3 / 33
プロローグ
異世界召喚
しおりを挟む
「慱、早くしろよ~!」
「待ってくれよ、翔也!」
僕の名前は、洲河 慱。
僕は昼休みやったゲームに敗北して、罰ゲームで幼馴染達全員分の菓子と飲み物を買いに行かされていた。
ちなみに幼馴染達とは、咲良井 翔也、聖奈月 華奈、夏奈星 賢斗、紅蓮院 飛鳥だ。
「これは翔也で、これは華奈ので、この2つは賢斗と飛鳥だね?」
「慱、お金は大丈夫?」
「これ位なら問題ないよ、今月は少し余裕があるから…」
「慱もバイトはわかるけど、少し減らしたら?」
僕は生活費を稼ぐ為に複数のバイトを掛け持ちしていた。
理由は…8年前に両親と妹を交通事故で亡くし、両親が駆け落ち婚だったので親戚を頼る事も出来ないからである。
「今日もこれからバイトか?」
「いや、今日は休みを貰った。 毎年の事だけど、この時期は身体に過剰に痛みがあってね…」
慱は子供の頃に幼馴染達を助ける為に、狼の群れに立ち向かったが数の多さに途中に倒れて身体中に酷い怪我を負った。
後遺症で今でも左手の薬指と小指が痺れて痛むのと、身体中の筋肉が痛むらしいのだ。
その為に、慱は夏場でも長袖なのだ。
「それにしても、翔也と賢斗は相変わらずモテるねぇ…」
「いきなりなんだ? まぁ、下級生が少し騒いでいる程度だよ。」
「僕は別にモテる訳じゃないさ…」
翔也は華奈を横目で見て、賢斗は満更でもない顔をしている。
その賢斗の様子を面白くなさそうに飛鳥が見ていた。
「僕も人並みにはモテたいけどね…運動は、身体に負担が掛かるから活躍は出来ないし、勉強だって賢斗には敵わない。」
「慱の場合は身体が満足に動くのなら、俺にも引けは取らないさ。」
「小学校までは、僕の方が慱より下だったんだから…」
慱は野犬に襲われた以来、身体を酷使する様な動きは出来なくなった。
バイトでは、そこまでの事を要求されないので普通に動く分なら大丈夫なのだが…?
それに、野犬事件以降…慱の知能は平均より若干低い。
事件後のショックにより、記憶が欠損している様な状態なのだ。
「まだ時間はあるけど、ごめん! 体が痛み出したから、家に帰って薬を飲みたい。」
慱は立ち上がろうとしたが、足に力が入らずによろけそうになった。
それを華奈が支えてくれた。
「私が慱の家まで付き添ってあげるわ!」
「駄目だよ華奈、君の帰りが遅くなる…」
「大丈夫! ついでに夕食も作ってあげるから!」
僕は翔也と賢斗を見てアイコンタクトを送った。
2人は頷くと、華奈と交代して体を支えてくれた。
「いや、慱は俺達が送って行くよ。 華奈と飛鳥は先に帰って良いよ!」
「そうそう、これくらいは僕達にさせてくれよ! な、慱!」
僕は小声で2人にお礼を言った。
今の体の状態で、華奈の料理を食べたら余計に悪化しそうだったからだ。
翔也も賢斗も華奈の料理を味わっているので、それから逃げる為の行動なのだ。
「それなら仕方ないわね…ちゃんと送ったら、2人共すぐに帰るのよ。」
「「「はぁ~」」」
翔也に肩を借りて、賢斗は鞄を持ってくれた。
その場を離れようとすると、地面に魔法陣が現れた。
魔法陣が光りだすと、光に包まれて…?
