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第一部
第十話 これもある意味…お約束的なのか?中編
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「生態系を荒らす魔物って…コレなんだよな⁉︎」
「んだ!恐らく間違えねぇだよ!」
クエスト開始から9日目が過ぎていた。
今迄請けていたクエストは、かなり早いペースでこなしていたが…このクエストだけはやたら時間が掛かった。
俺達は全く見当違いな物をターゲットとして追っていたが、ゴードンがある事に気付いてからそれが核心へと変わり見事に討伐して捕縛する事が出来た。
それにしても…普通はコレが生態系を荒らす魔物とは気付かないぞ?
俺達は、この事に気付いてくれたゴードンに頭が上がらなかった。
一体、生態系を脅かす魔物とは何なのだろうか?
話は二日目に遡る。
~~~~~探索二日目…~~~~~
初日は目に着く魔物を討伐して行き、食材確保をしながら夕食時に検証して見た。
生態系を脅かす程の魔物なら、様々な魔物を襲って食い荒らしている為に…他とはまた違った味がすると思っていた。
ところが大型の魔物だろうが、中型の魔物だろうが…味に対して変化は見られなかった。
決して不味いというわけではないのだ。
湿原エリアの魔物は、直射日光に晒されて生きる皮膚の硬い魔物よりも、肉質が柔らかくて歯応えも丁度いい感じだったが…?
今回討伐した魔物は五体だけなので、他の魔物も検証する為に初日はそれで終わらせてから眠りに着いた。
二日目も初日と全く同じ様に、目に付く魔物を狩ってから喰うという行為を繰り返していた。
多少の味の変化はあったが、取り立てて旨い食材には巡り合わなかった。
元来、草食獣の肉は美味で肉食獣の肉は固くて不味い…というのが定番だったりする。
僕達の世界もそうだが、牛や豚や鳥は美味しかったりするが、猪や熊に関して言えば臭かったり癖があったりする。
だがこの世界では、強者になる程に美味となっていて、弱者程不味いという事になっている。
更に言えば、この世界では…調味料や料理法などはそれほど多くなく、料理も限られている為に試行錯誤がかなり必要な場合がある。
魔素が関係していて、強者程に美味い…というある研究者の話が定着されているらしいが、本当の所は不明だった。
そして三日目になり、俺とゴードンとシーリアは、三人で話し合っていた。
「捕えてから喰うという事をしてきたが、何かやり方が間違っている気がしてくる。」
「そうなのか?結構な場所を行って様々な魔物を狩っていたが、私達の行った範囲ではどれ位だ?」
「良い所でせいぜい二割くらいだろう。」
「まだ八割もあるか、この湿原広すぎよ!」
「ところでゴードンは初日以降、何か静かだがどうした?」
「今の所はハッキリとした事は言えねえんだども、なんが…生態系を乱す魔物という漠然なクエストがぎになっでな!」
「うん?」
「そもそも、このクエストの依頼は本当に冒険者ギルドからの依頼なんが?」
「どういう意味だ?」
「漠然とし過ぎてる上に、嫌がらせの様な感じがするだ!テクト、過去の勇者達のクエストにもこんなのあったんが?」
「いや、ないな…少なくとも新人勇者のクエストにこんな物は無かった気がする。討伐クエストでも対象物がハッキリしていたからな。」
「オラ達は勇者パーティーであって、ハンターでは無いからな。この手の依頼は、本来ならハンターに依頼する物だど思うんだが?」
確かにそう考えてみればそうだよな?
冒険者ギルドのハンター組合とかなら、それぞれの決まった地域で活動するから漠然とした相手でも対処出来る筈だが、こんなクエストを新人になりたての勇者に振り分けられる物なのかな?
