上 下
27 / 81
第三章 魔法道具店の開店迄のクエスト

第十二話 それぞれの者達…パート1!(1つの終止符) 一部変更しました。

しおりを挟む
 テールナール夫妻は現在、領民に追われていた。

 テールナール元子爵も貴族で有り、領地もあった。

 その領地では細々と野菜を作らせていたのだったが、レオナリアがポーションを作る様になってから野菜畑を潰して薬草園として薬草を育てさせた。

 ただ強欲なテールナール子爵は、領民達に薬草を栽培させる際に安価でこき使っていた。

 しかも…収穫量が悪いと賃金を下げられ、質が悪いからと言って賃金を下げたりしていた為に領民達は余裕の無い最低限の生活をするしか無かった。

 そんな領主にいつか復讐をしてやる…と思っていたが、貴族だけあって私兵はいたので迂闊に手を出せなかったのだが…子爵地位を奪われて平民に落ちた事を知ると、領民達はすぐに行動を起こして牙を剥いて来た。

 テールナール子爵家は王国に屋敷と財産を没収された。

 だが、テールナール子爵夫妻は抜け目が無く…幾つかの宝石や装飾品を持ち出す事に成功した。

 …筈だったのだが、屋敷を出た途端に待ち構えていた領民達に暴行された挙句宝石類を奪われ、領民達が宝石類を見て喜んでいる隙を見て逃げる事に成功したのだった。

 …そう、その程度の宝石類で当然満足する領民では無く…領民達はテールナール夫妻を始末する為に躍起になっていた。

 「領民共め…領主だった頃に仕事を与えて育ててやった恩を忘れたのか⁉︎」

 「そんな事を言っている場合じゃありません、早く見つからない場所に逃げませんと…」

 安価でコキ使っていただけならここまでに発展する事はなかった。

 問題はテールナール子爵のある態度だった。

 ある時、薬草園を管理していた地域に魔物が侵入し、領民達は酷い怪我を負ってしまい…作業に支障が出て遅れていた。

 領民達はテールナール子爵に怪我を治す為にポーションを要求したのだが、その際に言い放った言葉が怒りのキッカケになったのだった。

 「怪我したからポーションを寄越せだと? 高価なポーションを何故お前ら如きに使わないと行けないんだ! まぁ、使えなくなった奴がまた現れたら…その時には他から調達すれば良いから、使いものにならなくなった奴らはその辺で適当にのたれ死ね‼︎」

 この言葉が無ければ領民達も安価で使われていたとしても、不満を言うだろうが逆らおうとする者達はいなかった筈だった。

 「いたぞ! 元領主達だ‼︎」

 「仲間の仇だ、絶対に捕まえて処刑してやる‼︎」

 「ひっ! お前ちょっとこっちに来い‼︎」

 「何かしら…ギャ⁉︎」

 テールナール子爵は夫人に対して動けない様に近くにあった太い枝で脛を力一杯何度も打ち付けた。

 夫人はその場で倒れたと同時にテールナール子爵はそのまま逃亡し、夫人は見事に領民達に捕まった。

 夫人は何度もテールナール子爵に対して叫んだが、テールナール子爵は一切振り返る事はなかった。

 ●◯●◯●◯●

 テルシェリア王国・結界牢では…?

 ルーナリア・テールナールが現在服役していた。

 全て壁で閉ざされていて窓もなく、昼なのか夜なのかすらわからない。

 唯一時間が分かる方法があれば、それは1日に2度運ばれて来る食事で時間が分るくらいだった。

 そしてこの部屋の中には本すらない始末で、ただただひたすらに寝て過ごしているだけだった。

 そんなルーナリアに転機が訪れた!

 この結界牢に同居人が来るという話だった。

 だが、結界牢は…犯罪者が収監される為に作られた場所だ。

 1人で退屈だった気を紛らわせる為に話が出来る者が増えて一瞬喜んだが…?

