幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は魔王から力を授かり人類に対して牙を剥く！

第一章

第四話 国王の依頼（遂に…）

　僕は騎士に牢屋から出されて、騎士に玉座の間に連れて来られた。
　そこには、玉座に座っている国王陛下とその傍に宮廷魔術師のテルセラ、反対側にアルカディア王女、僕の傍に翔也達がいた。

　『聖女・華奈からの進言でな…慱殿を魔王討伐の旅に同行させるという話が出ておるのだが、お主はそれを望むか？　望まぬのなら魔王が討伐される迄の間は城で匿うが如何する？』
　「同行を許して戴けるのであれば、それに賛同したいですね。　魔王を討伐される迄に何年掛かるか分かりませんし、それに城で匿うと言われても牢屋の中ですよね？」
　『無論だ！　慱殿の存在は、城の者達には既に知れ渡っておる。　ジョブもスキルも持たない無能が城を出歩いていたら、何かしらの危害を加えてくる者もおるかも知れんからな…』
　「牢屋から出られないのであれば当然、旅に同行する事を選びますよ。」

　当たり前だ、罪人というわけでも無いのに牢屋に入れられて生活するなんて出来るか！
　それなら、旅に同行して皆の手助けをしていた方がマシだ。
　そう思って国王陛下を見ると、口元が微かに笑っていた。

　『ならば、慱殿の同行が見事果たせるかどうか…試練を与える！　その試練に見事果たした場合、慱殿を勇者パーティの同行を認めよう。　出来なければ、同行の話は無しだ！　足手まといを匿いながらでは、旅に悪影響を与えるからな！』
　「わかりました、試練の内容をお聞かせ下さい。　見事試練を果たし、自分を証明したいと思います！」

　国王陛下はニヤリと笑って翔也を見て頷いた。
　翔也も小さく頷いた。

　『これから指定する場所に、魔王の配下の魔物がいるので…それの動向を調査して欲しいのだ！　危険な調査にはなると思うが、この程度の危険を掻い潜れなければ、魔王の討伐など出来るわけ無いからな…』
　「わかりました、行って参ります！」

　僕はそう言うと、華奈と賢斗に迎えられて意気込んだ。
　翔也と飛鳥は物静かだったのが少し気になったのだが、前衛の２人は前を歩かないと行けないから緊張をしているのだと…この時は思っていた。
　翔也は飛鳥に小さく頷いて見せると、飛鳥も小さく頷いた。
　そして僕達は玉座の間から出ようとした時に、国王陛下は翔也だけ留まる様に命じた。

　「皆は先に行って準備をしていてくれ、国王との話が終わり次第合流するから、城門の前で待っていてくれよ！」
　
　翔也にそう言われて部屋を後にしようとした時に、国王陛下が翔也に何かを渡している様な感じだった。
　僕は気にも止めずに、準備の為に倉庫に行った。
　そして倉庫で一通りの装備を準備すると、皆で城門の前に行き、翔也を待った。

　「悪りぃ、待たせたな！」
　「翔也…さっき国王陛下から何か渡されてなかったか？」
　「あぁ、国王陛下が慱にこれを渡してくれと頼まれたんだ。　お前は武器が少しでも皆より性能が高くないと危ないからと言ってな…」

　翔也は僕に、緑色の刀身の綺麗な剣を渡してくれた。
　翔也が言うには、性能の高いミスリル製の剣という話なのだが…？
　僕には、性能が高いと言われてもピンと来なくて、何処か頼りなく感じる剣だった。
　だが、翔也が僕を思って渡してくれた剣だったので、腰の剣を近くにいた兵士に渡して翔也の剣を装備した。

　そして、僕達は魔王の配下の魔物がいるという…深い森の指定された位置を目指していた。
　その場所で僕は翔也に………⁉︎
　
　まさか、こんな事になるなんて夢にも思わなかった。