俺は改めて、クエスト内容の紙を見た。
するとそこには依頼者が書かれていて、環境大臣のステファニーという名前を見付けた。
「依頼者はあのクソババァか!」
「テクト、知り合いなのか?」
「知り合いというか…以前の勇者パーティーでの活動の際に、王国管轄の希少生物や希少植物のある地域を破壊した事があったんだよ。さすがに絶滅させたという事は無かったんだが、結構な被害が出たらしく…クルーシスというギルドで歯向かって来た奴等が、自分の罪を逃れる為に俺の名前を出した所為で環境大臣のステファニーから睨まれる羽目になったんだ。」
「なら、完全な逆恨みではないか!」
「言い訳はしたんが?」
「その時のクルーシスは、今と違って王国内では結構信頼度が高くてな。その人物の発言を王国側の者達は信じてしまったらしい。しかもこのステファニーというクソババァは更に厄介で、一度その言葉を信じると、周りが違うと言っても聞く耳を持たないんだよ。」
「なら、完全にテクトがマークされたという事か?」
「俺は国王陛下に謁見した事とか無いし、王城なんか滅多に顔なんか出せないからな。それでもマリーのパーティーの中に俺がいると分かったのは、多分マリーが国王陛下の謁見の際に俺の事を話したんだろうな。」
「可能性はあるな。知り合いの話だと国王陛下の謁見の際には、パーティメンバーが決まっているかどうかの有無を確認するような質問があると聞いた事がある。」
俺はそんな話は聞いた事が無い。
シーリアの知り合いでそんな話を知っている者って誰なのだろうか?
まぁ、今はそんな事はどうでも良いか。
「これからどう動く?」
「少し面倒だが、捕らえた魔物に鑑定魔法を使用する。」
「面倒というのは?」
「鑑定魔法を使用している間は、他の魔法が一切使えないんだよ。だから普段は探査魔法を使用して魔物の接近は分かるのだが、鑑定魔法を使っている間はそれが出来ないから…皆に負担を掛ける事になる。」
「それ位なら警戒すれば良いだけの話だが、すぐに鑑定魔法を解除して他の魔法を使うという事は出来ないのか?」
「鑑定魔法は一度発動すると、10秒くらい解除が一切出来ない上に、他の魔法を使用する際に数十秒のインターバルが発生する。弱体魔法だけとか、強化魔法だけとかなら連続で発動出来るのだが、鑑定魔法というのは負担が結構大きい魔法なんだよ。」
「私は魔法が使えないから、その辺の事情は良くは解らないが…魔法って万能ではないんだな!」
「理解してくれるとありがたいよ。以前の勇者パーティーの際には、早くしろよと言われて急かされたからな。」
鑑定魔法には、他の魔法が使用出来るインターバル以外にもう一つ厄介な副作用がある。
使用する度に視力が低下するという厄介な追加効果がある。
寝れば翌日には治っているのだが、あまり頻繁に使用すると移動すら困難な状況に陥る場合があるので極力使用したくない魔法だった。
「これから捕らえた魔物に対して鑑定魔法を行うが、ゴードンとクライヴは周囲の警戒を、マリーとシーリアは対処に当たってくれ!」
「わかっただ!」
「了解した!」
そして四日目…俺は皆が捕まえた魔物達を鑑定して行った。
俺の鑑定魔法もまだ完全ではないのか、細かい詳細まで見ることは出来なかった。
だがそれでも、生態系を乱す物とかの表示は見る事が出来た…が?
「どれも原生魔物と表示されているな、一部に外来魔物と表示される個体もいたが…」
「お兄ちゃん、これはどう?」
「兄ちゃん、小型魔物を捕まえたんだけど?」
「これはどうだ?」
「これならどうだべ?」
「順番にやるから全員で出すな!」
俺は皆が捕まえた魔物を片っ端から鑑定魔法を使って調べた。
だが、どれも該当する物は無く…39匹目で限界が出て来たのだった。
「お兄ちゃん、目から血が流れているよ⁉」
「あぁ、これが鑑定魔法の副作用なんだよ。もう目の前が掠れて良く見えん。」
「なら今日はこれで終わりですね。」
「あぁ、続きは明日やろう。キャンプ地まで誰か手を貸してくれ。」
「なら、私が肩を貸そう。」
俺はシーリアの肩に腕を回した。
正直言って、凄くありがたい。
目の前はおろか、自分の足元すら見えないからだ。
そしてこれもお約束なのか?
