上 下
85 / 103
第五章

第二話 参ったな…(まだ主人公は出ません。)

しおりを挟む
 「そうか、この世界の愽君は亡くなったのか…」

 この世界では、飛鳥達が召喚されてから100年経過しているという話だった。
 まぁ…大方の予想は出来ていた。
 元いた世界と異世界では、時間の流れが違うと何かの話で見た事がある。
 俺が死んでから、元いた世界では何年経過しているのだろうか?
 まぁ、気にした所で戻れないのだから別に良いか。

 「それで、向こうに戻った皆はどうしている?」
 「俺が生きていた時の記憶しかないが…慱君は華奈ちゃんと早くに結婚をしたな…子供が2人いたよ。 翔也君はしらないが、賢斗君と飛鳥は付き合っているみたいだが…結婚にはまだ発展していないな。」
 「そうか…彼らが元の世界に帰っての動向が解らないので、聞けて満足した。」
  
 この世界で数年くらい共にした者達の動向なら気になるだろう。
 会いたくても会える場所にいる訳ではないからな。
 
 「ところでガイウス、1つ聞きたいのだが?」
 「おぅ、何だ?」
 「俺も聞かれたのでつい答えていたが…こんな敵の前でする話か?」
 「別に問題無かろう? 俺もそうだが、キッドも苦戦している様には見えんぞ?」
 「そりゃな…魔王に比べたら、この程度は大した事は無い…が、後ろにいるお前の部下がへばっているぞ!」
 「この程度で音を上げる様な鍛え方はしていないつもりだったが、もう少し鍛えた方が良いかな?」

 現在、俺とガイウスの目の前には…災害級の魔獣であるベヒーモスがいる。
 ベヒーモスには何種類か存在している。
 ベヒーモスは基本、猛牛がベースの物が多いが…中には像の様なベヘモスと呼ばれる個体もいる。
 他にもカバの様ば個体もいれば、サイの様な個体もいる。
 そして見た目とは違い、全て肉食なのだ。
 …で、現在目の前にいるのは猛牛の様な個体のベヒーモスだった。

 「ガイウス、草原には他に獲物がいるだろう…何故コイツなんだ?」
 「ベヒーモスの革や尾や角は、素材として良く売れるんだ。 それ以外にも、この大きさなら集落の頭分の食料にもなるからな!」
 「つまり…俺の為か?」
 「お前が仕留めればな、俺が仕留めたら俺の物になる。」
 「なるほど…」

 俺は魔剣シーズニングにテクニカルセイバーを発動すると、ベヒーモスの側面に行ってから断頭斬で首を斬り落とし
た。
 
 「見事!」
 「お前なぁ…魔王を倒した俺らに、この程度の奴が苦戦する相手だと思うか?」
 「まぁ、それもそうだな。 おい、コイツの解体をしろ!」

 ガイウスは部下達の命じて解体をさせた。
 するとガイウスが俺に角を寄越した。

 「これを売れというのか?」
 「いや、これは冒険者ギルドに登録する際の土産だ。 これを持って行けば、高ランクで登録が出来る様になるだろう。 要らんのなら、Fランクから上げるという手もあるがな…」
 「辞めてくれ、当の2人に会うまでに何年掛かるか分からなくなるだろ!」
 「まぁ、肉はこちらで処理をする事になるが、その他の素材はお前の物だ。」
 「感謝する! これで、旅費くらいは稼げただろうしな。」

 俺はマジックバックにベヒーモスの角を入れていると、ガイウスが俺を見て首を傾げていた。

 「本当にお前は何の種族なんだろうな?」
 「少なくとも、向こうの世界では俺は普通の人間だった。 角も尻尾も生えていなかったしな。」
 「お前が前にいた世界で、【何持たぬ民】と言っていただろう…その種族の本来の姿とか?」
 
