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最終章
第六話 テッドに挑む者…2
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決戦まで、残り6日…
俺は火薬で作れる兵器を色々と考えていた。
火薬で花火を打ち上げる…というのはただの冗談で、本当は火薬と魔法を組み合わせて強大な威力を生み出すという方法を考えているんだが…?
「問題はあの高さまでどうやって上げるか…だが?」
風魔法で火薬の塊を空に舞い上げる…と思ったが、あの高さになると風魔法でも届かないだろう。
この世界の魔法には、放出限界距離という物があり…短距離魔法は精々5m~10m、中距離魔法で10m~30m、長距離魔法の極大魔法でも30m~50mが良い所なのだ。
なので、あの高度ではギリ届くかどうかである。
仮に届いたとしても十分な威力があるとは思えない…なので、空に火薬を浮かせてからそれに当てる事で連鎖的に爆発できないかと考えたのだ…が?
「気球を使って空に上げてから、魔法でドカン!…と簡単に出来れば問題ないのだがな?」
「………ッド・リターンズ!」
この世界には短銃はないが、大砲はある。
なので、大砲に入れて打ち上げると言う手も無くは無いのだが…?
「……いているのか、テッド・リターンズ!」
大砲…打ち上げ式…何か良い方法は無いものか?
「おい、テッド・リターンズ!」
「なんださっきから! うるせえな‼」
俺は振り向くと、そこには貴族の服を着た同じ位の少年が立っていた。
その少年は俺に剣を向けて言った。
「俺と戦え!」
「悪いが他を当たれ!」
俺はそう言うとその場から離れた。
だが、貴族の少年は追ってくると目の前に立ち塞がった。
「この間のリベンジだ! 受けて貰うぞ‼」
「そんな暇はない!」
「貴様になくても俺にはある!」
《なぁ、テッド…コイツ誰だ?》
《前に喧嘩を売って来た貴族だよ。 勝ったらリットを貰うとか…好き勝手な事をほざいていたのでボッコボコにしてから顔と尻の穴にデスソースをぶっ掛けて全裸にして帰らせた事がある。》
《えげつない事をするな…》
《目玉の魔物にカイエンペッパーやドラゴンブレスのソースをぶちまけるキッドには言われたくないよ!》
要は逆恨みか…
こんな奴に付き合っているほど、暇ではないので適当な理由を付けて去ろうとした。
だが今度は、騎士が数名立ち塞がった。
「邪魔だ、どいてくれ!」
「その騎士達は、お前を逃げられなくする為だ! さぁ、俺と戦え!」
「だからそんな暇はねぇんだよ‼ こっちはあと6日で魔王との戦いが待っているんだ! 貴族の道楽なんかに付き合ってられるか‼」
「なら、妹は俺の物だ! それで良いのか?」
「いいわけあるか! わかった、なら掛かって来い!」
「では、我らが決闘の未届け人に…」
「面倒だからお前等も束になって来い!」
「我ら騎士を相手にすると?」
「俺のレベルは99だが? 勝てると思うのならいつでも来い!」
「きゅ…99⁉」
俺はギルドカードを見せた。
騎士達はそこに掛かれているレベルを見て怯んでいた。
馬鹿な貴族の少年を覗いて…
「お前等、何をビビっている?」
「いや、坊ちゃま…レベル99ですよ! 侯爵家の騎士団全員でも勝てません!」
「99が何だというのだ! 俺様の実力を見せてやるぜ‼」
なるほど…コイツは馬鹿なんだな?
また絡んで来てもうっとおしいから、殺すか!
「では、我らが戦いの見届け人とし、勝利条件は…」
「コイツを殺す。 二度とこんな馬鹿な真似を出来ないようにな。」
「俺様を殺すだと? 大きく出たな…」
「では…始め!」
俺はテクニカルセイバーを起動してから、馬鹿な少年の両腕と両足の腱を一瞬で切断した。
そして馬鹿な少年は立てなくなってから倒れたので、剣先を首元に当てた。
「お…おやめください!」
「何故止める? 言っただろ、コイツを殺すと…」
「貴族殺しは重罪になります!」
「なら何故開始の合図を出した? 俺は初めに言ったぞ、コイツを殺すとな…」
「す…すいません、やめて! 殺さないでくれ‼」
「なら二度と俺と妹達にちょっかいを出すな! 約束を守れない時は、貴族だろうが貴様の侯爵家をぶっ潰す!」
「は、はい!はい!はい!はい!はいーーーー!!!」
こうして馬鹿な少年は、騎士に担がれてその場を去って行った。
「まぁ、殺す気は無いんだけどな…あの技は体中の腱を斬る技だし、当分はまともに動けないだろうが…」
全く…こっちは6日後に魔王との戦いが控えているのに、こんな無駄な事をさせやがって!
こんな馬鹿な奴と戦っている暇はないのに…もう来ないだろうな?
それがフラグになったのか、翌日に冒険者ギルドに顔を出すと、また別な奴が戦いを挑んで来たのだった。
「またか…今度は誰だよ?」
もう…ウンザリだった。
魔王との決戦まで、残り5日…
俺は火薬で作れる兵器を色々と考えていた。
火薬で花火を打ち上げる…というのはただの冗談で、本当は火薬と魔法を組み合わせて強大な威力を生み出すという方法を考えているんだが…?
「問題はあの高さまでどうやって上げるか…だが?」
風魔法で火薬の塊を空に舞い上げる…と思ったが、あの高さになると風魔法でも届かないだろう。
この世界の魔法には、放出限界距離という物があり…短距離魔法は精々5m~10m、中距離魔法で10m~30m、長距離魔法の極大魔法でも30m~50mが良い所なのだ。
なので、あの高度ではギリ届くかどうかである。
仮に届いたとしても十分な威力があるとは思えない…なので、空に火薬を浮かせてからそれに当てる事で連鎖的に爆発できないかと考えたのだ…が?
「気球を使って空に上げてから、魔法でドカン!…と簡単に出来れば問題ないのだがな?」
「………ッド・リターンズ!」
この世界には短銃はないが、大砲はある。
なので、大砲に入れて打ち上げると言う手も無くは無いのだが…?
「……いているのか、テッド・リターンズ!」
大砲…打ち上げ式…何か良い方法は無いものか?
「おい、テッド・リターンズ!」
「なんださっきから! うるせえな‼」
俺は振り向くと、そこには貴族の服を着た同じ位の少年が立っていた。
その少年は俺に剣を向けて言った。
「俺と戦え!」
「悪いが他を当たれ!」
俺はそう言うとその場から離れた。
だが、貴族の少年は追ってくると目の前に立ち塞がった。
「この間のリベンジだ! 受けて貰うぞ‼」
「そんな暇はない!」
「貴様になくても俺にはある!」
《なぁ、テッド…コイツ誰だ?》
《前に喧嘩を売って来た貴族だよ。 勝ったらリットを貰うとか…好き勝手な事をほざいていたのでボッコボコにしてから顔と尻の穴にデスソースをぶっ掛けて全裸にして帰らせた事がある。》
《えげつない事をするな…》
《目玉の魔物にカイエンペッパーやドラゴンブレスのソースをぶちまけるキッドには言われたくないよ!》
要は逆恨みか…
こんな奴に付き合っているほど、暇ではないので適当な理由を付けて去ろうとした。
だが今度は、騎士が数名立ち塞がった。
「邪魔だ、どいてくれ!」
「その騎士達は、お前を逃げられなくする為だ! さぁ、俺と戦え!」
「だからそんな暇はねぇんだよ‼ こっちはあと6日で魔王との戦いが待っているんだ! 貴族の道楽なんかに付き合ってられるか‼」
「なら、妹は俺の物だ! それで良いのか?」
「いいわけあるか! わかった、なら掛かって来い!」
「では、我らが決闘の未届け人に…」
「面倒だからお前等も束になって来い!」
「我ら騎士を相手にすると?」
「俺のレベルは99だが? 勝てると思うのならいつでも来い!」
「きゅ…99⁉」
俺はギルドカードを見せた。
騎士達はそこに掛かれているレベルを見て怯んでいた。
馬鹿な貴族の少年を覗いて…
「お前等、何をビビっている?」
「いや、坊ちゃま…レベル99ですよ! 侯爵家の騎士団全員でも勝てません!」
「99が何だというのだ! 俺様の実力を見せてやるぜ‼」
なるほど…コイツは馬鹿なんだな?
また絡んで来てもうっとおしいから、殺すか!
「では、我らが戦いの見届け人とし、勝利条件は…」
「コイツを殺す。 二度とこんな馬鹿な真似を出来ないようにな。」
「俺様を殺すだと? 大きく出たな…」
「では…始め!」
俺はテクニカルセイバーを起動してから、馬鹿な少年の両腕と両足の腱を一瞬で切断した。
そして馬鹿な少年は立てなくなってから倒れたので、剣先を首元に当てた。
「お…おやめください!」
「何故止める? 言っただろ、コイツを殺すと…」
「貴族殺しは重罪になります!」
「なら何故開始の合図を出した? 俺は初めに言ったぞ、コイツを殺すとな…」
「す…すいません、やめて! 殺さないでくれ‼」
「なら二度と俺と妹達にちょっかいを出すな! 約束を守れない時は、貴族だろうが貴様の侯爵家をぶっ潰す!」
「は、はい!はい!はい!はい!はいーーーー!!!」
こうして馬鹿な少年は、騎士に担がれてその場を去って行った。
「まぁ、殺す気は無いんだけどな…あの技は体中の腱を斬る技だし、当分はまともに動けないだろうが…」
全く…こっちは6日後に魔王との戦いが控えているのに、こんな無駄な事をさせやがって!
こんな馬鹿な奴と戦っている暇はないのに…もう来ないだろうな?
それがフラグになったのか、翌日に冒険者ギルドに顔を出すと、また別な奴が戦いを挑んで来たのだった。
「またか…今度は誰だよ?」
もう…ウンザリだった。
魔王との決戦まで、残り5日…
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