私の最悪な婚【厄】者様！

本編

第六話

　あれから半年が過ぎました。

　最後のチャンスを不意にして震えながら待っていなさい…と言われてその日を心待ちにしておりましたが、そんな日は一向にやって来ませんでした。

　だって…あの王妃陛下が送った手紙が簡単にディスガルディア共和国の目的の人物に届くとは思っておりませんからね。

　王妃陛下は自信たっぷりだったみたいでしたが…？

　あの自信がどこから来るのかが私には理解不能でした。

　その翌日にデリランシェス公爵家にディスガルディア共和国の関係者と名乗る方が来られました。

　見た目は子供の様な姿なのですが、あの姿には図書館の書籍で見覚えがありました。

　ディスガルディア共和国の精鋭騎士団のプリズムナイツの格好です。

　その方は【リテット・テンガーロット】と名乗っており…バーミリオン王国を調査している時に、デリランシェス公爵家の私が王国に関わっている事を突き止めて、バーミリオン王国の王族に会う前に私と話をする為に参ったそうです。

　「貴公がソフィア・デリランシェスですか？　バーミリオン王国のダレード殿下の婚約者で現聖女の？」

　「はい、そうです。　1つだけ修正をさせて頂きますと…ダレード殿下とは婚約を破棄されましたので、もう婚約者ではありませんが…」

　「ふむ？　こちらの調査とは少し異なりましたね。」

　リテット様は報告書の用紙に修正していた。

　「それで、今回はどの様な要件でいらっしゃったのですか？」

　「実は、こちらの書簡がディスガルディアに送られて来たのですが…」

　「拝見しても構いませんか？」

　私はそう聞くと、リテットは頷いてみせたので…私は書簡の内容を読んでみる事にした。

　どう考えても嫌な予感がする。

　この書簡がまともな物なら私に会いに来る事なく、バーミリオン王国の王族に会いに行く筈だからです。

　私は書簡の中身を読んでいたら、リテットからこう言われました。

　「あまりにもふざけた内容で、バーミリオン王国はディスガルディアに喧嘩を吹っかけているのかと思ったくらいです。　この書簡の内容に、ディスガルディア共和国大統領のグランマリー様は怒り心頭で…」

　「確かにこの内容なら…そう思われても仕方がありませんね。」

　さて、なんて書かれていたのでしょうか？

　それは次回に判明致します。

　*リテット・テンガーロットを登場人物に追加致しました。