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第一章 婚約破棄と国外追放の…ざまぁ
第二話 妹にざまぁを差し上げますわ!
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謁見の間を出た私は廊下を歩いていると、すぐに扉が開いてルーナリアが追い掛けて来た。
「お姉様、お待ち下さい!」
「これから国外追放された身なので屋敷に帰って準備をしなければなりませんので、用があるのならお早めにどうぞ。」
「ドミニオン殿下に言ってお姉様の国外追放を取り消してもらう様に宣言します!」
「結構です! 私は処刑されるくらいなら国外追放の方がまだ良いので…」
まぁ、ルーナリアが来た理由は大体わかる。
ルーナリアは私の部屋から未完成の下級ポーション+とポーション作成のレポートを持ち出しただけで、ポーション作りなんて一切して来なかったから私が居なくなるとポーションの供給が無くなるのを恐れているのでしょう。
まぁ、最も…ルーナリアも私がポーションを作成している時に部屋に出入りしていたけど、その時の作り方は薬草を壺で煮出している過程しか見ていないし、途中で飽きて最後まで見ていないから最後の完成の一手間を見ていないからどうやって完成するかは分からないはず?
レポートにも完成の一手間は記入していないしね。
最後の一手間を知らないとポーションは完成しないし、ただの薬草を煮詰めた濁った液体になるだけで、澄んだ青色にはならない。
そして未完成の下級ポーション+に関しては、少し青紫色になっていたんだけど…あれは赤色の液体を加えただけで、効果自体は下級ポーションより少し効果がある程度だった。
「お姉様は分かっているんですか? 国外追放されて外に出たら恐ろしい魔物に襲われるかもしれないんですよ‼︎」
「それでもこの国に留まる事に比べたら全然マシよ。 今頃謁見の間ではルーナリアがポーションの真の開発者と発表する為に大忙しだろうし、私はその発表をされる前に国外に出るからね。」
「私は何でも持っているお姉様が羨ましくて…」
「はいはい、さっきから好き放題言っているけど…謝罪の言葉もないし、真実を話す気もないみたいね? 用がそれだけなら時間が惜しいからさっさと行きたいんだけど…良いかな?」
私は再び歩き出すとルーナリアが前を塞いで来た。
「まだ何か?」
「お姉様のポーションは私でも作れる事をお見せすれば、お姉様の悔しがる顔が…」
「見れないわよ?」
「え?」
「だって…ルーナリアは私がポーションを作っている所を最後まで見ていなかったでしょう?」
「でも薬草を壺で煮出して行けば…」
「それだと単に薬草を煮ただけのただのお湯になるだけよ。」
「でもお姉様のポーション作成の紙を見れば…」
「あれには作り方の工程は書いてあるけど、完成させる為の工程は記入してないから。」
ポーションの完成にはこの世界で恐らく私にしか出来ない方法が必須条件になっている。
じゃなければ、ポーション作製がこの国だけのものという事にはならないからね。
「青紫色のポーションには、普通のポーションよりも多くの事が書いてあったから、それをやって行けば…」
「何になるんだろうねぇ? あれにはただ単に思い付いた事を書き殴っていただけだから、少なくとも薬品になることはまず無いわよ。」
「よく分からなかったけど…難しい薬草の名前が書かれていたのに?」
「あれは庭に生えているただの雑草をそれっぽい名前にして記入しただけよ? ポーション作成の段階で庭に生えていた雑草を煮詰めた事があったけど、結局何の薬効も得られなかったし…」
ルーナリアの表情が面白いくらいに青くなって行った。
「私が悪かったです! だからお姉様、助けて下さい‼︎」
「別に謝らなくても良いわよ? だって私がポーションを作っていたのは両親からの暴力から逃れる為にやっていただけだし、その功績で第三王子との婚約まで漕ぎ着けてはみたものの…あんな見た目だけ良くて中身はすっからかんの男と結婚する羽目にならなくて良かったと思っているわ。 その辺はルーナリアに感謝してるわ。」
第三王子との婚約が決まったと両親から告げられた時は、あまり乗り気ではなかったけど、この屋敷の生活から解放されると喜んだのよね。
まぁ、その婚約者がアレだったから婚約破棄されても全然ショックを受けなかったんだけど。
「私の事を…家族を見捨てるというの⁉︎」
「貴女が最初に私の事を陥れたのが発端でしょう?」
それだけ言うと私は泣き崩れ落ちたルーナリアの脇を通って屋敷に向かって行った。
そして屋敷に着くと案の定の展開になっているんだけど…?