 なるほど、そう考えるとそうなのかもしれないな。
 最初は神の悪戯で勝手に生やされたと勘違いしていたが、そういう種族だという可能性もある訳か。
 俺が前にいた世界には、何持たぬ民の生き残りは俺1人という話だし、特徴が書かれていた文献も無いらしいからな。
 まぁ…それは別に良いや。
 気にした所で角や尻尾が消える訳ではないし、人類の敵…という種族でなければ大した問題は無い。
 それよりも問題は、ベヒーモスの買取金額がどの程度の物かだ。
 インフレが未発達な世界では、乗り物の金額は馬鹿高い。
 前にいた世界では英雄と名乗り、ギルドカードを見せれば大抵の乗り物はパスできたのだが…
 俺とガイウスと集落の住民達は、倒したベヒーモスを持って集落に帰った。
 すると、予想以上に早く行商人の馬車が到着していた。

 「これはガイウス様…」
 「マルザリィか、頭目は元気か?」
 「はい、ここ最近忙しくてガイウス様に宜しくと。」
 「うむ…それで今日なのだがな。」
 「その獲物からすると、ベヒーモスですか?」
 「それと、この子供をサーディリアン聖王国まで乗っけて行って欲しいのだ。」
 
 俺はマルザリィという男と目が合った。
 年齢は生前の俺と同じ30歳前後か…
 
 「この坊ちゃまをですか?」
 「それと、サーディリアン聖王国に着いたら冒険者ギルド迄の案内も頼む。」
 「この坊ちゃまは冒険者志望ですか?」
 「腕なら俺が保証する。 実は、このベヒーモスを討伐したのはそいつだからな。」
 
 マルザリィはジロジロと俺を見ていると、ガイウスは屋敷に戻ってからすぐにやって来た。

 「キッドにはこれを渡しておく。 サーディリアン聖王国に着いて冒険者ギルドに行ったら、その紹介状を受付に出すと良い。」
 「何から何まで済まんな!」
 「なぁに、気にするな! それと全てが終わったらまたここに来てくれないか?」
 「この世界の管理者という者が魔王を倒したその後すぐに元の世界に返す事が無ければ会いに来るさ。」
 
 こればかりは本当に解らん。
 未だに会えぬ管理者がどんな性格なのかが全く解らないからだ。
 魔王を倒した! 
 では、元の世界に帰れ!
 そんな事を勝手に行う奴だとも限らないし、下手すると俺の事を忘れて元の世界に帰れない場合もある。
 元いた世界の兄妹達には悪いが、この世界は俺に馴染みがある世界だからたとえ帰れなかったとしても構わない。
 会えなくなるのは寂しいけどな!
 
 「では参りましょうか、キッドさん!」
 「じゃあな、ガイウス! 世話になった!」

 俺はマルザリィの馬車に乗ると、馬車はエルヴの集落を出発した。
 サーディリアン聖王国までに1週間は掛かった。
 その途中に何度か魔物の襲撃はあったが、さすがに大きな商会の護衛だけあって手練れだった。
 だが、巨大な虎の魔獣だけは別だった。
 次々に冒険者達が怪我を負って倒れて行ったのだ。
 俺は見るに見かねてテクニカルセイバーで始末すると、マルザリィから回復ポーションを貰って怪我を治していた護衛達は目を丸くしていた。
 そしてサーディリアン聖王国に着くと、俺はマルザリィにお礼を言った。

 「キッドさん、道中は本当にありがとうございました!」
 「あの程度でお礼を言われる必要は無いよ。 俺もお礼を貰ったしな!」

 俺はロンベルタイガーの革や討伐証明の尻尾を貰った。

 「我が商会としては、キッドさんの大変素晴らしい能力も惜しい気がするのですが…」

 俺は旅の最中に料理と調味料を振舞った。
 俺は料理は絶望的だと思ったが、この世界に来て料理スキルが増えていたのだ。
 恐らくは女神アルテナの仕業なのだろう。

 「機会があったら顔を出すよ。 確かベルクドルフ商会と言ったか?」
 「左様で御座います! ではいつでもお待ちしておりますので、来られた際には是非!」
 
 俺はマルザリィと握手すると、護衛の冒険者に着いて行った。
 護衛の冒険者は、今回の護衛の依頼の報告をすると言っていたので、ついでだから着いて行ったのだった。

 「ここが冒険者ギルドになります、キッドさん!」
 「俺に敬語は不要ですよ。 皆さんの方が年上なんですから…」
 「そういう訳には参りません! うちらの業界では、強者は年が下であっても敬えと…」
 