 女癖が悪くて襲われる可能性が拭えないという事もあった。

 牢屋に入っている女は、女性として扱われることが無く…犯罪者の場合は奴隷かそれ以下の扱いになるのだった。

 なので同時に恐怖も感じていたのだった。

 「ルーナリア・テールナール、お前の同居人だ! 仲良くしろよ。」

 ルーナリアは入って来る者の顔を見た。

 すると愛するドミニオン殿下だと分かり歓喜をしたのだった。

 ~~~~~翌日~~~~~

 昨日とは一転、ルーナリアは最悪な気分になっていた。

 まずドミニオンが入ってきた事に喜んだのは、ルーナリアを救出する為に会いに来て牢屋から出してくれるものだと思っていたからだ。

 だが、ドミニオンが牢屋に入れられた際に監守が話した内容では…ドミニオンは国王陛下に斬りかかって牢屋入りをされたという話だった。

 そこで監守から言われた「同居人」という意味を初めて理解した。

 それでもルーナリアは会話を出来る人間が増えた事に初めは喜んでいた…のだが、ドミニオンからは冷たい目で見られ一切の会話がなく、食事はこれっぽっちでは足りないからと言って奪われ、寝床で使っているベッドは「俺が床で寝る訳には行かないだろ‼︎」と言って占領されていた。

 ルーナリアは牢屋の隅で毛布を掛けながら寝ていたのだが、その毛布ですら「寒い!」と言って奪われて行った。

 こんな事になるんだったら、まだ1人でいた方が良かった。

 時が流れて…食事の時間になった。

 ドミニオンとルーナリアはそれぞれ食事を受け取ったが、またもドミニオンに奪われそうになったが…それだけは何とか阻止をした。

 するとその行為に腹を立てたドミニオンは、ルーナリアを殴る蹴るの暴力を振るって行った。

 ルーナリアは身を縮こませて食事を守る為に耐えていたのだったが、ドミニオンは食事に使っていたフォークを肩に刺して腕に力がなくなった瞬間にルーナリアの食事を全て奪って行った。

 「お前が抵抗をしなければ、こんな目に遭う事は無かったのによぉ…!」

 それから数日間は毎日この暴力が続いては、食事を奪われて行った。

 1週間が経過したある日…騎士は見るからに痩せ細っていて傷や怪我だらけで横たわっているルーナリアに気付いた。

 ルーナリアがまだ生かされている理由は、ルーナリアの処遇をレオナリアの判断に委ねる為だった。

 すると騎士からの報告で国王陛下が結界牢に来て…

 「お前は何をやっているのだ‼︎」

 「どうせレオナリアがこの女の処遇を決まれば、どの道死ぬ未来しか残ってないからな! 俺はこの女と違って生き延びなければならないから…」

 「逆だ!」

 「え?」

 「ルーナリアはレオナリアが帰るまでの間は生かせて待つ事が罪だが、ドミニオンは別に今すぐ死んで貰っても構わん。 今のお前にはルーナリア以上に価値が無いのだからな‼︎」

 「そ、そんな…」

 「そもそもお前が生き延びていて何の役に立つんだ? お前は我が子だったから辛い試練を与えて意識が変わる為に道を用意していたつもりだったが、それも不意にして余に斬り掛かってきた。 牢屋に入る事を望んだと思えば同居人であるルーナリアに暴力を働き食事を奪って行く…そんなお前を生かしておく理由を逆に聞きたいくらいだ。」

 国王陛下はルーナリアの元に赴いて声を掛けた。

 「今まで辛い思いをさせて済まなかった。 代わりと言っては何だが…今迄の分の食事とちゃんとした寝床を用意し、退屈凌ぎに本も用意させよう。」

 国王陛下は騎士に命じて、食事や家具を牢屋に入れたのだった。

 するとドミニオンも同じ待遇にしてくれるものだと思い待っていたのだが…何の変化もなくて、ルーナリアの食事に手を伸ばそうとしたところを国王陛下に蹴られたのだった。