俺は何かに躓いてバランスを崩して倒れた。
起き上がろうとして左手で地面を探っていると、何か柔らかい物が手に当たった。
そして揉んでみると、弾力のある感触だった。
「何だ、これ…スライムか?」
「テクト、どこを触っている‼」
俺はシーリアにそう言われて、顔を思いっきり叩かれた。
シーリアがこんな反応をするという事は、恐らくシーリアの胸を触って揉んでいたんだろう。
「テクトお前…本当は見えているんじゃないだろうな?」
「全く見えないから足元が解らねぇんだよ!何かに躓いた位で、何に躓いたのかもわからないしな!」
「怪しい…?」
「それに事故を装ったフリをして胸を触るんだったら、シーリアみたいな筋肉質ではなく、豊満で柔らかい胸の方が良いに決まっているだ………」
俺は言い終わる前に、シーリアから拳でアッパーカットを喰らった。
「今のはお兄ちゃんが悪いです。」
「あぁ、兄ちゃんが悪い。」
「テクト、大丈夫だべか?」
俺はゴードンの肩に手を当てて移動する事にした。
シーリアの方からは、「グルルルルル…」という唸り声が聞こえたからだ。
そしてキャンプ地に着くと、俺はとりあえず横になった。
するとゴードンが心配して見に来てくれて、タオルを濡らして俺の目に掛けてくれた。
「何もしないで寝ているよりも、こうした方が目には良いだ!」
「ありがとな、ゴードン。」
「んだ、友達を心配するのは当たり前だべ!」
あぁ…本当にゴードンは良い奴だな!
俺はゴードンに感謝をしつつ、そのまま眠りに就いた。
そして五日目…
俺は目を覚ますと、視力は完全に戻っていた。
だが今日の夜になれば、また視力を失う事になるだろう。
このクエストが終わらない限り、これが毎日続くとなると憂鬱な気分になる。
俺達は朝食を済ませると、また皆が捕らえた魔物を鑑定して行った。
だが、目ぼしい魔物は発見出来なかった。
昼になり、俺達は一時休憩を取る事にした。
「だめだ、見付からねぇ‼」
「結構な種類を捕らえているが、どれもハズレだなんて…」
「本当に生態系を乱す物なんているのか⁉」
するとゴードンが周りを見渡して首を傾げていた。
何か悩んでいる感じがしたので、俺はゴードンに尋ねてみた。
「どうしたゴードン、何か気になる事でもあるのか?」
「んだ!テクト、悪いんだが…この水草に鑑定魔法を使ってみてはくれんか?」
「構わないが…」
俺はゴードンが指を指した水草に鑑定魔法を使用した。
すると…?
「何て事だ…ゴードンはこれに気付いていたのか?」
「テクトに鑑定魔法をして貰うまではわがらながっただが、テクトの顔を見る限り当たりみたいだな!」
「どういう事ですか?」
「この水草が生態系を乱す魔物の一部なんだ。ゴードンは良くコレに気付いたな?」
「この湿原に入ってから妙な違和感を感じていただ。湿原の割には同じ植物しか見えない事にな!」
ゴードンは軽く咳払いすると、続きを話し始めた。
「オラの家では畑を耕して作物を作っているのは皆も知っているべ?」
「あぁ。」
「畑で作物を育てている時に厄介者が複数いるんだ。作物が目を出したり、成長途中の近くに生える雑草や、作物が実った時に収穫前の野菜を襲う害獣とかな。」
「らしいな…他の畑でもボアに野菜を喰い散らかしたと言っていた人もいたからな。」
「だが、それ以上に厄介な魔物が存在するんだ。以前父ちゃんが言っていたんだが、ハームプラントという魔物だ!」
「だからか、この水草を鑑定した時にハームプラントの亜種と表示されたのは…」
ゴードンは頷くと、更に話を続けた。
「本来雑草は、作物の成長途中に生えた場合…近くの作物の栄養を吸い取って成長するんだが、ある一定の大きさに成長した作物の近くに生えていたとしても、その作物から栄養を奪う事は出来ねぇだ!ところが、ハームプラントという魔物は別で、風に乗って種が飛ばされて地面に落ちると、地面に潜ってからその周りの作物から栄養を吸い取るんだべ。そしてある程度の大きさになると地面の中で蔓を伸ばして地中を移動して、より栄養のある作物の場所に根を張ってその作物の栄養を吸い取ってしまうんだべ。するとその作物はみるみる枯れて行き、そしてまた他の作物のある場所に移動するという物なんだが…」
ゴードンは水草を引き千切って皆に見せた。
「このハームプラントは、近くにある作物の栄養を奪うだけではなく、その作物と同じ葉を地面から蔓を伸ばして広げて…作物が見事に実る前の表現をするという物でな、その間は蔓だけ残して種は移動するんだ。そして種もある程度の大きさになって実になると、そこから活動場所を更に広げるんだ。まるでこの水草の様にな!」
「…なるほど、確かに湿原という割にはこの水草以外の植物が生えているのは見てないな。」
「ということは、何処かで実がなっているという事ですか、ゴードンさん?」
「んだ、それが奴等の本体だ!」
俺達は湿原の周りを見渡した。
確かに明確な対象物が分かれば、後はそれを探して討伐して捕縛すれば良いだけの話だが…?