 俺はたかが虎の魔獣を倒しただけなんだが?
 そんな物で感謝されるとは思ってはいなかった。

 「キッドさんはいずれ、名のある方になるのは間違いない! かつての英雄ダン・スーガーの様な。」
 「はは…ははは…」

 俺は笑って誤魔化した。
 元いた世界では、慱君は俺より年下だったのだが。
 俺は冒険者達と握手をしてからギルドの中に入り、それぞれ受付が分かれていたので、依頼関連の受付ではなく登録カウンターに行った。

 「すいません、冒険者登録をしたいのですが…」
 「では、こちらの用紙に記入をお願いします。」

 俺は用紙を見ると、俺らの世界では違う言語で書かれていたが読む事が出来た。
 この世界に渡る時に得られるギフトなのだろうか?
 一通りを記入したが、どうしても記入出来ない項目があった。
 それはジョブについてだった。
 俺には魔法は使えない。
 調味料もスキルであって魔法では無いのだが、見方によっては魔法に見えない事もない。
 色々考えた結果、魔剣シーズニングを奮う剣士という事で魔剣士と記入した。

 「確認しますね。 キッド・リターンズ様、年齢12歳、ジョブは魔剣士ですか?」
 「腰にある剣が魔剣なんでね。」
 「そう…ですか。 その年齢で魔剣を持っている方はあまりおられないので…では、キッド様はFランクからのスタートで…」
 「あ、ちょっと待って! そういえばガイウスから紹介状を貰っていたんだった。」

 俺は受付嬢にガイウスからの紹介状を渡した。
 すると受付嬢は、何処かの部屋に走って行った。
 そして数分後に背の高いおっさんを連れて来た。
 元いた世界のテスタに似ている感じがするこの男は、多分ギルドマスターだろう。
 
 「オレの名はヴェルガー、このギルドマスターだ。」
 「初めまして、キッドと申します。」

 俺は最初のイメージを良くする為に敬語で話したが、敬語は不要だと言われた。

 「英雄ガイウスからの紹介状を持って来た奴なんて、今まで居なかったからな! お前は何者なんだ⁉」
 「その説明が一番し難い…ガイウスからの紹介状には何が書いてあった?」
 「キッドは俺が認める数少ない男だから宜しく頼むと…」
 「あの野郎…もう少し言葉を足せよ。」

 まぁ、物を考えるのが苦手そうな奴だったし仕方が無いか。
 ただ、こんな文章で紹介状になるのかね?
 俺は事情を尋ねられたので、以前いた世界の話を含めて全て話した。

 「お前さんが生まれ変わる前は、あの勇者パーティーの剣聖飛鳥の兄で…別世界に転生してから兄妹と共に魔王を倒したと?」
 「まぁ、こんな荒唐無稽な話は普通信じられないよな?」
 「普通はな…何か討伐した証明の品とかあるか?」
 「あぁ、これがある。」

 俺はそう言ってマジックバックから、ベヒーモスの角とロンベルタイガーの革と尻尾を出した。
 ギルドマスターも受付嬢も目を丸くしていた。

 「ベヒーモスにロンベルタイガーだと⁉ これをお前が討伐したという証明は出来るか?」
 「ベヒーモスはガイウスと共に狩ったから本人じゃないと証明は出来ないが…ロンベルタイガーの方は、ベルクドルフ商会のマルザリィと横にいる冒険者達が証人になってくれる。」
 
 ギルドマスターは護衛の冒険者達に話を聞くと、俺の方に戻って来た。
 そして手で頭を抱えながら言った。

 「普通なら、子供に倒せる魔獣では無いんだがな…」
 「だから言ったろ、前の世界の魔王に比べたら大した事が無いと。」
 「俄かに信じられなかったが、どうやら本当の話だったんだな?」
 「それで、俺はどのランクでベヒーモスとロンベルタイガーの賞金は幾らになる?」
 
