上 下
75 / 93
最終章 異世界召喚が8回目って…マジかコレ⁉︎

第二話 途方もない作業・後編

しおりを挟む
 24日目…
 掘りまくって山の様になった鉄鉱石を片っ端から溶かしていくと…ふと気付いた点があった。
 グヴェリオンからの手紙で、経験値は魔物から出なくても貰えるという話を思い出した。
 ただ…ギルドカードが無いので、スキルやレベルを確認する方法が無いと思っていた。
 …が、その為の対策もあの神なら考えている筈。
 試しにステータスオープンと叫んでみると、目の前に透明な板が表示されていた。
 そこに書かれているレベルやスキルを見てみると?
 
 レベル1・ステースタ表示
 レベル2・採掘師の加護
 レベル3・採集師の加護
 レベル4・調理師の加護
 レベル5・彫金師の加護
 レベル6・裁縫師の加護
 レベル7・鍛冶師の加護
 レベル8・木工師の加護
 レベル9・調理師の加護
 レベル10…

 …という感じで、現在のレベルは13だった。
 加護が与えられるのは大変素晴らしい…が、魔法の類が一切覚えていなかった。
 まぁ、加護のお陰で…鉄鉱石が割と早く溶けだすという事になっていた。
 それは非常にありがたい!
 どういう感じで経験値が取得出来て、レベルが上がるかはまだ分かってはいなかったが…まぁ、その内に気付くだろう。
 この日はスキルを確認しながら道具のストックを作りだして終了した。

 25日目…
 いい加減、肉が喰いたい!
 だけどこの島には、野生動物が1匹もいない。
 大陸に渡るまで肉はお預けか!
 …と考えている時に、いい加減大陸に渡る方法を考えないといけない事に気付いた。
 
 「船か飛行できる物…なのだが?」

 この無人島から遠くを見渡していても、島影らしきものは一切見えない。
 本当に大陸があるのかと疑わしくなる。
 俺は何故そんな事を知っているのか…話は初日に戻る。

 俺がこの無人島に着いた時、神から手紙が降って来た。
 その内容にはとんでもない様が書かれていた。

 1.この世界はグヴェリオンが管理する惑星だった。
 2.今回は異世界召喚ではなく、異世界転移なので怒られる筋合いはないとか書いてあった。
 3.この世界の魔王軍は、世界の半分以上を支配していて…侵攻のリミットは10年弱だろうという話だった。
 4.この世界の魔王は、過去の7つの世界の魔王より遥かに強いという話だった。
 5.俺がいる場所は、世界の果てにあると言われる程に大陸からかなり離れた場所にある島だった。
 6.この無人島には、生物が存在していなくて…食料は木の実や海の魚を捕まえろという話だった。
 7.レベルが1になり、魔物と戦う以外に何かを作りだしたりすることで経験値が入手出来るという物らしい。
 ………と、ここまでは良い。
 問題はこの後だった⁉

 8.この世界の1年は、地球では12年過ぎるという話だった。
 つまり…この世界で7年も居たりすると、地球に帰っても俺を知る者が誰も生きていない可能性があった。
 そして1か月が経というとしているので、話が本当なら地球では1年が経過するという事だった。
 俺が真剣に事に及んでいる理由が解ったか?

 「レベルが1に戻された状態で、この世界の魔王は過去の7つの世界の魔王より強いって…どんだけレベルを上げないと勝てないのだろうか?」

 本当にグヴェリオンの奴、俺で遊んでいるんじゃないだろうな?
 奴が管理する世界で、何故レベル1に戻す必要があるのか?
 しかも過去の7つの世界の魔王より遥かに強いって…何年掛かるんだよ⁉
 俺には一応目標がある。
 7年過ぎてもこの世界にいるのなら…命を絶とうという事だ。
 単純に考えて、戻った所で誰も生きてはいないだろうからだ。
 