「ゴードン、ちなみに一つ聞くが…この植物には実が幾つ付いているんだ?」
「実は一つだ!んだが…これだけの範囲に広げられる事を考えると、実はかなり大きな物だとおもう。」
「討伐するには、その辺の草を引き千切っていれば向こうからやってくる…という事は無いですか?」
「それは無いべ、ここらの水草には神経は通ってないだ!人で言うなら、毛先を斬られる程度の痛み位にしか感じねぇべ!」
「だが、この蔓を辿って行けば…いずれ実に辿り着くんだよね?」
「マリー、周りを良く見てから言え。これだけのエリアに生えている物をどう辿って行けば辿り着けるんだ?」
「う…う~~~ん?」
マリーにはそう言っては見たが、結局のところその方法しか今は無い。
俺とゴードンは、マリー達に護衛をして貰いながら水草を一気に引っ張り上げて地面に引き上げた。
とてつもなく時間だけが過ぎて行く作業で、六日目…七日目…と日数だけが過ぎて行った。
そして八日目…俺達はある手応えを得たのだった。
「だめだ、終わりが見えん!」
「明確な対象物が分かっても、水に浸かっている実を探し出すなんて…」
「何か簡単に見つける方法は無いか?」
索敵魔法を展開しても、特定の物だけを索敵出来るという便利な魔法では無い。
なので索敵魔法を展開しても、周りの生物の反応があるだけなのだ。
この中から特定の物を探すのはまず不可能だった。
俺はゴードンの畑に現れたハームプラントの話を今一度思い出してみた。
すると、面白い事に気が付いた。
「なぁ、ゴードン…このハームプラントという魔物は、ゴードンの話によると他の植物から栄養を奪うという話だったよな?」
「んだ!」
「それで、その植物から栄養を奪った後に移動するんだったよな?」
「地面に蔓を伸ばして移動するだ!この場所の場合は水中だべ!」
「だとするとだ、もしかして実のある場所って…他の植物が生い茂っている場所に移動しているんじゃないのか?」
「「「「!?」」」」
俺の想像が正しければ…この三日間やって来た事はほぼ無駄だったという事だ。
いや、完全に無駄だったという訳でも無いか…この三日間の行動を起こしていなければその考えに辿り着かなかった訳だから。
俺は魔法陣を展開してから、皆にありったけの強化魔法を放った。
「皆に強化魔法を掛けた。これから各自散開して、この水草以外の植物が生えている場所を探してくれ。 そして日没になったらキャンプ地に集合しよう。仮に実を見付けても攻撃を仕掛けずに必ずキャンプ地に戻る事。良いな?」
皆は頷くと、各自の方面に散って行った。
そして…仲間達が実だと思われる物を発見するのだが?