 「それはルーナリアの分であって、お前のでは無い‼︎」

 ドミニオンはその場で従ったフリをして、国王陛下が居なくなったのを確認したら奪うつもりでいた。

 …ところが?

 「ドミニオン、お前はもう此処には居させられん。」

 「では、別の牢に移されるのですか?」

 「お前の行く場所は牢屋では無く鉱山に送ろうと思う。 常に監視を付けさせてノルマが達成するまでは休むことが出来ない過酷な場所だ‼︎」

 「そんな場所では死んでしまいます‼︎」

 「だからなんだ?」

 「はい?」

 「お前は話を聞いていなかったのか? 今のお前にはルーナリア以上に価値が無い上に、生かしておく必要もないからな。 なので、別に死のうがどうでも良い…連れて行け‼︎」

 暴れるドミニオンを騎士は枷を付けて拘束し、鉱山行きの馬車に放り込まれて運ばれて行った。

 そしてルーナリアは自由を手に入れた…のだが、監守の騎士に命じて紙とペンを貰うと手紙を書き始めた。

 それは謝罪の手紙で…レオナリアに宛てた物だった。

 ここ数日間に大事な物を奪われる経験をして、自分も同じ理由でレオナリアの大事な物を奪って行った謝罪をする為だった。

 当然だけど、今更謝罪の手紙を送った所で許される事が無いのはルーナリアにも分かっていた。

 だけど書かずにはいられなかった。

 手紙を書き終えたルーナリアは、涙を流しながら蹲る様にそっと息を引き取った。

 そしてこの手紙はというと…?

 数日後にレオナリア手に無事に渡るのだった。

 ⭐︎数日後と書くはずが数年後と書いておりました。
 指摘をして下さった方、有り難う御座います。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

継母の心得

トール
恋愛
【本編第一部完結済、2023/10〜第二部スタート ☆書籍化 2024/11/22ノベル5巻、コミックス1巻同時刊行予定☆】 ※継母というテーマですが、ドロドロではありません。ほっこり可愛いを中心に展開されるお話ですので、ドロドロ重い、が苦手の方にもお読みいただけます。 山崎 美咲(35)は、癌治療で子供の作れない身体となった。生涯独身だと諦めていたが、やはり子供は欲しかったとじわじわ後悔が募っていく。 治療の甲斐なくこの世を去った美咲が目を覚ますと、なんと生前読んでいたマンガの世界に転生していた。 不遇な幼少期を過ごした主人公が、ライバルである皇太子とヒロインを巡り争い、最後は見事ヒロインを射止めるというテンプレもののマンガ。その不遇な幼少期で主人公を虐待する悪辣な継母がまさかの私!? 前世の記憶を取り戻したのは、主人公の父親との結婚式前日だった! 突然3才児の母親になった主人公が、良い継母になれるよう子育てに奮闘していたら、いつの間にか父子に溺愛されて……。 オタクの知識を使って、子育て頑張ります!! 子育てに関する道具が揃っていない世界で、玩具や食器、子供用品を作り出していく、オタクが行う異世界育児ファンタジー開幕です! 番外編は10/7〜別ページに移動いたしました。

【完結】婚姻無効になったので新しい人生始めます~前世の記憶を思い出して家を出たら、愛も仕事も手に入れて幸せになりました~

Na20
恋愛
セレーナは嫁いで三年が経ってもいまだに旦那様と使用人達に受け入れられないでいた。 そんな時頭をぶつけたことで前世の記憶を思い出し、家を出ていくことを決意する。 「…そうだ、この結婚はなかったことにしよう」 ※ご都合主義、ふんわり設定です ※小説家になろう様にも掲載しています

悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます

綾月百花   
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。

平凡地味子ですが『魔性の女』と呼ばれています。

ねがえり太郎
恋愛
江島七海はごく平凡な普通のOL。取り立てて目立つ美貌でも無く、さりとて不細工でも無い。仕事もバリバリ出来るという言う訳でも無いがさりとて愚鈍と言う訳でも無い。しかし陰で彼女は『魔性の女』と噂されるようになって――― 生まれてこのかた四半世紀モテた事が無い、男性と付き合ったのも高一の二週間だけ―――という彼女にモテ期が来た、とか来ないとかそんなお話 ※2018.1.27~別作として掲載していたこのお話の前日譚『太っちょのポンちゃん』も合わせて収録しました。 ※本編は全年齢対象ですが『平凡~』後日談以降はR15指定内容が含まれております。 ※なろうにも掲載中ですが、なろう版と少し表現を変更しています(変更のある話は★表示とします)

完)嫁いだつもりでしたがメイドに間違われています

オリハルコン陸
恋愛
嫁いだはずなのに、格好のせいか本気でメイドと勘違いされた貧乏令嬢。そのままうっかりメイドとして馴染んで、その生活を楽しみ始めてしまいます。 ◇◇◇◇◇◇◇ 「オマケのようでオマケじゃない〜」では、本編の小話や後日談というかたちでまだ語られてない部分を補完しています。 14回恋愛大賞奨励賞受賞しました! これも読んでくださったり投票してくださった皆様のおかげです。 ありがとうございました! ざっくりと見直し終わりました。完璧じゃないけど、とりあえずこれで。 この後本格的に手直し予定。(多分時間がかかります)

【完結】公女が死んだ、その後のこと

杜野秋人
恋愛
【第17回恋愛小説大賞 奨励賞受賞しました!】 「お母様……」 冷たく薄暗く、不潔で不快な地下の罪人牢で、彼女は独り、亡き母に語りかける。その掌の中には、ひと粒の小さな白い錠剤。 古ぼけた簡易寝台に座り、彼女はそのままゆっくりと、覚悟を決めたように横たわる。 「言いつけを、守ります」 最期にそう呟いて、彼女は震える手で錠剤を口に含み、そのまま飲み下した。 こうして、第二王子ボアネルジェスの婚約者でありカストリア公爵家の次期女公爵でもある公女オフィーリアは、獄中にて自ら命を断った。 そして彼女の死後、その影響はマケダニア王国の王宮内外の至るところで噴出した。 「ええい、公務が回らん!オフィーリアは何をやっている!?」 「殿下は何を仰せか!すでに公女は儚くなられたでしょうが!」 「くっ……、な、ならば蘇生させ」 「あれから何日経つとお思いで!?お気は確かか!」 「何故だ!何故この私が裁かれねばならん!」 「そうよ!お父様も私も何も悪くないわ!悪いのは全部お義姉さまよ!」 「…………申し開きがあるのなら、今ここではなく取り調べと裁判の場で存分に申すがよいわ。⸺連れて行け」 「まっ、待て!話を」 「嫌ぁ〜!」 「今さら何しに戻ってきたかね先々代様。わしらはもう、公女さま以外にお仕えする気も従う気もないんじゃがな?」 「なっ……貴様!領主たる儂の言うことが聞けんと」 「領主だったのは亡くなった女公さまとその娘の公女さまじゃ。あの方らはあんたと違って、わしら領民を第一に考えて下さった。あんたと違ってな!」 「くっ……!」 「なっ、譲位せよだと!?」 「本国の決定にございます。これ以上の混迷は連邦友邦にまで悪影響を与えかねないと。⸺潔く観念なさいませ。さあ、ご署名を」 「おのれ、謀りおったか!」 「…………父上が悪いのですよ。あの時止めてさえいれば、彼女は死なずに済んだのに」 ◆人が亡くなる描写、及びベッドシーンがあるのでR15で。生々しい表現は避けています。 ◆公女が亡くなってからが本番。