 さて、話は最初の問題に戻る。
 空から行くか、船で行くかになるのだが…?
 仮に船で行くにしたって、最低でもヨットくらいの大きさを作らないといけない。
 帆を張って風を掴めれば、ヨットの方が気動力はある。
 ただ、航海にどれだけ掛かるのかが問題にはなる。
 ヨットだと積載量が決まっていて、持って行ける食料も限界があるからだ。
 理想とすれば、最低でもクルーザーくらいの大きな船が欲しい所だが…動力が無い。
 ふと頭によぎったのは蒸気船の様な物を想像したのだが…船を作るだけでどれ位掛かるのか解らないのに、動力を作っている暇なんてない。
 
 仮に空を選ぶにしたって…気球でも作れれば問題は無いだろうが?
 馬鹿みたいに布を使う。
 この無人島には麻はある…が、気球の大きさの布を作りだすまでに数年は掛かるだろう。
 魔法が使えれば問題が無いのだが、使えないのモノを考えても意味がないのでこの際は無視。
 ハンググライダーみたいな物ならと考えてもみたが、大陸までの距離が解らないと…墜落したら海の魔物の餌になる。
 それ以前に、そこまで高い山が無いのでグライダーの案は無理だった。

 「それにしても、魔法の類はいつ使えるんだろうか? せめて収納魔法とか使えてくれると嬉しいんだがな。」
 
 まぁ、それよりも今は海路で行く方法をとる事にして…まずはヨット作りからだな。
 設計図を書きたい所だが、紙が無い。
 紙を作っても良いが…いや、地面に描くか。
 紙を作る時間を考えると、先に進めた方が遥かに良いからだった。

 「ただなぁ…マストが問題なんだよな。 帆が3枚必要だからな。」

 気球程ではないが、ヨットの帆もかなりの布が必要になる。
 俺は考えると頭が痛くなっていた。
しおりを挟む
感想 82

あなたにおすすめの小説

幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つ物なのかな?

アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚。 ネット小説や歴史の英雄話好きの高校生の洲河 慱(すが だん) いつものように幼馴染達と学校帰りに公園で雑談していると突然魔法陣が現れて光に包まれて… 幼馴染達と一緒に救世主召喚でテルシア王国に召喚され、幼馴染達は素晴らしいジョブとスキルを手に入れたのに僕のは何だこれ? 王宮からはハズレと言われて追い出されそうになるが、幼馴染達は庇ってくれた。 だけど、夢にみた迄の異世界… 慱は幼馴染達とは別に行動する事にした。 自分のスキルを駆使して冒険する、魔物と魔法が存在する異世界ファンタジー。 現在書籍化されている… 「魔境育ちの全能冒険者は好き勝手に生きる!〜追い出した癖クセに戻って来いだと?そんなの知るか‼︎〜」 の100年前の物語です。 リュカが憧れる英雄ダン・スーガーの物語。 そして、コミカライズ内で登場する「僕スキなのか…」がこの作品です。 その作品の【改訂版】です。 全く同じな部分もあれば、新たなストーリーも追加されています。 今回のHOTランキングでは最高5位かな? 応援有り難う御座います。

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

箱庭から始まる俺の地獄(ヘル) ~今日から地獄生物の飼育員ってマジっすか!?~

白那 又太
ファンタジー
とあるアパートの一室に住む安楽 喜一郎は仕事に忙殺されるあまり、癒しを求めてペットを購入した。ところがそのペットの様子がどうもおかしい。 日々成長していくペットに少し違和感を感じながらも(比較的)平和な毎日を過ごしていた喜一郎。 ところがある日その平和は地獄からの使者、魔王デボラ様によって粉々に打ち砕かれるのであった。 目指すは地獄の楽園ってなんじゃそりゃ! 大したスキルも無い! チートも無い! あるのは理不尽と不条理だけ! 箱庭から始まる俺の地獄(ヘル)どうぞお楽しみください。 【本作は小説家になろう様、カクヨム様でも同時更新中です】