 ギルドマスターは俺の顔を見ながら、ベヒーモスの角とロンベルタイガーの革を見た。
 そして顔を真っ赤にしてから考え込んでいると、答えが出たみたいで言った。

 「本来ならSランクと言いたい所だが、Sランクはある特定の条件が無いとなれない決まりなのでな、キッド・リターンズはAランクとする!」
 「Aランクか…まぁ妥当だな! それで、金額の方は?」
 「金に不自由している服装には見えないが?」
 「装備品が立派なだけで、金はあまりない。 前の世界の通貨がこちらでも使えたら、金には困らない金額はあるが…」

 俺は前の世界の通貨を見せた。

 「これは金貨で…こっちは白金貨か⁉」
 「なぁ、形も模様も違うだろ?」
 「なるほど…白金貨まであるのなら、こっちで使えたら金に困らないという話は本当だったか。 それで何故金が必要なんだ?」
 「さっきも言ったろ、前の世界の女神からこの世界の魔王を倒した双子に合流しろと…」
 「あぁ、そうだったな…となると、ゴルディシア大陸のカナイ村か。」
 「そういう訳で急ぎたいからさっさと清算をしてくれないか? そうじゃなくても船旅だと急ぎたくても急げないからな。」
 「わかった、清算を急がせよう。 その間はギルド内で待つか…街に繰り出してくれていても良い。」

 俺はギルドマスターの言葉に従って街に出た。
 その後に俺は厄介事に巻き込まれる事になるのだが…?
しおりを挟む
感想 414

あなたにおすすめの小説

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

「専門職に劣るからいらない」とパーティから追放された万能勇者、教育係として新人と組んだらヤベェ奴らだった。俺を追放した連中は自滅してるもよう

138ネコ@書籍化&コミカライズしました
ファンタジー
「近接は戦士に劣って、魔法は魔法使いに劣って、回復は回復術師に劣る勇者とか、居ても邪魔なだけだ」  パーティを組んでBランク冒険者になったアンリ。  彼は世界でも稀有なる才能である、全てのスキルを使う事が出来るユニークスキル「オールラウンダー」の持ち主である。  彼は「オールラウンダー」を持つ者だけがなれる、全てのスキルに適性を持つ「勇者」職についていた。  あらゆるスキルを使いこなしていた彼だが、専門職に劣っているという理由でパーティを追放されてしまう。  元パーティメンバーから装備を奪われ、「アイツはパーティの金を盗んだ」と悪評を流された事により、誰も彼を受け入れてくれなかった。  孤児であるアンリは帰る場所などなく、途方にくれているとギルド職員から新人の教官になる提案をされる。 「誰も組んでくれないなら、新人を育て上げてパーティを組んだ方が良いかもな」  アンリには夢があった。かつて災害で家族を失い、自らも死ぬ寸前の所を助けてくれた冒険者に礼を言うという夢。  しかし助けてくれた冒険者が居る場所は、Sランク冒険者しか踏み入ることが許されない危険な土地。夢を叶えるためにはSランクになる必要があった。  誰もパーティを組んでくれないのなら、多少遠回りになるが、育て上げた新人とパーティを組みSランクを目指そう。  そう思い提案を受け、新人とパーティを組み心機一転を図るアンリ。だが彼の元に来た新人は。  モンスターに追いかけ回されて泣き出すタンク。  拳に攻撃魔法を乗せて戦う殴りマジシャン。  ケガに対して、気合いで治せと無茶振りをする体育会系ヒーラー。  どいつもこいつも一癖も二癖もある問題児に頭を抱えるアンリだが、彼は持ち前の万能っぷりで次々と問題を解決し、仲間たちとSランクを目指してランクを上げていった。  彼が新人教育に頭を抱える一方で、彼を追放したパーティは段々とパーティ崩壊の道を辿ることになる。彼らは気付いていなかった、アンリが近接、遠距離、補助、“それ以外”の全てを1人でこなしてくれていた事に。 ※ 人間、エルフ、獣人等の複数ヒロインのハーレム物です。 ※ 小説家になろうさんでも投稿しております。面白いと感じたらそちらもブクマや評価をしていただけると励みになります。 ※ イラストはどろねみ先生に描いて頂きました。

辺境の鍛治職人は、契約期日迄に鍛治技術を極めたい。

アノマロカリス
ファンタジー
俺の名前は、テルヤ=ザイエンジ30歳。 名前から分かる通り、地球出身の日本人だ。 テルヤ=ザイエンジは、あくまでもこの異世界での名前であり… 在園路 瑛夜が日本での名前である。 そんな俺が、何故異世界にいるのかというと…? このフェフスガルドという異世界の天界に召喚されたのだ。 …と言っても、ラノベでよくある異世界召喚や異世界転移で城に呼び出されたのでは無い。 まずは神々が集う天界に呼ばれ、そこの老神に先人達である同郷の日本人達が魔王ディグスランゼスと呼ばれる魔王を討伐する為の武器を製作して欲しいという話だった。 …というか、こう言った異世界召喚の場合…神々達から聖剣を与えられるものでは無いのか…普通は? ところが、この世界に魔王が出現したのは今回が初めてでは無い。 大体300年周期で出現すると言う話だった。 以前までは、異世界召喚で呼ばれた異世界人の勇者には、神々から与えられた聖剣を渡していたのだが…? 神から与えられた聖剣も万能では無い。 八代目の魔王迄には効果があったのだが、対抗策を身に付けたのか…九代目からは聖剣の効果が薄くなり、今後の対策として、十代目の魔王からは地上の鍛治職人が創り出した技術の武器でなんとか撃退をして貰っていた。 だが、時代の流れの所為なのか…? 現在の鍛治職人達が創り出した武器では、とても魔王討伐が可能とは思えない程に衰退してしまっていて、ならば…勇者以外に新たに鍛治職人を地球から呼び出そうとして、瑛夜が召喚されたのだった。 神々達も魔王を倒してくれる者達の選考は、疎かにはしていない。 勇者達は正義感の強い若者達が選ばれた。 そして鍛治職人には厳選なる選考の末に、在園路家第二十七代刀工士の瑛夜が呼び出されたのだった…のだが? この辺は神の誤算的部分があった。 瑛斗は刀鍛冶士の家系だけど、刀匠ではなく、刀工である。 ※この世界では、刀工は刀匠より下の立場という意味である。 刀造りの技術は有してはいるが、まだ師匠から認められた訳では無い。 瑛夜よりも上の刀匠を呼びたかったが、その刀匠の年齢が年配過ぎて耐えられないと思っての瑛斗だったのだった。 果たして瑛夜は、魔王を倒せられる様な武器を作り出す事は出来るのだろうか?

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

7個のチート能力は貰いますが、6個は別に必要ありません

ひむよ
ファンタジー
「お詫びとしてどんな力でも与えてやろう」 目が覚めると目の前のおっさんにいきなりそんな言葉をかけられた藤城 皐月。 この言葉の意味を説明され、結果皐月は7個の能力を手に入れた。 だが、皐月にとってはこの内6個はおまけに過ぎない。皐月にとって最も必要なのは自分で考えたスキルだけだ。 だが、皐月は貰えるものはもらうという精神一応7個貰った。 そんな皐月が異世界を安全に楽しむ物語。 人気ランキング2位に載っていました。 hotランキング1位に載っていました。 ありがとうございます。

転移術士の成り上がり

名無し
ファンタジー
 ベテランの転移術士であるシギルは、自分のパーティーをダンジョンから地上に無事帰還させる日々に至上の喜びを得ていた。ところが、あることがきっかけでメンバーから無能の烙印を押され、脱退を迫られる形になる。それがのちに陰謀だと知ったシギルは激怒し、パーティーに対する復讐計画を練って実行に移すことになるのだった。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?

歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。 それから数十年が経ち、気づけば38歳。 のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。 しかしーー 「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」 突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。 これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。 ※書籍化のため更新をストップします。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。