目を開けると、窓のないレンガの様な部屋にいた。
「救世主様方、ようこそいらっしゃいました!」
白い法衣を着た女性は、待ち焦がれた様な声で言った。
幼馴染達は何が起こったのか何も把握出来ないでいたが、慱だけは周りを見ながら言った。
「これって、異世界召喚…なのかな?」
「待ってくれよ、翔也!」
僕の名前は、洲河 慱。
僕は昼休みやったゲームに敗北して、罰ゲームで幼馴染達全員分の菓子と飲み物を買いに行かされていた。
ちなみに幼馴染達とは、咲良井 翔也、聖奈月 華奈、夏奈星 賢斗、紅蓮院 飛鳥だ。
「これは翔也で、これは華奈ので、この2つは賢斗と飛鳥だね?」
「慱、お金は大丈夫?」
「これ位なら問題ないよ、今月は少し余裕があるから…」
「慱もバイトはわかるけど、少し減らしたら?」
僕は生活費を稼ぐ為に複数のバイトを掛け持ちしていた。
理由は…8年前に両親と妹を交通事故で亡くし、両親が駆け落ち婚だったので親戚を頼る事も出来ないからである。
「今日もこれからバイトか?」
「いや、今日は休みを貰った。 毎年の事だけど、この時期は身体に過剰に痛みがあってね…」
慱は子供の頃に幼馴染達を助ける為に、狼の群れに立ち向かったが数の多さに途中に倒れて身体中に酷い怪我を負った。
後遺症で今でも左手の薬指と小指が痺れて痛むのと、身体中の筋肉が痛むらしいのだ。
その為に、慱は夏場でも長袖なのだ。
「それにしても、翔也と賢斗は相変わらずモテるねぇ…」
「いきなりなんだ? まぁ、下級生が少し騒いでいる程度だよ。」
「僕は別にモテる訳じゃないさ…」
翔也は華奈を横目で見て、賢斗は満更でもない顔をしている。
その賢斗の様子を面白くなさそうに飛鳥が見ていた。
「僕も人並みにはモテたいけどね…運動は、身体に負担が掛かるから活躍は出来ないし、勉強だって賢斗には敵わない。」
「慱の場合は身体が満足に動くのなら、俺にも引けは取らないさ。」
「小学校までは、僕の方が慱より下だったんだから…」
慱は野犬に襲われた以来、身体を酷使する様な動きは出来なくなった。
バイトでは、そこまでの事を要求されないので普通に動く分なら大丈夫なのだが…?
それに、野犬事件以降…慱の知能は平均より若干低い。
事件後のショックにより、記憶が欠損している様な状態なのだ。
「まだ時間はあるけど、ごめん! 体が痛み出したから、家に帰って薬を飲みたい。」
慱は立ち上がろうとしたが、足に力が入らずによろけそうになった。
それを華奈が支えてくれた。
「私が慱の家まで付き添ってあげるわ!」
「駄目だよ華奈、君の帰りが遅くなる…」
「大丈夫! ついでに夕食も作ってあげるから!」
僕は翔也と賢斗を見てアイコンタクトを送った。
2人は頷くと、華奈と交代して体を支えてくれた。
「いや、慱は俺達が送って行くよ。 華奈と飛鳥は先に帰って良いよ!」
「そうそう、これくらいは僕達にさせてくれよ! な、慱!」
僕は小声で2人にお礼を言った。
今の体の状態で、華奈の料理を食べたら余計に悪化しそうだったからだ。
翔也も賢斗も華奈の料理を味わっているので、それから逃げる為の行動なのだ。
「それなら仕方ないわね…ちゃんと送ったら、2人共すぐに帰るのよ。」
「「「はぁ~」」」
翔也に肩を借りて、賢斗は鞄を持ってくれた。
その場を離れようとすると、地面に魔法陣が現れた。
魔法陣が光りだすと、光に包まれて…?
目を開けると、窓のないレンガの様な部屋にいた。
「救世主様方、ようこそいらっしゃいました!」
白い法衣を着た女性は、待ち焦がれた様な声で言った。
幼馴染達は何が起こったのか何も把握出来ないでいたが、慱だけは周りを見ながら言った。
「これって、異世界召喚…なのかな?」
1
お気に入りに追加
278
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
【R18】ロザリアの秘蜜〜最愛の姉が僕だけに見せてくれるもうひとつの顔〜
夏ノ 六花
恋愛
連載中の【奈落に咲いた花】がcomico様主催の『ロマンスファンタジー漫画原作大賞』で奨励賞を受賞しました!!
受賞記念としまして、ヒーローのシリウスが愛読していた【ロザリアの秘蜜】を掲載させていただきます!
是非、【奈落に咲いた花】もよろしくお願いいたします!
〜あらすじ〜
艶やかな水色の髪に澄んだ水色の瞳を持つ美しい娘…ロザリアと、鮮やかな赤髪と輝くような金眼を持つアイバン。
性格も趣味も真逆でありながら、二人は仲の良い姉弟で有名だった。
ロザリアが六歳になった日の夜…
プレゼントを持って部屋に訪れていたアイバンからのプロポーズを、ロザリアはおままごとの延長として受け入れてしまう。
お遊びの誓いから始まった二人の秘密…
歳を重ね、二人だけの秘密が増える度に姉弟の関係はより密やかに…より淫らに変化していき…────?