なので最初の方、恋愛要素はほぼありません。最後はちゃんとジャンル:恋愛です。 ◆ドアマットヒロインを書こうとしたはずが。どうしてこうなった? ◆作中の演出として自死のシーンがありますが、決して推奨し助長するものではありません。早まっちゃう前に然るべき窓口に一言相談を。 ◆作者の作品は特に断りなき場合、基本的に同一の世界観に基づいています。が、他作品とリンクする予定は特にありません。本作単品でお楽しみ頂けます。 ◆この作品は小説家になろうでも公開します。 ◆24/2/17、HOTランキング女性向け1位!?1位は初ですありがとうございます!

婚約者に見殺しにされた愚かな傀儡令嬢、時を逆行する

蓮恭
恋愛
 父親が自分を呼ぶ声が聞こえたその刹那、熱いものが全身を巡ったような、そんな感覚に陥った令嬢レティシアは、短く唸って冷たい石造りの床へと平伏した。  視界は徐々に赤く染まり、せっかく身を挺して庇った侯爵も、次の瞬間にはリュシアンによって屠られるのを見た。 「リュシ……アン……さ、ま」  せめて愛するリュシアンへと手を伸ばそうとするが、無情にも嘲笑を浮かべた女騎士イリナによって叩き落とされる。 「安心して死になさい。愚かな傀儡令嬢レティシア。これから殿下の事は私がお支えするから心配いらなくてよ」  お願い、最後に一目だけ、リュシアンの表情が見たいとレティシアは願った。  けれどそれは自分を見下ろすイリナによって阻まれる。しかし自分がこうなってもリュシアンが駆け寄ってくる気配すらない事から、本当に嫌われていたのだと実感し、痛みと悲しみで次々に涙を零した。    両親から「愚かであれ、傀儡として役立て」と育てられた侯爵令嬢レティシアは、徐々に最愛の婚約者、皇太子リュシアンの愛を失っていく。  民の信頼を失いつつある帝国の改革のため立ち上がった皇太子は、女騎士イリナと共に謀反を起こした。  その時レティシアはイリナによって刺殺される。  悲しみに包まれたレティシアは何らかの力によって時を越え、まだリュシアンと仲が良かった幼い頃に逆行し、やり直しの機会を与えられる。  二度目の人生では傀儡令嬢であったレティシアがどのように生きていくのか?  婚約者リュシアンとの仲は?  二度目の人生で出会う人物達との交流でレティシアが得たものとは……? ※逆行、回帰、婚約破棄、悪役令嬢、やり直し、愛人、暴力的な描写、死産、シリアス、の要素があります。  ヒーローについて……読者様からの感想を見ていただくと分かる通り、完璧なヒーローをお求めの方にはかなりヤキモキさせてしまうと思います。  どこか人間味があって、空回りしたり、過ちも犯す、そんなヒーローを支えていく不憫で健気なヒロインを応援していただければ、作者としては嬉しい限りです。  必ずヒロインにとってハッピーエンドになるよう書き切る予定ですので、宜しければどうか最後までお付き合いくださいませ。      

実家を追放された名家の三女は、薬師を目指します。~草を食べて生き残り、聖女になって実家を潰す~

juice
ファンタジー
過去に名家を誇った辺境貴族の生まれで貴族の三女として生まれたミラ。 しかし、才能に嫉妬した兄や姉に虐げられて、ついに家を追い出されてしまった。 彼女は森で草を食べて生き抜き、その時に食べた草がただの草ではなく、ポーションの原料だった。そうとは知らず高級な薬草を食べまくった結果、体にも異変が……。 知らないうちに高価な材料を集めていたことから、冒険者兼薬師見習いを始めるミラ。 新しい街で新しい生活を始めることになるのだが――。 新生活の中で、兄姉たちの嘘が次々と暴かれることに。 そして、聖女にまつわる、実家の兄姉が隠したとんでもない事実を知ることになる。

処理中です...