両親にも…ざまぁを差し上げますわ。
「お姉様、お待ち下さい!」
「これから国外追放された身なので屋敷に帰って準備をしなければなりませんので、用があるのならお早めにどうぞ。」
「ドミニオン殿下に言ってお姉様の国外追放を取り消してもらう様に宣言します!」
「結構です! 私は処刑されるくらいなら国外追放の方がまだ良いので…」
まぁ、ルーナリアが来た理由は大体わかる。
ルーナリアは私の部屋から未完成の下級ポーション+とポーション作成のレポートを持ち出しただけで、ポーション作りなんて一切して来なかったから私が居なくなるとポーションの供給が無くなるのを恐れているのでしょう。
まぁ、最も…ルーナリアも私がポーションを作成している時に部屋に出入りしていたけど、その時の作り方は薬草を壺で煮出している過程しか見ていないし、途中で飽きて最後まで見ていないから最後の完成の一手間を見ていないからどうやって完成するかは分からないはず?
レポートにも完成の一手間は記入していないしね。
最後の一手間を知らないとポーションは完成しないし、ただの薬草を煮詰めた濁った液体になるだけで、澄んだ青色にはならない。
そして未完成の下級ポーション+に関しては、少し青紫色になっていたんだけど…あれは赤色の液体を加えただけで、効果自体は下級ポーションより少し効果がある程度だった。
「お姉様は分かっているんですか? 国外追放されて外に出たら恐ろしい魔物に襲われるかもしれないんですよ‼︎」
「それでもこの国に留まる事に比べたら全然マシよ。 今頃謁見の間ではルーナリアがポーションの真の開発者と発表する為に大忙しだろうし、私はその発表をされる前に国外に出るからね。」
「私は何でも持っているお姉様が羨ましくて…」
「はいはい、さっきから好き放題言っているけど…謝罪の言葉もないし、真実を話す気もないみたいね? 用がそれだけなら時間が惜しいからさっさと行きたいんだけど…良いかな?」
私は再び歩き出すとルーナリアが前を塞いで来た。
「まだ何か?」
「お姉様のポーションは私でも作れる事をお見せすれば、お姉様の悔しがる顔が…」
「見れないわよ?」
「え?」
「だって…ルーナリアは私がポーションを作っている所を最後まで見ていなかったでしょう?」
「でも薬草を壺で煮出して行けば…」
「それだと単に薬草を煮ただけのただのお湯になるだけよ。」
「でもお姉様のポーション作成の紙を見れば…」
「あれには作り方の工程は書いてあるけど、完成させる為の工程は記入してないから。」
ポーションの完成にはこの世界で恐らく私にしか出来ない方法が必須条件になっている。
じゃなければ、ポーション作製がこの国だけのものという事にはならないからね。
「青紫色のポーションには、普通のポーションよりも多くの事が書いてあったから、それをやって行けば…」
「何になるんだろうねぇ? あれにはただ単に思い付いた事を書き殴っていただけだから、少なくとも薬品になることはまず無いわよ。」
「よく分からなかったけど…難しい薬草の名前が書かれていたのに?」
「あれは庭に生えているただの雑草をそれっぽい名前にして記入しただけよ? ポーション作成の段階で庭に生えていた雑草を煮詰めた事があったけど、結局何の薬効も得られなかったし…」
ルーナリアの表情が面白いくらいに青くなって行った。
「私が悪かったです! だからお姉様、助けて下さい‼︎」
「別に謝らなくても良いわよ? だって私がポーションを作っていたのは両親からの暴力から逃れる為にやっていただけだし、その功績で第三王子との婚約まで漕ぎ着けてはみたものの…あんな見た目だけ良くて中身はすっからかんの男と結婚する羽目にならなくて良かったと思っているわ。 その辺はルーナリアに感謝してるわ。」
第三王子との婚約が決まったと両親から告げられた時は、あまり乗り気ではなかったけど、この屋敷の生活から解放されると喜んだのよね。
まぁ、その婚約者がアレだったから婚約破棄されても全然ショックを受けなかったんだけど。
「私の事を…家族を見捨てるというの⁉︎」
「貴女が最初に私の事を陥れたのが発端でしょう?」
それだけ言うと私は泣き崩れ落ちたルーナリアの脇を通って屋敷に向かって行った。
そして屋敷に着くと案の定の展開になっているんだけど…?
両親にも…ざまぁを差し上げますわ。
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