だが、その実も簡単に討伐出来る物ではなかったのだった。
後編に続く…
「んだ!恐らく間違えねぇだよ!」
クエスト開始から9日目が過ぎていた。
今迄請けていたクエストは、かなり早いペースでこなしていたが…このクエストだけはやたら時間が掛かった。
俺達は全く見当違いな物をターゲットとして追っていたが、ゴードンがある事に気付いてからそれが核心へと変わり見事に討伐して捕縛する事が出来た。
それにしても…普通はコレが生態系を荒らす魔物とは気付かないぞ?
俺達は、この事に気付いてくれたゴードンに頭が上がらなかった。
一体、生態系を脅かす魔物とは何なのだろうか?
話は二日目に遡る。
~~~~~探索二日目…~~~~~
初日は目に着く魔物を討伐して行き、食材確保をしながら夕食時に検証して見た。
生態系を脅かす程の魔物なら、様々な魔物を襲って食い荒らしている為に…他とはまた違った味がすると思っていた。
ところが大型の魔物だろうが、中型の魔物だろうが…味に対して変化は見られなかった。
決して不味いというわけではないのだ。
湿原エリアの魔物は、直射日光に晒されて生きる皮膚の硬い魔物よりも、肉質が柔らかくて歯応えも丁度いい感じだったが…?
今回討伐した魔物は五体だけなので、他の魔物も検証する為に初日はそれで終わらせてから眠りに着いた。
二日目も初日と全く同じ様に、目に付く魔物を狩ってから喰うという行為を繰り返していた。
多少の味の変化はあったが、取り立てて旨い食材には巡り合わなかった。
元来、草食獣の肉は美味で肉食獣の肉は固くて不味い…というのが定番だったりする。
僕達の世界もそうだが、牛や豚や鳥は美味しかったりするが、猪や熊に関して言えば臭かったり癖があったりする。
だがこの世界では、強者になる程に美味となっていて、弱者程不味いという事になっている。
更に言えば、この世界では…調味料や料理法などはそれほど多くなく、料理も限られている為に試行錯誤がかなり必要な場合がある。
魔素が関係していて、強者程に美味い…というある研究者の話が定着されているらしいが、本当の所は不明だった。
そして三日目になり、俺とゴードンとシーリアは、三人で話し合っていた。
「捕えてから喰うという事をしてきたが、何かやり方が間違っている気がしてくる。」
「そうなのか?結構な場所を行って様々な魔物を狩っていたが、私達の行った範囲ではどれ位だ?」
「良い所でせいぜい二割くらいだろう。」
「まだ八割もあるか、この湿原広すぎよ!」
「ところでゴードンは初日以降、何か静かだがどうした?」
「今の所はハッキリとした事は言えねえんだども、なんが…生態系を乱す魔物という漠然なクエストがぎになっでな!」
「うん?」
「そもそも、このクエストの依頼は本当に冒険者ギルドからの依頼なんが?」
「どういう意味だ?」
「漠然とし過ぎてる上に、嫌がらせの様な感じがするだ!テクト、過去の勇者達のクエストにもこんなのあったんが?」
「いや、ないな…少なくとも新人勇者のクエストにこんな物は無かった気がする。討伐クエストでも対象物がハッキリしていたからな。」
「オラ達は勇者パーティーであって、ハンターでは無いからな。この手の依頼は、本来ならハンターに依頼する物だど思うんだが?」
確かにそう考えてみればそうだよな?
冒険者ギルドのハンター組合とかなら、それぞれの決まった地域で活動するから漠然とした相手でも対処出来る筈だが、こんなクエストを新人になりたての勇者に振り分けられる物なのかな?
