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魔大陸編の章

第二話 これが魔界の街なのか…?

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 魔界の大地にも街は存在する。

 さすがにドーム状の街では無かったが…あれに匹敵する様な高度な文明の街だった。

 魔界って…近代的なのか?

 モヤの様なものを大型の機械が吸い込んで、清潔な空気を吐き出していた。

 まるで空気清浄機の様な物が塀の上の彼方此方から見えていた。

 更にその機械を利用した発電機が塀の照明や周囲を照らしていた。

 異世界の街ではトーレインが結構な技術があると思っていたが、この街の方が2歩か3歩先に行っている感じがした。

 「さて、どうやって進入したら良いのだろうか?」

 一応、フードとマントは羽織っている。

 これで検問でもされない限りは中に入れる筈?

 入るの簡単で出るの難関…という感じではないだろうな?

 出たとこ勝負で行ってみるか!

 魔界の大地に降り立ってから、魔物や魔獣と戦ってレベルは1200を越えたし…大丈夫だろ。

 街の入り口に近づいて行くと、赤い肌をしてツノの生えた門番らしき2人の兵士に止められた。

 「待て! お前…」

 フードとマントで隠している筈なのに、何か変だったか?

 肌は晒していない筈だが?

 「この街のルールは知っているか?」

 「いや…」

 人間だという事がバレたかと思った。

 …というか、魔界の街にもルールとかあるんだな?

 「この街のルールはただ1つ…騒ぎだけは起こすんじゃないぞ! そのルールさえ守れば、魔族だろうが人間だろうがこの街では仲間として扱われるからな‼︎」

 俺が人間だとバレているのか?

 門番の兵士はそれだけ言うと門を開けた。

 中の住人を見ると…緑の肌や青い肌、黒い肌の魔族以外に肌色の人間を多数見掛けた。

 魔界の街には人間も共に暮らしているのか?

 争ったり、無碍に扱われている様子は無い。

 魔族は抗戦的で人間には容赦をしない種族だと思ったが、どうやら違う様だった。

 「偉大なる魔王様の計らいでな、どんな種族でも騒ぎを起こさなければ受け入れるという寛大な心をお見せになられるお方だ! なので…騒ぎだけは絶対に起こしてくれるなよ?」

 …魔王はどうやら良い奴のようだ。

 なら、異世界転移者の使命で魔王を倒せと言われたが…?

 この街を仕切っている以外に他にも魔王が居るのだろうか?

 少なくとも、この街を仕切っている魔王が討伐の対象とは思えない。

 いや、魔王は魔大陸に居ると言うらしいから…魔界の魔王では無いか!

 (ラックは未だに此処を魔大陸ではなくて、魔界だと思っている。)

 更に情報を集めなければならんな!

 俺はそう思いながら街の中に入って行った。

 そして俺は…討伐すべき魔王の存在を知る事になるのだが…?

 それは思ってもいない者だった。
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