。

これらの候補作品の中で、編集部内でもっとも高い評価を集めた「追い出された万能職に新しい人生が始まりました」を大賞に選出した。また、ポイント最多として読者賞に決定していた「勘違いの工房主~英雄のパーティをリストラになった雑用係が、実は戦闘以外の適正ランクがSSSだったというよくある話~」も、大賞授賞作に次ぐ編集部の支持を集め、通常の読者賞の賞金にプラスして評価することとなった。また、大賞には一歩及ばずながらも非常に優れた作品であった「Sランクパーティーから追放されたおっさん商人、真の仲間を気ままに最強SSランクハーレムパーティーへ育てる。」「勇者パーティから追い出された!と、思ったら、土下座で泣きながら謝って来た……何がなんだかわからねぇ」の2作品を優秀賞に選出し、「転移先は薬師が少ない世界でした」「成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?」の2作品を特別賞とした。


「追い出された万能職に新しい人生が始まりました」は、自信を持てない主人公や、彼の実力を認める周囲の冒険者や従魔など、どのキャラクターもユニークで魅力的だった。主人公の新しい出会いと、彼を追い出した勇者パーティのざまぁ展開の二つの軸がうまく並行して進むという、読みやすい構成も評価を集めた。


「勘違いの工房主~英雄のパーティをリストラになった雑用係が、実は戦闘以外の適正ランクがSSSだったというよくある話~」は、パーティ追放や無自覚チートなど、近年人気の高い要素が多く取り入れられた作品。サクサク解決されるトラブルや次々に登場するキャラクターなど、勢いの良さも高く評価された。


「Sランクパーティーから追放されたおっさん商人、真の仲間を気ままに最強SSランクハーレムパーティーへ育てる。」は、追放された面々でハーレムパーティを作り、ランクアップを目指す作品。個々のキャラクターが追放された理由も個性的で、作品の大きな魅力となっていた。


「勇者パーティから追い出された!と、思ったら、土下座で泣きながら謝って来た……何がなんだかわからねぇ」は、一度追放された主人公が、自分を追い出した勇者達に再び頼られるというストーリー。特別な能力のない主人公の、ベテランならではの渋い活躍が丁寧に描かれている点が高評価だった。


「転移先は薬師が少ない世界でした」は、レアな魔物をテイムしたりダンジョンに潜ったりと、メインである薬師としての活躍以外の要素も多彩で目を引いた。また、主人公を巡る人間関係も魅力的で、丁寧に描かれた人物描写や場面描写は、男女問わず人気を集めた。


「成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?」は、長く読者ニーズの高い王道の異世界転生系チートファンタジー。主人公視点の軽妙な語り口でテンポ良く物語が進み、規格外の力を身につけていく主人公がこれからどうなるのか、この先の展開が気になる一作だった。


また授賞には至らなかったが、「庶民勇者は廃棄されました」は、個性的なキャラクターや魔法などの設定、独特な世界観などがよく練られており、臨場感のあるバトルシーンや復讐を軸とした重厚なストーリーもあいまって、ぐっと引き込まれる作品だった。


「初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる」は、好感の持てるキャラクター達やコツコツと努力を重ねる主人公の姿、ほのぼのとした学園生活など、読者のツボをしっかりとおさえたストーリーと、それらを丁寧に書き上げた筆力が評価された。


「専属料理人なのに、料理しかしないと追い出されました。」は、ダンジョン最下層で追放されてしまった主人公がただの「料理人」ではなく「くノ一」でもあったという設定が独特で、コミカルとシリアスを織り交ぜながらテンポ良く進むストーリーが人気を集めた。


「魔物を綺麗にしたら懐かれました - モフモフ、プニプニ大好きのスローライフ -」は、万能グルーミングというユニークなチートと、主人公のことが大好きなモフモフプニプニな魔物達の愛らしさが、作品の大きな魅力となっていた。


また大賞候補作の中には是非出版化を進めたい、あるいは出版化の道を探りたい魅力のある作品が数多くあり、個別に連絡をしていく予定である。同じく大賞候補作以外にもレジーナブックスなどのレーベルでの出版化を検討したい作品もあり、編集部より個別にオファーあるいは出版化への挑戦の打診をしていきたい。

応募総数 2,193作品 開催期間 2018年09月01日〜末日

編集部より

勇者パーティーを追放された主人公ロアが、実はチートな薬を次々作り出す最強万能職だったと明かされていく展開に爽快感がありました。彼の実力を認める周囲のキャラクター、とりわけ鷲頭獅子と魔狼達はかわいらしく、彼らがいつ登場してくれるのかと、読んでいて待ち遠しくなりました。魔狼達と再会を果たしたロア達がどうなっていくのか、今後の展開がとても楽しみです。


編集部より

ポイント最上位作品として、“読者賞”に決定いたしました。追放や無自覚チートといったWEB上で人気のある設定が、のんびり屋な主人公をはじめとしたユニークなキャラクター達によって丁寧に描かれた、魅力的な作品でした。主人公の無自覚チートぶりが複数の視点を駆使して巧みに描写されており、思わず次へ次へと読み進めた読者も多かったのではないでしょうか。


編集部より

追放された面々でパーティを作り、ランクアップを目指していく設定が斬新で面白いと思いました。ヒロインたちも、追放された理由含めて非常に個性的で、登場するだけで作品が華やかになるように感じます。また、悪役が転落しつつも、不屈の闘志で執念深く主人公に復讐を果たそうとする様子が、物語にアクセントを与えており、読み応えがありました。


編集部より

勇者パーティから追放されたおっさん主人公が、危機に陥った高飛車な勇者達に頼られるというどんでん返しは、読んでいてスカッとしました。また、主人公に派手なチート能力はありませんが、勇者パーティと行動することでその実力が際立ち、他作品には無い新鮮な感覚を得ることができました。世界観設定も練り込まれており、筆力の高さを感じます。


編集部より

異世界トリップしたヒロインが能力を隠しつつも薬師として活躍していく様が、しっかりと安定した文体で丁寧に描かれており、楽しく読み進めることができました。また、舞台設定や各キャラクターもとてもよく、女性読者の目を引きそうです。今後のヒーローとヒロインの恋愛模様も気になった作品でした。


編集部より

主人公の軽妙な語り口でテンポよく物語が進み、チートで周囲を圧倒する展開ともあいまってとても爽快感のある作品です。また、主人公のルカルドはもちろんのこと、彼を温かく見守る家族や可愛らしいアテネなど、個性的なキャラクターが印象的でした。ルカルドがこれからどんな生活を送っていくのか、今後の展開が楽しみです。

※受賞作については大賞ランキングの最終順位を追記しております。

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