俺は改めて、クエスト内容の紙を見た。
するとそこには依頼者が書かれていて、環境大臣のステファニーという名前を見付けた。
「依頼者はあのクソババァか!」
「テクト、知り合いなのか?」
「知り合いというか…以前の勇者パーティーでの活動の際に、王国管轄の希少生物や希少植物のある地域を破壊した事があったんだよ。さすがに絶滅させたという事は無かったんだが、結構な被害が出たらしく…クルーシスというギルドで歯向かって来た奴等が、自分の罪を逃れる為に俺の名前を出した所為で環境大臣のステファニーから睨まれる羽目になったんだ。」
「なら、完全な逆恨みではないか!」
「言い訳はしたんが?」
「その時のクルーシスは、今と違って王国内では結構信頼度が高くてな。その人物の発言を王国側の者達は信じてしまったらしい。しかもこのステファニーというクソババァは更に厄介で、一度その言葉を信じると、周りが違うと言っても聞く耳を持たないんだよ。」
「なら、完全にテクトがマークされたという事か?」
「俺は国王陛下に謁見した事とか無いし、王城なんか滅多に顔なんか出せないからな。それでもマリーのパーティーの中に俺がいると分かったのは、多分マリーが国王陛下の謁見の際に俺の事を話したんだろうな。」
「可能性はあるな。知り合いの話だと国王陛下の謁見の際には、パーティメンバーが決まっているかどうかの有無を確認するような質問があると聞いた事がある。」
俺はそんな話は聞いた事が無い。
シーリアの知り合いでそんな話を知っている者って誰なのだろうか?
まぁ、今はそんな事はどうでも良いか。
「これからどう動く?」
「少し面倒だが、捕らえた魔物に鑑定魔法を使用する。」
「面倒というのは?」
「鑑定魔法を使用している間は、他の魔法が一切使えないんだよ。だから普段は探査魔法を使用して魔物の接近は分かるのだが、鑑定魔法を使っている間はそれが出来ないから…皆に負担を掛ける事になる。」
「それ位なら警戒すれば良いだけの話だが、すぐに鑑定魔法を解除して他の魔法を使うという事は出来ないのか?」
「鑑定魔法は一度発動すると、10秒くらい解除が一切出来ない上に、他の魔法を使用する際に数十秒のインターバルが発生する。弱体魔法だけとか、強化魔法だけとかなら連続で発動出来るのだが、鑑定魔法というのは負担が結構大きい魔法なんだよ。」
「私は魔法が使えないから、その辺の事情は良くは解らないが…魔法って万能ではないんだな!」
「理解してくれるとありがたいよ。以前の勇者パーティーの際には、早くしろよと言われて急かされたからな。」
鑑定魔法には、他の魔法が使用出来るインターバル以外にもう一つ厄介な副作用がある。
使用する度に視力が低下するという厄介な追加効果がある。
寝れば翌日には治っているのだが、あまり頻繁に使用すると移動すら困難な状況に陥る場合があるので極力使用したくない魔法だった。
「これから捕らえた魔物に対して鑑定魔法を行うが、ゴードンとクライヴは周囲の警戒を、マリーとシーリアは対処に当たってくれ!」
「わかっただ!」
「了解した!」
そして四日目…俺は皆が捕まえた魔物達を鑑定して行った。
俺の鑑定魔法もまだ完全ではないのか、細かい詳細まで見ることは出来なかった。
だがそれでも、生態系を乱す物とかの表示は見る事が出来た…が?
「どれも原生魔物と表示されているな、一部に外来魔物と表示される個体もいたが…」
「お兄ちゃん、これはどう?」
「兄ちゃん、小型魔物を捕まえたんだけど?」
「これはどうだ?」
「これならどうだべ?」
「順番にやるから全員で出すな!」
俺は皆が捕まえた魔物を片っ端から鑑定魔法を使って調べた。
だが、どれも該当する物は無く…39匹目で限界が出て来たのだった。
「お兄ちゃん、目から血が流れているよ⁉」
「あぁ、これが鑑定魔法の副作用なんだよ。もう目の前が掠れて良く見えん。」
「なら今日はこれで終わりですね。」
「あぁ、続きは明日やろう。キャンプ地まで誰か手を貸してくれ。」
「なら、私が肩を貸そう。」
俺はシーリアの肩に腕を回した。
正直言って、凄くありがたい。
目の前はおろか、自分の足元すら見えないからだ。
そしてこれもお約束なのか?
俺は何かに躓いてバランスを崩して倒れた。
起き上がろうとして左手で地面を探っていると、何か柔らかい物が手に当たった。
そして揉んでみると、弾力のある感触だった。
「何だ、これ…スライムか?」
「テクト、どこを触っている‼」
俺はシーリアにそう言われて、顔を思いっきり叩かれた。
シーリアがこんな反応をするという事は、恐らくシーリアの胸を触って揉んでいたんだろう。
「テクトお前…本当は見えているんじゃないだろうな?」
「全く見えないから足元が解らねぇんだよ!何かに躓いた位で、何に躓いたのかもわからないしな!」
「怪しい…?」
「それに事故を装ったフリをして胸を触るんだったら、シーリアみたいな筋肉質ではなく、豊満で柔らかい胸の方が良いに決まっているだ………」
俺は言い終わる前に、シーリアから拳でアッパーカットを喰らった。
「今のはお兄ちゃんが悪いです。」
「あぁ、兄ちゃんが悪い。」
「テクト、大丈夫だべか?」
俺はゴードンの肩に手を当てて移動する事にした。
シーリアの方からは、「グルルルルル…」という唸り声が聞こえたからだ。
そしてキャンプ地に着くと、俺はとりあえず横になった。
するとゴードンが心配して見に来てくれて、タオルを濡らして俺の目に掛けてくれた。
「何もしないで寝ているよりも、こうした方が目には良いだ!」
「ありがとな、ゴードン。」
「んだ、友達を心配するのは当たり前だべ!」
あぁ…本当にゴードンは良い奴だな!
俺はゴードンに感謝をしつつ、そのまま眠りに就いた。
そして五日目…
俺は目を覚ますと、視力は完全に戻っていた。
だが今日の夜になれば、また視力を失う事になるだろう。
このクエストが終わらない限り、これが毎日続くとなると憂鬱な気分になる。
俺達は朝食を済ませると、また皆が捕らえた魔物を鑑定して行った。
だが、目ぼしい魔物は発見出来なかった。
昼になり、俺達は一時休憩を取る事にした。
「だめだ、見付からねぇ‼」
「結構な種類を捕らえているが、どれもハズレだなんて…」
「本当に生態系を乱す物なんているのか⁉」
するとゴードンが周りを見渡して首を傾げていた。
何か悩んでいる感じがしたので、俺はゴードンに尋ねてみた。
「どうしたゴードン、何か気になる事でもあるのか?」
「んだ!テクト、悪いんだが…この水草に鑑定魔法を使ってみてはくれんか?」
「構わないが…」
俺はゴードンが指を指した水草に鑑定魔法を使用した。
すると…?
「何て事だ…ゴードンはこれに気付いていたのか?」
「テクトに鑑定魔法をして貰うまではわがらながっただが、テクトの顔を見る限り当たりみたいだな!」
「どういう事ですか?」
「この水草が生態系を乱す魔物の一部なんだ。ゴードンは良くコレに気付いたな?」
「この湿原に入ってから妙な違和感を感じていただ。湿原の割には同じ植物しか見えない事にな!」
ゴードンは軽く咳払いすると、続きを話し始めた。
「オラの家では畑を耕して作物を作っているのは皆も知っているべ?」
「あぁ。」
「畑で作物を育てている時に厄介者が複数いるんだ。作物が目を出したり、成長途中の近くに生える雑草や、作物が実った時に収穫前の野菜を襲う害獣とかな。」
「らしいな…他の畑でもボアに野菜を喰い散らかしたと言っていた人もいたからな。」
「だが、それ以上に厄介な魔物が存在するんだ。以前父ちゃんが言っていたんだが、ハームプラントという魔物だ!」
「だからか、この水草を鑑定した時にハームプラントの亜種と表示されたのは…」
ゴードンは頷くと、更に話を続けた。
「本来雑草は、作物の成長途中に生えた場合…近くの作物の栄養を吸い取って成長するんだが、ある一定の大きさに成長した作物の近くに生えていたとしても、その作物から栄養を奪う事は出来ねぇだ!ところが、ハームプラントという魔物は別で、風に乗って種が飛ばされて地面に落ちると、地面に潜ってからその周りの作物から栄養を吸い取るんだべ。そしてある程度の大きさになると地面の中で蔓を伸ばして地中を移動して、より栄養のある作物の場所に根を張ってその作物の栄養を吸い取ってしまうんだべ。するとその作物はみるみる枯れて行き、そしてまた他の作物のある場所に移動するという物なんだが…」
ゴードンは水草を引き千切って皆に見せた。
「このハームプラントは、近くにある作物の栄養を奪うだけではなく、その作物と同じ葉を地面から蔓を伸ばして広げて…作物が見事に実る前の表現をするという物でな、その間は蔓だけ残して種は移動するんだ。そして種もある程度の大きさになって実になると、そこから活動場所を更に広げるんだ。まるでこの水草の様にな!」
「…なるほど、確かに湿原という割にはこの水草以外の植物が生えているのは見てないな。」
「ということは、何処かで実がなっているという事ですか、ゴードンさん?」
「んだ、それが奴等の本体だ!」
俺達は湿原の周りを見渡した。
確かに明確な対象物が分かれば、後はそれを探して討伐して捕縛すれば良いだけの話だが…?
