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本編
第一話
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「やはり…呪いはまだ無くなっていなかったのだな?」
国王陛下は我が子のダレードを見て呟いた。
王妃陛下も我が息子の変わり果てた姿を見て、顔を手で覆っていた。
そんな二人の気持ちとは別に、私は因果応報で自業自得だと思って冷めた目で見ていた。
今回の件に関しては、明らかにダレードが悪い。
すると元聖女だった王妃陛下がダレードを見て言った。
「で、伝承では…呪いにより変化をしてしまった姿を元に戻す為に、現聖女が愛と慈しむ心を用いて呪いを持つ者を治したという記録が有ります!」
確かに私の方にも、そう言った記載されている資料を読んだ事はあります。
王妃陛下は私に対して、望みを託す様な目で見て来ました。
ですが私には…この男に対しては一欠片も愛や慈しむ心が湧くとは思えません。
私は動かずにジッとしていると、王妃陛下は私に言って来ました。
「さぁ、ソフィア! ダレードを救いなさい‼︎」
王妃陛下は何を言っているんでしょう?
私は頭に来て言い返した。
「私は婚約破棄をされた身ですし、そんな相手に愛や慈しむ心なんて持ち合わせておりません。」
「な、何ですって‼︎」
「それに…婚約破棄をする前に私に対して罵詈雑言を浴びせまくり、更には幼少の頃から悪口しか言われてこなかった相手に愛情があると本気でお思いですか?」
「そ、それは…ダレードが貴女に対しての照れ隠しの様な物かも?」
「少しでも褒められていた事があれば、照れ隠しも納得はするかもしれませんが…そんな事は1ミリも有りませんでしたね。」
国王陛下は頭を抱えていた。
そして私の発言に対して無理と判断した王妃陛下は、自身の聖女としての能力を使って…ダレードを元に戻せないか近付いて行った。
そして王妃陛下はダレードをそっと抱き締めると……「生臭い!」と言って突き飛ばしたのでした。
「実の親ですらそんな状態ですのに、それを私に期待するってどうなのでしょうか?」
「しかしこのままでは…ダレードはどうなってしまうの⁉︎」
さぁ?
どうなってしまうのでしょうねぇ?
ハッキリ言って、私にはダレードを元に戻せる自信もないし…元に戻せる力があったとしても戻す気なんてない。
あそこまでの罵詈雑言を浴びせまくった人に対して施しを与える様な真似はしたくもない。
とりあえず、これ以上の騒ぎが広がる前に…ダレードは自室に幽閉されて監視が付いた。
それから王族と学者達は、原因究明の為に書物を漁る事になった。
そして私はというと…?
この場に止まってもやる事がないので、公爵家に戻って行った。
それから数日後…
私はダレードに呼ばれて城に赴く事になるんだけど…?
一体、何の用があるんだろう?
国王陛下は我が子のダレードを見て呟いた。
王妃陛下も我が息子の変わり果てた姿を見て、顔を手で覆っていた。
そんな二人の気持ちとは別に、私は因果応報で自業自得だと思って冷めた目で見ていた。
今回の件に関しては、明らかにダレードが悪い。
すると元聖女だった王妃陛下がダレードを見て言った。
「で、伝承では…呪いにより変化をしてしまった姿を元に戻す為に、現聖女が愛と慈しむ心を用いて呪いを持つ者を治したという記録が有ります!」
確かに私の方にも、そう言った記載されている資料を読んだ事はあります。
王妃陛下は私に対して、望みを託す様な目で見て来ました。
ですが私には…この男に対しては一欠片も愛や慈しむ心が湧くとは思えません。
私は動かずにジッとしていると、王妃陛下は私に言って来ました。
「さぁ、ソフィア! ダレードを救いなさい‼︎」
王妃陛下は何を言っているんでしょう?
私は頭に来て言い返した。
「私は婚約破棄をされた身ですし、そんな相手に愛や慈しむ心なんて持ち合わせておりません。」
「な、何ですって‼︎」
「それに…婚約破棄をする前に私に対して罵詈雑言を浴びせまくり、更には幼少の頃から悪口しか言われてこなかった相手に愛情があると本気でお思いですか?」
「そ、それは…ダレードが貴女に対しての照れ隠しの様な物かも?」
「少しでも褒められていた事があれば、照れ隠しも納得はするかもしれませんが…そんな事は1ミリも有りませんでしたね。」
国王陛下は頭を抱えていた。
そして私の発言に対して無理と判断した王妃陛下は、自身の聖女としての能力を使って…ダレードを元に戻せないか近付いて行った。
そして王妃陛下はダレードをそっと抱き締めると……「生臭い!」と言って突き飛ばしたのでした。
「実の親ですらそんな状態ですのに、それを私に期待するってどうなのでしょうか?」
「しかしこのままでは…ダレードはどうなってしまうの⁉︎」
さぁ?
どうなってしまうのでしょうねぇ?
ハッキリ言って、私にはダレードを元に戻せる自信もないし…元に戻せる力があったとしても戻す気なんてない。
あそこまでの罵詈雑言を浴びせまくった人に対して施しを与える様な真似はしたくもない。
とりあえず、これ以上の騒ぎが広がる前に…ダレードは自室に幽閉されて監視が付いた。
それから王族と学者達は、原因究明の為に書物を漁る事になった。
そして私はというと…?
この場に止まってもやる事がないので、公爵家に戻って行った。
それから数日後…
私はダレードに呼ばれて城に赴く事になるんだけど…?
一体、何の用があるんだろう?
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