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貴族ざまぁの章
第四話
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「ちょっと待ってくれ、リアラが神殿にという事は…王都に向かわれるという事になるわけだよな?」
「そうなりますね、リアラ嬢は王都にある大神殿で面倒を見させて戴きます。」
「先程の話では豊穣の恵みの加護を持つ者はその土地を豊かにするという話だったが、リアラが居なくなったら…」
「リアラ嬢が居なくなっても暫くは加護の恩恵が残ると思いますが、それも時期に消えるでしょうね。」
テリガン侯爵は頭を抱えて悩み出した。
貧困から一転して裕福な生活を送っていたが、またあの時の様な生活に逆戻りするのでは無いかと。
「リアラ嬢がテリガン侯爵領に加護を与え続けるという選択をすれば、今まで通り豊作が約束…」
「あ…その気は全くありませんので、さっさと大神殿に連れて行って下さい。それと豊穣の恵みという加護ですが、今すぐ解除も出来るのですか?」
「伝承では聖女様の言葉一つで継続や解除が出来るという話でしたが…」
「なら解除します。」
「何故だ‼︎」
私の言葉に父であるテリガン侯爵は声を荒げて叫んだ。
「何故って…そんな事を言わなくても分かりますよね?神託の儀の結果がどうであれ侯爵家から追い出すと言われて、今までだって食事は碌に与えられず、癇癪を起こせば私に暴力を振るっておいて加護を継続する理由があると思いますか?」
「私はお前の親だぞ!」
「親って…貴方は親らしい事を私に何かしました?お姉様ばかり可愛がって全てを与え、私には一切何も与えては貰えずに暗く狭い部屋に押し込めて…」
「ぐぅぅぅ…」
「それに貴方には神々しい髪をお持ちのお姉様方いらっしゃるのではありませんか!不吉な象徴の私に頼らずにお姉様に頼られては…って、そういえばお姉様は何も持たない方でしたっけ?」
あれだけ虐げて来た癖に今更調子がいい事を言っているんじゃ無いわよ。
だが、テリガン侯爵は諦めている様子は…?
「そうなりますね、リアラ嬢は王都にある大神殿で面倒を見させて戴きます。」
「先程の話では豊穣の恵みの加護を持つ者はその土地を豊かにするという話だったが、リアラが居なくなったら…」
「リアラ嬢が居なくなっても暫くは加護の恩恵が残ると思いますが、それも時期に消えるでしょうね。」
テリガン侯爵は頭を抱えて悩み出した。
貧困から一転して裕福な生活を送っていたが、またあの時の様な生活に逆戻りするのでは無いかと。
「リアラ嬢がテリガン侯爵領に加護を与え続けるという選択をすれば、今まで通り豊作が約束…」
「あ…その気は全くありませんので、さっさと大神殿に連れて行って下さい。それと豊穣の恵みという加護ですが、今すぐ解除も出来るのですか?」
「伝承では聖女様の言葉一つで継続や解除が出来るという話でしたが…」
「なら解除します。」
「何故だ‼︎」
私の言葉に父であるテリガン侯爵は声を荒げて叫んだ。
「何故って…そんな事を言わなくても分かりますよね?神託の儀の結果がどうであれ侯爵家から追い出すと言われて、今までだって食事は碌に与えられず、癇癪を起こせば私に暴力を振るっておいて加護を継続する理由があると思いますか?」
「私はお前の親だぞ!」
「親って…貴方は親らしい事を私に何かしました?お姉様ばかり可愛がって全てを与え、私には一切何も与えては貰えずに暗く狭い部屋に押し込めて…」
「ぐぅぅぅ…」
「それに貴方には神々しい髪をお持ちのお姉様方いらっしゃるのではありませんか!不吉な象徴の私に頼らずにお姉様に頼られては…って、そういえばお姉様は何も持たない方でしたっけ?」
あれだけ虐げて来た癖に今更調子がいい事を言っているんじゃ無いわよ。
だが、テリガン侯爵は諦めている様子は…?
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