「ゴードン、ちなみに一つ聞くが…この植物には実が幾つ付いているんだ?」
「実は一つだ!んだが…これだけの範囲に広げられる事を考えると、実はかなり大きな物だとおもう。」
「討伐するには、その辺の草を引き千切っていれば向こうからやってくる…という事は無いですか?」
「それは無いべ、ここらの水草には神経は通ってないだ!人で言うなら、毛先を斬られる程度の痛み位にしか感じねぇべ!」
「だが、この蔓を辿って行けば…いずれ実に辿り着くんだよね?」
「マリー、周りを良く見てから言え。これだけのエリアに生えている物をどう辿って行けば辿り着けるんだ?」
「う…う~~~ん?」
マリーにはそう言っては見たが、結局のところその方法しか今は無い。
俺とゴードンは、マリー達に護衛をして貰いながら水草を一気に引っ張り上げて地面に引き上げた。
とてつもなく時間だけが過ぎて行く作業で、六日目…七日目…と日数だけが過ぎて行った。
そして八日目…俺達はある手応えを得たのだった。
「だめだ、終わりが見えん!」
「明確な対象物が分かっても、水に浸かっている実を探し出すなんて…」
「何か簡単に見つける方法は無いか?」
索敵魔法を展開しても、特定の物だけを索敵出来るという便利な魔法では無い。
なので索敵魔法を展開しても、周りの生物の反応があるだけなのだ。
この中から特定の物を探すのはまず不可能だった。
俺はゴードンの畑に現れたハームプラントの話を今一度思い出してみた。
すると、面白い事に気が付いた。
「なぁ、ゴードン…このハームプラントという魔物は、ゴードンの話によると他の植物から栄養を奪うという話だったよな?」
「んだ!」
「それで、その植物から栄養を奪った後に移動するんだったよな?」
「地面に蔓を伸ばして移動するだ!この場所の場合は水中だべ!」
「だとするとだ、もしかして実のある場所って…他の植物が生い茂っている場所に移動しているんじゃないのか?」
「「「「!?」」」」
俺の想像が正しければ…この三日間やって来た事はほぼ無駄だったという事だ。
いや、完全に無駄だったという訳でも無いか…この三日間の行動を起こしていなければその考えに辿り着かなかった訳だから。
俺は魔法陣を展開してから、皆にありったけの強化魔法を放った。
「皆に強化魔法を掛けた。これから各自散開して、この水草以外の植物が生えている場所を探してくれ。 そして日没になったらキャンプ地に集合しよう。仮に実を見付けても攻撃を仕掛けずに必ずキャンプ地に戻る事。良いな?」
皆は頷くと、各自の方面に散って行った。
そして…仲間達が実だと思われる物を発見するのだが?
だが、その実も簡単に討伐出来る物ではなかったのだった。
後編に続く…
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何故返り討ちにできたかと言うと、実は優斗はこの世界を一度救った元勇者のため、強すぎて鑑定が出来なかっただけだったのだ。
しかしこの出来事と何日か過ごした時に沢山の人間の醜い姿を見て、とうとう人間を見限った優斗は―――
「初めまして今代の魔王。元勇者だが……俺をお前の部下にしてくれ」
「ええっ!?」
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貧乏貴族家の長男レヴィンは《聖獣使い》である。
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