独自ダンジョン攻略

sasina
ファンタジー
 世界中に突如、ダンジョンと呼ばれる地下空間が現れた。  佐々木 光輝はダンジョンとは知らずに入ってしまった洞窟で、木の宝箱を見つける。  その宝箱には、スクロールが一つ入っていて、スキル【鑑定Ⅰ】を手に入れ、この洞窟がダンジョンだと知るが、誰にも教えず独自の考えで個人ダンジョンにして一人ダンジョン攻略に始める。   なろうにも掲載中

ダンジョン菌にまみれた、様々なクエストが提示されるこの現実世界で、【クエスト簡略化】スキルを手にした俺は最強のスレイヤーを目指す

名無し
ファンタジー
 ダンジョン菌が人間や物をダンジョン化させてしまう世界。ワクチンを打てば誰もがスレイヤーになる権利を与えられ、強化用のクエストを受けられるようになる。  しかし、ワクチン接種で稀に発生する、最初から能力の高いエリート種でなければクエストの攻略は難しく、一般人の佐嶋康介はスレイヤーになることを諦めていたが、仕事の帰りにコンビニエンスストアに立ち寄ったことで運命が変わることになる。

見習い女神のお手伝いっ!-後払いの報酬だと思っていたチート転生が実は前払いでした-

三石アトラ
ファンタジー
ゲーム制作が趣味のサラリーマン水瀬悠久(みなせ ゆうき)は飛行機事故に巻き込まれて死んでしまい、天界で女神から転生を告げられる。 悠久はチートを要求するが、女神からの返答は 「ねえあなた……私の手伝いをしなさい」 見習い女神と判明したヴェルサロアを一人前の女神にするための手伝いを終え、やっとの思いで狐獣人のユリスとして転生したと思っていた悠久はそこでまだまだ手伝いが終わっていない事を知らされる。 しかも手伝わないと世界が滅びる上に見習いへ逆戻り!? 手伝い継続を了承したユリスはチートを駆使して新たな人生を満喫しながらもヴェルサロアを一人前にするために、そして世界を存続させるために様々な問題に立ち向かって行くのであった。 ※『小説家になろう』様、『カクヨム』様でも連載中です。

レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)

荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」 俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」 ハーデス 「では……」 俺 「だが断る!」 ハーデス 「むっ、今何と?」 俺 「断ると言ったんだ」 ハーデス 「なぜだ?」 俺 「……俺のレベルだ」 ハーデス 「……は?」 俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」 ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」 俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」 ハーデス 「……正気……なのか?」 俺 「もちろん」 異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。 たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!

百花繚乱 〜国の姫から極秘任務を受けた俺のスキルの行くところ〜

幻月日
ファンタジー
ーー時は魔物時代。 魔王を頂点とする闇の群勢が世界中に蔓延る中、勇者という職業は人々にとって希望の光だった。 そんな勇者の一人であるシンは、逃れ行き着いた村で村人たちに魔物を差し向けた勇者だと勘違いされてしまい、滞在中の兵団によってシーラ王国へ送られてしまった。 「勇者、シン。あなたには魔王の城に眠る秘宝、それを盗み出して来て欲しいのです」 唐突にアリス王女に突きつけられたのは、自分のようなランクの勇者に与えられる任務ではなかった。レベル50台の魔物をようやく倒せる勇者にとって、レベル100台がいる魔王の城は未知の領域。 「ーー王女が頼む、その任務。俺が引き受ける」 シンの持つスキルが頼りだと言うアリス王女。快く引き受けたわけではなかったが、シンはアリス王女の頼みを引き受けることになり、魔王の城へ旅立つ。 これは魔物が世界に溢れる時代、シーラ王国の姫に頼まれたのをきっかけに魔王の城を目指す勇者の物語。

処理中です...