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魔大陸編の章

第十一話 俺の想い人

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 俺には好きな人…というか想い人が地球に居る。

 彼女の名前はセイカといって…11歳の小学生だ。

 両親の虐待によって家の近くの児童福祉館で保護されている。

 セイカの両親は、他にも暴力事件や脅迫や詐欺などを行っていて服役している。

 俺とセイカが出逢ったのは…俺が借金返済の時に児童福祉館で補修工事の休憩時間に出逢った。

 最初の頃は福祉館の子供達とは一切遊ばずに、隅の方で1人座っていたのを声を掛けた。

 だが、両親の酷い虐待の所為で心を閉ざしている為に2日くらいは話し掛けるだけで返答は無かった。

 俺は3日目に自分の家の境遇の話をし始めると、反応を持ったみたいでポツリポツリと話し始めた。

 4日目になると普通に会話が出来るまでになっていた。

 そしてセイカの心の内を聞くことになった。

 両親が長い服役をしていても、いずれは釈放されて戻って来る。

 もう…あの両親とは一緒に暮らしたくも無いし、顔すら見たく無いと。

 そしてこの場所から連れ出して欲しいと…。

 今の俺にセイカを引き取れる様な資格はないし、財力も無い。

 だけど、そんなセイカを見捨てる事はできなかった。

 …とはいえ、補修工事ももうすぐ終わる。

 そうすると、セイカには会えなくなってしまう。

 俺は少ない金で露店で売られていた指輪を渡して言った。

 「今は無理だが、いつかセイカを迎えに来る。 そうしたら一緒に暮らそう!」

 セイカは涙を流して頷いてくれた。

 そして補修工事が終わり、別な現場に行く事になったのだが…別な現場でも時間を見ては会いに行っていた。

 そして俺が親父達に売られる少し前…

 俺はセイカに会いに行ったが、福祉館にはセイカが居なかった。

 突然の失踪で職員達も探しているが見つからなかった。

 俺も探したが見つかる事はなかった。

 そして異世界転移で先に来ていた転移者の中に聖女でセイカという名前を見た。

 同姓同名であのセイカでは無いだろうと思っていた。

 だが、もしも…?

 いや、流石にそれは無いか。

 俺にはセイカという大事な想い人がいる。

 なのでルファリアが幾ら誘って来る?事をしても反応が無いのはこういう事だった。
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