【全15話、完結まで予約済、毎日更新】
★HOT女性向けで29位にランクイン!
ありがとうございます!\( ´ω` )/
★人気ランキング89位にランクイン!!(´▽`)
ただしい異世界の歩き方!
空見 大
ファンタジー
人生の内長い時間を病床の上で過ごした男、田中翔が心から望んでいたのは自由な世界。
未踏の秘境、未だ食べたことのない食べ物、感じたことのない感覚に見たことのない景色。
未だ知らないと書いて未知の世界を全身で感じることこそが翔の夢だった。
だがその願いも虚しくついにその命の終わりを迎えた翔は、神から新たな世界へと旅立つ権利を与えられる。
翔が向かった先の世界は全てが起こりうる可能性の世界。
そこには多種多様な生物や環境が存在しており、地球ではもはや全て踏破されてしまった未知が溢れかえっていた。
何者にも縛られない自由な世界を前にして、翔は夢に見た世界を生きていくのだった。
一章終了まで毎日20時台更新予定
読み方はただしい異世界(せかい)の歩き方です
転生者だか魔王だか知らんが俺の娘はオマエにはやらん
雨実 和兎
ファンタジー
気が付いたら目の前に鉄格子、何故か薄暗い牢屋の中だった。 異世界に来てしまった主人公が、使えるスキルは擬態という貧弱っぷり。 牢内の魔物に狙われながらも生き残ろうと苦戦している中、 牢内で出会う女性に恋をするのだが・・・
他に恋愛系も投稿していますので宜しければそちらもどうぞ(; ・`д・´)/
幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つ物なのかな?
アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚。
ネット小説や歴史の英雄話好きの高校生の洲河 慱(すが だん)
いつものように幼馴染達と学校帰りに公園で雑談していると突然魔法陣が現れて光に包まれて…
幼馴染達と一緒に救世主召喚でテルシア王国に召喚され、幼馴染達は素晴らしいジョブとスキルを手に入れたのに僕のは何だこれ?
王宮からはハズレと言われて追い出されそうになるが、幼馴染達は庇ってくれた。
だけど、夢にみた迄の異世界…
慱は幼馴染達とは別に行動する事にした。
自分のスキルを駆使して冒険する、魔物と魔法が存在する異世界ファンタジー。
現在書籍化されている…
「魔境育ちの全能冒険者は好き勝手に生きる!〜追い出した癖クセに戻って来いだと?そんなの知るか‼︎〜」
の100年前の物語です。
リュカが憧れる英雄ダン・スーガーの物語。
そして、コミカライズ内で登場する「僕スキなのか…」がこの作品です。
その作品の【改訂版】です。
全く同じな部分もあれば、新たなストーリーも追加されています。
今回のHOTランキングでは最高5位かな?
応援有り難う御座います。
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
勇者に闇討ちされ婚約者を寝取られた俺がざまあするまで。
飴色玉葱
ファンタジー
王都にて結成された魔王討伐隊はその任を全うした。
隊を率いたのは勇者として名を挙げたキサラギ、英雄として誉れ高いジークバルト、さらにその二人を支えるようにその婚約者や凄腕の魔法使いが名を連ねた。
だがあろうことに勇者キサラギはジークバルトを闇討ちし行方知れずとなってしまう。
そして、恐るものがいなくなった勇者はその本性を現す……。
ヒューマンテイム ~人間を奴隷化するスキルを使って、俺は王妃の体を手に入れる~
三浦裕
ファンタジー
【ヒューマンテイム】
人間を洗脳し、意のままに操るスキル。
非常に希少なスキルで、使い手は史上3人程度しか存在しない。
「ヒューマンテイムの力を使えば、俺はどんな人間だって意のままに操れる。あの美しい王妃に、ベッドで腰を振らせる事だって」
禁断のスキル【ヒューマンテイム】の力に目覚めた少年リュートは、その力を立身出世のために悪用する。
商人を操って富を得たり、
領主を操って権力を手にしたり、
貴族の女を操って、次々子を産ませたり。
リュートの最終目標は『王妃の胎に子種を仕込み、自らの子孫を王にする事』
王家に近づくためには、出世を重ねて国の英雄にまで上り詰める必要がある。
邪悪なスキルで王家乗っ取りを目指すリュートの、ダーク成り上がり譚!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる